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第八章 ルガの故郷
七十四話 ノソア教
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ルガたちが入った店にいたルガに話しかけてきた女性はルガのことをお兄ちゃんと呼んでいた。
これにはルガの仲間の七人は多少困惑したが、すぐに理解が追いついた。
「彼女はルガさんの知り合いですか?」
ロスがルガにそう聞くと、ルガよりも先に彼女がその質問に答えた。
「そうよ、お兄ちゃんは昔わたしが周りの虫たちにいじめられていた時によく助けてくれたの。それももう50年くらい前の話かしら」
マールは嬉しそうにルガのことを話す。
「50年前って、お姉さん歳幾つなの?」
リアはマールに年齢に関する質問をする。
「ん~お姉さん年齢に関する話をされると困っちゃうなぁ~」
「やはり殿方の前だと年の話も避けたくなるものさ」
エフィはそう言ってリアを説得するが、これはエフィの勘違いだった。
「違うのよ、わたしの年齢に関して話すのは別に億劫じゃ無いんだけれど、他種族間で年齢の話をするとややこしくなるのよ」
その言葉に一同は納得した。
「まぁ、安心しろお前ら。マールは見た目はお姉さんだけどロスとリアの二人よりは年下だから気にすることはないさ」
マールはルガのセリフを聞くと少し驚いた表情でロスとリアの二人に質問した。
「えっ⁉︎二人とも歳はいくつ?」
「僕の実年齢は72歳です人間に例えれば12歳です」
「私は1500くらい。細かい歳は覚えてないわ人間に例えれば13くらいね」
「すごい!二人とも長生きね!ちなみにわたしは64歳、人間に例えるなら32歳よ」
マールが話し終えると次はロスがある質問をした。
「そして種族は…」
だが、ロスがその話を始めた途端マールの表情が険しくなっていった。これにはジョセフたちもすぐに変化に気がついた。もちろんロス自身も感じるものがあった。
「ごめんなさい、種族に関する話はちょっと」
「え…す、すみません。僕また変なこと言ってしまいましたか?」
「んん!そんなことないわよ、わたしの方こそ変な空気にしちゃってごめんなさい。そういえば自己紹介がまだだったわね、わたしはマール・トラベラ、今はこの店のオーナーをやってます」
彼女の自己紹介の後にルガの仲間たちが順に自己紹介をしていった。特に種族こ話はあまりしないでいた。
ルガたちとマールの会話に一区切りついて適当に飲食していると、つい先日宴会にてお世話になったあの男が姿を現した。
「こんばんわ~マールさんいる?」
その声を聞いてルガたちが店の入り口に目線を注目させる。
「あ!アントさん!」
「君たちは昨日の!また会うとはね。それにルガさんも生きててほんと安心しました」
アントはそう言ってカウンター席に着く。
「今日はキブリさんはいらっしゃらないの?」
「あいつならもうすぐくるさ」
彼がそう明言すると店のドアがまた開く音がした。
「マールさん、アント来てる?」
そう言って現れたのは筋骨隆々としたものすごくガタイの良い男が入ってきた。
「お!きたきた。キブリ、こっちだ」
アントはキブリをカウンターに呼び寄せて椅子に座らせる。
「何だよ、何かいいことでもあったのか?さっきから物凄いにやけ顔だぞ」
するとアントは後ろの方を指差して言った。キブリはアントの指のさす方を見ると目が飛び出るほどの衝撃を受けた。
「ルガさん⁉︎」
ガタンッ
キブリはあまりの驚きに椅子から落ちる。
「お、お久しぶりです…」
「よお、キブリ。お前も随分と大きくなったもんだな」
ルガはそう言ってキブリのもとへ行き、椅子に座らせる。
「積もる話もあるが、まずはあいつらに自己紹介してやってくれ」
キブリはそれを聞いてルガの指先の方を見ると仲間たちが真顔でこちらを眺めている。
「どうも、はじめまして。俺はキブリと申します。ルガさんは俺の兄貴みたいなものです」
自己紹介を終えるとジョセフたちもマールの時と同様に自己紹介をする。それからルガたちとマールたち三人はこの店で夕食をとった。キブリとアントとジョセフは酒を飲み酔い始めると、キブリとアントはルガに関する尊敬心や自慢話を仕出した。
それに対抗するようにジョセフはルガの愚痴を言うが、それも全て跳ね返されるようにルガの良いところなどを言ってくるためかジョセフはいつもより酒を飲む量を減らし、早々とその店を去った。
「あいつらと呑んでいると酒が不味くなる」
「失礼だな」
ルガたち八人は店を出てまた別のところへ向かおうとしていた。酔っ払ったジョセフはルガが担いでいた。
「ルガさんは恥ずかしくないんですか?あんなに自分の自慢話ばかりされて」
「最初は恥ずかしかったさ。だけどもう…慣れた」
ルガはそう言うと次の目的地へ向けて出発した。この時はすでにあたりは夜になっていた。
「次はどこにいくんだ」
ユウはルガに行き先を聞いた。
「お前ら、次は温泉に行くぞ!」
ルガは張り切ってこたえたが、みんなの反応は薄かった。なぜなら、ジョセフとヤスケとタイカ以外は温泉というものを知らなかったからだ。
「温泉?」
「なにそれ?美味しいの?」
「お風呂みたいなものじゃない?」
「風呂か、ここにもあんな楽しいものがあるのか」
ロスとリアとユウとエフィは温泉というものを知らず、特にエフィは宇宙船に備え付けてある風呂しか知らないためか、温泉は風呂だと聞いて温水が宙に浮かぶものだと勘違いしている。
それ以外でヤスケやタイカが温泉というものを知っていながら反応が薄かったのは。
「だって虫たちが作った風呂なんてたかが知れてる」
できればあまり入りたくないかも。
「すみませんが私もそう思います」
できれば私の予想が外れて欲しいところです。
そしてユウたち六人は黙ってルガについていった。
そして数分後、ジョセフ以外の七人は温泉の湯船を満喫していた。もちろん男女別のところで。
「気持ちいいな!温泉というのは」
「うん…。」
「どうした?二人とも入らないのか?」
エフィはリアとタイカの二人に喋りかけるが、タイカとリアの二人は。
「大丈夫?変なものとか入ってたりしない?」
とタイカは未だに虫たちがが経営している温泉を警戒していた。
「そのお風呂あっついから嫌だ」
リアはそう言って近くにあるベンチの上に座っている。
一方で、男湯の方はというと。ルガはお面をつけて裸になって風呂に入っていた。
「あ~~~~……いい湯だなぁ」
ルガはそうやって温泉を満喫しているが、ヤスケとロスはそれどころではなかった。二人ともルガの格好から目が離せずにいる。
「何でそんなガン見するんだよ。別に珍しいものじゃないだろ」
「いやいやいや、珍しいですよ」
「それに、服を脱いだ後何か沢山の重りのようなものをつけていましたけど、あれは何なんですか?」
ロスとヤスケが質問する中、ルガは一息ついて。
「気にすんな」
その一言だけだった。しかし、ロスとヤスケの質問はまだ止まらなかった。
「ルガさんって普段はあんなに着込んでいるのに暑いとか動きづらいとかないんですか?」
「特にそう言うのはないな。鍛えてるから」
ルガは断言する。
「なぜ、いつもお面をつけているんですか?何か見られたくない理由とかあるんですか?」
ヤスケは真剣な表情で質問するが、ルガは
「なら、見てみるか?俺の顔」
ルガは真剣なのか冗談なのかもわからない様子で堪えた。
その発言にロスとヤスケは固唾をのんで、お願いします、と答えた。
それを聞くとルガはお面に手をかけて少し上の方にずらした。ヤスケとロスはその光景をまじまじと血眼で見ていた。
一瞬だけ顎の部分が見えたが、その後すぐにお面を戻し、はいっここまで!と言って嘲笑う。
「俺の顔を見たいだなんてまだ早いわ、もっと鍛えて自然体の状態でも術を発動できるようになったら…そしたら俺のお面を剥いでみろ」
ルガのこの返答にロスとヤスケはギョッとする。
「ルガさんのお面って剥げるようなものなんですか?」
「出来るさ、君たちの努力次第だけど」
そのセリフを聞くとロスとヤスケはまた固唾をのんだ。
「そういえばルガさんの髪の色って綺麗な銀髪なんですね。ジャンプー何使ってるんですか?」
「俺が使ってるのは水と魔法だけ」
ロスとヤスケはそれを聞くとポカンとルガを見ていた。
そして、スコルドもとい、ノソア教のいるヤディス教会ではスコルドと教団の幹部三人の合計四人での話し合いが行われていた。
「スコルド様、これが今日出来上がったミーゴ兵の数です」
そう言ってスコルドに女性の虫が謎の資料を渡す。
「ご苦労様です、ハマダラ」
「ペル、あのルガと言う外界からきた者はどうなりましたか?」
スコルドがそう質問するとペルと呼ばれた男は一度お辞儀をして報告する。
「申し訳ございません、部下二名に始末するように向かわせたのですが取り逃してしまいました」
「……いいでしょう。あの者からは大きな力を感じました。スズやクマンには力不足でしたね。」
すると、スコルドはもう一匹そこで寝ている虫を起こす。
「起きてください。ドゥジャルダン」
スコルドはそう言ってそこで寝ている虫の顔の額に手を当てて目を覚まさせた。
「おはよう、ジャルダンいい夢は見れたか」
ハマダラはドゥジャルダンに声をかける。
「ううん~…むにゃむにゃ……もう起きる時間?」
「そうだぞ、これから会議が始まるんだ、早く起きないとお前の好きな藻を全部食べちゃうぞ」
ペルはそう言ってドゥジャルダンをちゃかす。すると案の定ドゥジャルダンは飛び起きてあたりに藻がないかと探し出す。
その様子を見てみんなが笑っていた。
「それでは本題に入りましょう」
スコルドがそう言うと他の三匹も地面に片膝をついて祈るように手を合わせてスコルドの話を聞く。
「みなさん、作戦の実行まで3日です。みなさんには何度迷惑をかけたことでしょうか。
私は皆さんの強力に感謝しております。
海の向こう側にいる人間達に祝福を、計画を邪魔するような不敬な者達には…制裁を…」
するとハマダラ、ペルそしてドゥジャルダンの三匹は顔を上げて一斉に唱えた。
「承知しました。制裁卿、スコルド様の意のままに。」
そしてノソア教幹部の会議が終わった。
それとほぼ同時刻、宿にて休息をとっているルガたちは温泉を上がって部屋で休んでいると。
ルガは部屋でくつろいでいるジョセフたちに向けて言った。
「お前ら…2日後に、ノソア教を叩き潰しに行くぞ」
これにはルガの仲間の七人は多少困惑したが、すぐに理解が追いついた。
「彼女はルガさんの知り合いですか?」
ロスがルガにそう聞くと、ルガよりも先に彼女がその質問に答えた。
「そうよ、お兄ちゃんは昔わたしが周りの虫たちにいじめられていた時によく助けてくれたの。それももう50年くらい前の話かしら」
マールは嬉しそうにルガのことを話す。
「50年前って、お姉さん歳幾つなの?」
リアはマールに年齢に関する質問をする。
「ん~お姉さん年齢に関する話をされると困っちゃうなぁ~」
「やはり殿方の前だと年の話も避けたくなるものさ」
エフィはそう言ってリアを説得するが、これはエフィの勘違いだった。
「違うのよ、わたしの年齢に関して話すのは別に億劫じゃ無いんだけれど、他種族間で年齢の話をするとややこしくなるのよ」
その言葉に一同は納得した。
「まぁ、安心しろお前ら。マールは見た目はお姉さんだけどロスとリアの二人よりは年下だから気にすることはないさ」
マールはルガのセリフを聞くと少し驚いた表情でロスとリアの二人に質問した。
「えっ⁉︎二人とも歳はいくつ?」
「僕の実年齢は72歳です人間に例えれば12歳です」
「私は1500くらい。細かい歳は覚えてないわ人間に例えれば13くらいね」
「すごい!二人とも長生きね!ちなみにわたしは64歳、人間に例えるなら32歳よ」
マールが話し終えると次はロスがある質問をした。
「そして種族は…」
だが、ロスがその話を始めた途端マールの表情が険しくなっていった。これにはジョセフたちもすぐに変化に気がついた。もちろんロス自身も感じるものがあった。
「ごめんなさい、種族に関する話はちょっと」
「え…す、すみません。僕また変なこと言ってしまいましたか?」
「んん!そんなことないわよ、わたしの方こそ変な空気にしちゃってごめんなさい。そういえば自己紹介がまだだったわね、わたしはマール・トラベラ、今はこの店のオーナーをやってます」
彼女の自己紹介の後にルガの仲間たちが順に自己紹介をしていった。特に種族こ話はあまりしないでいた。
ルガたちとマールの会話に一区切りついて適当に飲食していると、つい先日宴会にてお世話になったあの男が姿を現した。
「こんばんわ~マールさんいる?」
その声を聞いてルガたちが店の入り口に目線を注目させる。
「あ!アントさん!」
「君たちは昨日の!また会うとはね。それにルガさんも生きててほんと安心しました」
アントはそう言ってカウンター席に着く。
「今日はキブリさんはいらっしゃらないの?」
「あいつならもうすぐくるさ」
彼がそう明言すると店のドアがまた開く音がした。
「マールさん、アント来てる?」
そう言って現れたのは筋骨隆々としたものすごくガタイの良い男が入ってきた。
「お!きたきた。キブリ、こっちだ」
アントはキブリをカウンターに呼び寄せて椅子に座らせる。
「何だよ、何かいいことでもあったのか?さっきから物凄いにやけ顔だぞ」
するとアントは後ろの方を指差して言った。キブリはアントの指のさす方を見ると目が飛び出るほどの衝撃を受けた。
「ルガさん⁉︎」
ガタンッ
キブリはあまりの驚きに椅子から落ちる。
「お、お久しぶりです…」
「よお、キブリ。お前も随分と大きくなったもんだな」
ルガはそう言ってキブリのもとへ行き、椅子に座らせる。
「積もる話もあるが、まずはあいつらに自己紹介してやってくれ」
キブリはそれを聞いてルガの指先の方を見ると仲間たちが真顔でこちらを眺めている。
「どうも、はじめまして。俺はキブリと申します。ルガさんは俺の兄貴みたいなものです」
自己紹介を終えるとジョセフたちもマールの時と同様に自己紹介をする。それからルガたちとマールたち三人はこの店で夕食をとった。キブリとアントとジョセフは酒を飲み酔い始めると、キブリとアントはルガに関する尊敬心や自慢話を仕出した。
それに対抗するようにジョセフはルガの愚痴を言うが、それも全て跳ね返されるようにルガの良いところなどを言ってくるためかジョセフはいつもより酒を飲む量を減らし、早々とその店を去った。
「あいつらと呑んでいると酒が不味くなる」
「失礼だな」
ルガたち八人は店を出てまた別のところへ向かおうとしていた。酔っ払ったジョセフはルガが担いでいた。
「ルガさんは恥ずかしくないんですか?あんなに自分の自慢話ばかりされて」
「最初は恥ずかしかったさ。だけどもう…慣れた」
ルガはそう言うと次の目的地へ向けて出発した。この時はすでにあたりは夜になっていた。
「次はどこにいくんだ」
ユウはルガに行き先を聞いた。
「お前ら、次は温泉に行くぞ!」
ルガは張り切ってこたえたが、みんなの反応は薄かった。なぜなら、ジョセフとヤスケとタイカ以外は温泉というものを知らなかったからだ。
「温泉?」
「なにそれ?美味しいの?」
「お風呂みたいなものじゃない?」
「風呂か、ここにもあんな楽しいものがあるのか」
ロスとリアとユウとエフィは温泉というものを知らず、特にエフィは宇宙船に備え付けてある風呂しか知らないためか、温泉は風呂だと聞いて温水が宙に浮かぶものだと勘違いしている。
それ以外でヤスケやタイカが温泉というものを知っていながら反応が薄かったのは。
「だって虫たちが作った風呂なんてたかが知れてる」
できればあまり入りたくないかも。
「すみませんが私もそう思います」
できれば私の予想が外れて欲しいところです。
そしてユウたち六人は黙ってルガについていった。
そして数分後、ジョセフ以外の七人は温泉の湯船を満喫していた。もちろん男女別のところで。
「気持ちいいな!温泉というのは」
「うん…。」
「どうした?二人とも入らないのか?」
エフィはリアとタイカの二人に喋りかけるが、タイカとリアの二人は。
「大丈夫?変なものとか入ってたりしない?」
とタイカは未だに虫たちがが経営している温泉を警戒していた。
「そのお風呂あっついから嫌だ」
リアはそう言って近くにあるベンチの上に座っている。
一方で、男湯の方はというと。ルガはお面をつけて裸になって風呂に入っていた。
「あ~~~~……いい湯だなぁ」
ルガはそうやって温泉を満喫しているが、ヤスケとロスはそれどころではなかった。二人ともルガの格好から目が離せずにいる。
「何でそんなガン見するんだよ。別に珍しいものじゃないだろ」
「いやいやいや、珍しいですよ」
「それに、服を脱いだ後何か沢山の重りのようなものをつけていましたけど、あれは何なんですか?」
ロスとヤスケが質問する中、ルガは一息ついて。
「気にすんな」
その一言だけだった。しかし、ロスとヤスケの質問はまだ止まらなかった。
「ルガさんって普段はあんなに着込んでいるのに暑いとか動きづらいとかないんですか?」
「特にそう言うのはないな。鍛えてるから」
ルガは断言する。
「なぜ、いつもお面をつけているんですか?何か見られたくない理由とかあるんですか?」
ヤスケは真剣な表情で質問するが、ルガは
「なら、見てみるか?俺の顔」
ルガは真剣なのか冗談なのかもわからない様子で堪えた。
その発言にロスとヤスケは固唾をのんで、お願いします、と答えた。
それを聞くとルガはお面に手をかけて少し上の方にずらした。ヤスケとロスはその光景をまじまじと血眼で見ていた。
一瞬だけ顎の部分が見えたが、その後すぐにお面を戻し、はいっここまで!と言って嘲笑う。
「俺の顔を見たいだなんてまだ早いわ、もっと鍛えて自然体の状態でも術を発動できるようになったら…そしたら俺のお面を剥いでみろ」
ルガのこの返答にロスとヤスケはギョッとする。
「ルガさんのお面って剥げるようなものなんですか?」
「出来るさ、君たちの努力次第だけど」
そのセリフを聞くとロスとヤスケはまた固唾をのんだ。
「そういえばルガさんの髪の色って綺麗な銀髪なんですね。ジャンプー何使ってるんですか?」
「俺が使ってるのは水と魔法だけ」
ロスとヤスケはそれを聞くとポカンとルガを見ていた。
そして、スコルドもとい、ノソア教のいるヤディス教会ではスコルドと教団の幹部三人の合計四人での話し合いが行われていた。
「スコルド様、これが今日出来上がったミーゴ兵の数です」
そう言ってスコルドに女性の虫が謎の資料を渡す。
「ご苦労様です、ハマダラ」
「ペル、あのルガと言う外界からきた者はどうなりましたか?」
スコルドがそう質問するとペルと呼ばれた男は一度お辞儀をして報告する。
「申し訳ございません、部下二名に始末するように向かわせたのですが取り逃してしまいました」
「……いいでしょう。あの者からは大きな力を感じました。スズやクマンには力不足でしたね。」
すると、スコルドはもう一匹そこで寝ている虫を起こす。
「起きてください。ドゥジャルダン」
スコルドはそう言ってそこで寝ている虫の顔の額に手を当てて目を覚まさせた。
「おはよう、ジャルダンいい夢は見れたか」
ハマダラはドゥジャルダンに声をかける。
「ううん~…むにゃむにゃ……もう起きる時間?」
「そうだぞ、これから会議が始まるんだ、早く起きないとお前の好きな藻を全部食べちゃうぞ」
ペルはそう言ってドゥジャルダンをちゃかす。すると案の定ドゥジャルダンは飛び起きてあたりに藻がないかと探し出す。
その様子を見てみんなが笑っていた。
「それでは本題に入りましょう」
スコルドがそう言うと他の三匹も地面に片膝をついて祈るように手を合わせてスコルドの話を聞く。
「みなさん、作戦の実行まで3日です。みなさんには何度迷惑をかけたことでしょうか。
私は皆さんの強力に感謝しております。
海の向こう側にいる人間達に祝福を、計画を邪魔するような不敬な者達には…制裁を…」
するとハマダラ、ペルそしてドゥジャルダンの三匹は顔を上げて一斉に唱えた。
「承知しました。制裁卿、スコルド様の意のままに。」
そしてノソア教幹部の会議が終わった。
それとほぼ同時刻、宿にて休息をとっているルガたちは温泉を上がって部屋で休んでいると。
ルガは部屋でくつろいでいるジョセフたちに向けて言った。
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