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第一章 王国、離縁篇
27. 舞踏会(離縁)まで2日 - ルリナの、悪巧 ②-※
ルリナが護衛の存在に気付き、用はもう済んだ、と退出の指示を出したものの、男は直立不動のまま微動だにしない。
もう一度声をかけようとした次の瞬間、護衛のその男は物欲しげなうす汚い表情をしてルリナを見つめ、口を開いた。
「ルリナ嬢、私にもお情けを·········」
そういうことか、と彼女は全てを察する。
でも、ルリナとて誰でも良いわけではないのだ。
確かに騎士団の複数人と関係は持っているが、誰が父親の手の者と関係を持ちたいと思うだろうか?
ルリナは父親が好きなわけではない。
父親に従わなければ、女として成果をださなくては、暴力を振るわれるから。
だから、言いなりになっている、それだけ。
「悪いけど、貴方とは無理よ?」
「で、ですが·······。私も頑張っているのですよ?
折角、ルリナ様の護衛として、此処に入り込んでいるのです······少しくらい、夢を見ても、っ······」
興奮しているのだろう男の鼻息が段々と荒いものに変化しているのにルリナは気付く。
そして全力で拒絶した。
「ッ! でも、嫌なものはイヤだからっ!」
「っ、見て·····みて、いただけるだけでッ······いいのです·····。それだけで、ッ!!」
ちら、と視線をずらせば、騎士服のズボンの股間辺りが形を成してきており、男の顔には既に法悦の笑みが浮かんでいる。
そして、男は徐ろにズボンを下げると下穿きから膨張しかけた陰茎を無造作に取り出した。
「ちょ! ······ちょ、っと。貴方、なにして········」
「あぁ、その表情ッ、! そうして、見ていて······
くださればっ、良いのですっ。お慈悲、を········」
あまりの異常な気迫に押されルリナは黙って頷く。
この男には身体を求めて無理矢理襲おうとする気配はない。それならば無害だし、良いか。と軽く思ったのだ。
既に手のひらで自身を包み込み、柔らかく愛ではじめた男は無言で頷いたルリナを見て、喜悦の声をあげた。
「っ、あぁぁァッ! ありがとう、ございますっ······これでっ、僕の······夢にまで見たッ、、くぅっ····、」
その瞬間、男のモノが一回り大きくなったのが見えて、ルリナは目を見張った。
そして男は自分の手を広げると、唾をいっぱい垂らしそれを先端から幹まで包むように塗りたくる。
それを何往復もしたあと、男根を根元から握りしめて上下に強く扱きはじめた。
「·······あァっ、はぁっ。ルリナ、さま·····っ!!」
ルリナが男性の自慰を見たのは初めての事だった。
目の前の男とは絶対に交わりたくはないけれど、目と耳が拾う卑猥な映像と音はあまりに刺激が強く、自分の意思に反して下半身が疼くのがわかる。
多分、確実に、濡れているだろう。と、彼女は着ていたドレスの裾を直した。
そしてそれを目の前の男は見逃さなかったらしい。
「·······あぁ! もしや、·······わたくしの、自慰に、興奮してくださっている、のですかッ?!」
「っ!?はぁ?そんなわけ、ないじゃないッ!」
「そうですか。っ、·····でも、あなたの匂いが······しますよ。強烈な、男を狂わす、においがっ」
涎を垂らしながら一心不乱に目の前までやってきた男の狂気にルリナは身震いする。
「ヒィッ! いやぁっっ」
そして自身を御す手は止めずに、床に両膝を立てて座ると、ルリナの脚の間に顔を埋めた。
ゆっくりと深く息を吸い込んだ後、ルリナを見上げながら彼は声をあげる。
「あぁ、安心して······くださ、っ。触れないです···あぁっ、匂いだけ····あぁ、ぼくもっ、溢れてっ」
自身の露も溢れ出ている事で潤滑剤となっているのか、とても気持ちよさそうに喘いでいるその男。
そしてそれは長くは続かなかった。直ぐに男は抗うことなく、快楽の絶頂に体を預けたのだ。
「····っは、っ····。ルリナさまの、蜜の······ッ。ふぅっ、もうっ、っ、イくっ!!」
椅子に腰掛けたまま呆然とするルリナ。そんな彼女の脚の間に顔を埋めながら、手を最後まで動かし続けた男は腰を震わせて、吐精した。
はぁはぁ、と肩で息をしながら立ち上がったその男に、ルリナはおそるおそる声をかける。
「あ····あなたも、この媚薬が、狙いなの?」
すると、彼は豆鉄砲を食らったような顔をして、ルリナの手に握られた二つの瓶を視界に捉えた。それから本当に可笑しいというように声を出して笑う。
「ハハハッ! いや、そんな! 僕ならもっと良い対価を御当主様から貰ってますから。ご心配なく!
それは私には必要ありません。
───···それに、それ僕にはもう効かないしな。
あぁ、それより、ルリナ様!今日は僕の夢を叶えて下さりありがとうございました」
そして緩く萎えだした陰茎をそそくさと下穿きに戻すと身だしなみを整え、その護衛は退出していった。
残されたルリナはドレスにべっとりとついた粘度の高い白濁を見やり先程の光景を思い出す。
あの男、何かに取り憑かれたようで少し気持ち悪かった。それにさっき出ていく前に何か呟いていた気がしたのだけれど。
僕にはきかない? とか何かだった気が。
まあでも、そんなことより。
「男性の自慰も意外と悪くなかったわ」
ルリナは汚れたドレスを脱ぎ去るとルドアニア皇国皇帝を迎える準備に取り掛かったのだった。
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