桃太郎

そーた

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少年の記憶〜少年視点〜

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真っ暗な中、独り、膝を抱いている。

あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。

あれだけ騒がしかった外は、今はもう既に静まり返っている。

今はただ、帰ってくるのを待つばかり…

ーーー必ず、戻るから

その「言葉」の意味は分からないが、その「言葉」はとても力強く、とても頼もしい感じがした。

だから泣かなかった。
泣かずにいつまでも待ち続けられた。

絶対に帰ってくる。
絶対に約束を守ってくれる。
絶対に僕を………

暗闇の中に一筋の光が射したーーー

ほら…やっぱり帰ってきた。

ああ…
だからか。
こわいはずのあの夢が、あんなにも温かかったのは。

既に外は眩しいほどに明るくなっていた。
僕はゆっくりと小屋から足を踏み出し、眩しい光に手をかざしながら「この人」を見上げると。
「この人」の顔にやっと光が射した。

ああ、
やっぱりそうだ。
この人だったんだ。
だから、信じることが出来たんだ。

僕にとって大切な人で、
僕の事を大切に想っているこの人は………
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