お金持ちの掃除婦が転生して魔族ごと掃除しちゃった件

プロローグ：お金持ち掃除婦、異世界へ転生！

ピカピカに磨かれた大理石の床。
美しく整頓された家具の数々。
空気は澄み切り、どこか高貴な香りが漂う。

「ふう、今日も完璧ね。掃除は私の誇りよ！」
マツコは豪邸の窓を開け、満足げに胸を張った。
彼女はお金持ちの家で一流の掃除婦として名を馳せていた。掃除の腕は誰にも負けない。
そんな彼女が、ある日、不慮の事故に巻き込まれ……気づけば、見知らぬ世界のど真ん中に立っていた。

「あら？ここは…？」

目の前に広がるのは、灰色に汚れた大地。
空はどんより曇り、漂うのは腐った匂いとゴミの山。
そして、その中央にうごめく不気味な影――魔族たちだ。

「ちょっと待って！これ、掃除しないとダメなレベルじゃないの！？」

マツコの目は輝いた。掃除の神様が新たな舞台を与えてくれたのだと確信した。
「よし、掃除婦マツコ、異世界で最強の掃除力を見せてやるわ！」

彼女は手に持っていた掃除道具を強く握りしめた。

「汚れは、許さないわよ！」