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39. 貴方の『真名』を、何度でも※
リリアーナは椅子に座ったままのヴィクトールを下から見上げた。
そして咥えた彼の先端を喉の奥まで挿入していく。
「ッく······、【支配】!【支配】!」
じゅぽっ、と卑猥なねっとりとした水音が響き、ヴィクトールは奥歯を噛みしめた。
何故、支配が効かないのか。
ヴィクトールが焦っている事が手に取る様に分かり、リリアーナは彼の男根から口を離す。リリアーナの口から唾液が糸を引いて零れ落ち、その卑猥な情景にヴィクトールのそれが彼の意思に反してびくりと跳ねる。
「私にその魔眼は効かない様ですね?」
リリアーナは着ていたドレスの前部分を破いた。
膝をついていた彼女の両脚、大腿部分が顕わになり、ヴィクトールは咄嗟に目を逸らす。
それを気にする様子もなく、リリアーナは下着をずらして指を秘部に滑り込ませると自慰を始めた。
「······っ、はぁ······んぅっ······」
彼女から零れる甘い吐息。次いで、リリアーナが再びヴィクトールの肉棒を口に咥えた事で、再び部屋には水音が響きわたり、床に伏せって身動きの封じられている男達の精神は限界に達していた。
だがそれはヴィクトールも同様であったらしい。
ヴィクトールは必死で身体の拘束を解こうと試みる。だが、これは彼の暴走を阻止する為だけに作られた独自の魔道具である。重症を負い、力の思うように入らない今のヴィクトールに到底破壊できるものではない。
「ッ、やめろっ!お前、皇帝の許可なく口淫をするなど!神殿の巫女とは言え、罰は重いぞ!」
リリアーナは彼の言葉を無視する。
それは、彼がきっと自分を思い出してくれるだろうという、淡い期待。
最愛の夫であり、皇帝陛下であるヴィクトールを助けたいという、愛情。
そして彼が自分を罰するのであればどんな罰でも受けようという、覚悟。
「っぁあン······んんッ!」
「ッ、く······くそっ······」
唐突に男根から口を離したリリアーナは、立ち上がると、両手を後ろで拘束されているヴィクトールの上に跨った。
「······ッ、待て!待て、それは······お前!!」
リリアーナは先端から露を垂らして勇ましく屹立するその肉棒を手に取る。最後の時を待ち望んでいるソレを、蜜口に宛がい、躊躇する事なくひと思いに自分のナカに挿入した。
「ッく、!······お前······この淫乱が!ッ······覚えていろ、罰は極刑にしてやる」
「あぁっ、ヴィクトールさま······っ、ヴィクトールさまぁあ!」
リリアーナはゆっくりと腰を上下に動かし始めれば、ヴィクトールは突如押し寄せる大きな魔力に目を見開く。
「っく、なん······だと?これは······光魔法か?!」
そう、これは光魔法。あまりにも大きく、優しく、慈愛に満ちた魔力。
そして、その圧倒的な光の魔力が身体を駆け巡る。
それは、彼の陰茎にも効果がある様で、無理矢理に近いこの行為にも一向に萎える気配はなかった。その間にも、彼女の魔力はどんどんと濃度を増し、媚薬のようにヴィクトールの身体を熱く滾らせた。
「っくそ!なんなんだ!······く······そっ、」
ヴィクトールはその魔力に抗えず、一気に押し寄せた射精感に身体を小刻みに震わせる。
その瞬間リリアーナの後ろから、ロキの叫び声がした。
「リリアーナ様、『真名』を!」
あまりの快感にヴィクトールの【支配】は切れていたのだ。
ロキは、その瞬間を見逃さなかった。大切な名、『真名』であれば、ヴィクトールを元に戻せるかもしれないと思って。
リリアーナはヴィクトールの上半身を掴みながら、一気に腰を落とす。
ヴィクトールの男根がリリアーナの膣壁を割り開きながら貫き、鈴口がその最奥に口づけを落とした。その瞬間、ヴィクトールは競り上がる射精感に抗えず、そのままリリアーナの最奥に精を放つ。
「っく、······ッう!」
「あぁァッ!イクっ、イきますっ、”レイ”さまァッ······!」
ずくんッ、と胸の奥にその名前が響く。
誰かが、最も大切な人が俺を呼んでいる。
でも、周りを見渡しても、誰もいない。そうずっと俺は一人だったじゃないか。
「貴方が記憶を失っても······何度だって貴方の『真名』を呼ぶわ。本当に愛してるのよ······“レイ”」
ヴィクトールの意識は混沌を彷徨っていた。
そして、もう一度『真名』を呼ばれた事で、ヴィクトールは意識を手放した。
「ヴィクトール様!!」
セドリックがヴィクトールに近づき、上に跨ったままのリリアーナを見て直ぐにバスローブをかける。
「リリアーナ様、邪竜の毒も消え、傷口も完治しています。魔力も安定しています······本当に完治できたようです······。本当に······本当に、有難うございます!!」
セドリックはヴィクトールの身体を隅々まで確認した後、リリアーナに頭を下げた。
「いえ、私がやりたくて行った事です。セドリック様が頭を下げるような事ではありません」
「『真名』を呼ばれた事で記憶の乖離が起こったんだろう。それで意識障害に繋がったんだと思う。明日には目を覚ますだろうな」
ロキがヴィクトールを寝台に横たえて、そう言いながら長椅子に腰かける。
「そうですか······では、私は······本日は自室で睡眠を取ります。明日、また、ヴィクトール様とお話できる機会を······頂いてもよろしいでしょうか?」
リリアーナの言葉にセドリックは頷いた。
「勿論でございます。その際はロキ様、リリアーナ様のエスコートを頼めますでしょうか?」
「ああ。兄上が目覚め次第、オレがリリアーナ様の所に迎えに行く」
こうして、ヴィクトールの治癒を終えたリリアーナは自室に戻った。
彼女は寝台に顔を埋めながら声を殺しながら涙を流す。
「ッ······、ヴィクトール様っ······私の事を忘れてしまったのですか!こんな、誓約まで刻み付けておいてっ······!こんなに、愛しているのに、私をもう離さないと······そう仰ったではないですか······ッ」
リリアーナがヴィクトールの目覚めを知らされたのは、翌日正午の事だった。
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