【第二章/皇国・慣らし五夜編】王太子に離縁されました?上等です。最強の皇帝陛下の【魔眼】と共に、世界攻略を致しますので!【R18・完結】

猫まんじゅう

文字の大きさ
60 / 65

200記念閑話.ヴィクトールの、癒やし

 MNにてブックマークが200件を突破した際の記念閑話です。今回はヴィクトールがリリアーナにウェディングドレスを着させて楽しみたい回ですが、本編に組み込む形にしたため···なんと、R回ではありません!

※本日は執筆の大先輩でもある作者様 "迷い人様" からお祝いファンアートを頂きました。文中最後に頂いたヴィクトールの挿絵を載せさせて頂きます。

*****************************



 リリアーナは婚礼衣装を身に纏って長椅子に腰かけた。
 婚礼衣装といっても、今日は婚儀ではないし、神殿にいるわけでもない。


 ────ここは皇国、皇城の皇帝と皇后の寝室。

 
 「ヴィクトール様、遅いわね······」

 
 ドラファルトの王族とは少し揉め事はあったものの、本日をもって王国やドラファルトの来賓も無事皇国から出国し帰路についた。
 竜王との謁見の後、未だ問題がありそうな様子がヴィクトールから伺えたが、その詳細についてはリリアーナには知らされていない。

 
 「······なにか、あったのかしら?」

 
 確かに、思い返せばいつも冷静沈着なヴィクトールが少しそわそわとしていた気がする。とリリアーナはヴィクトールの様子を思い出す。
 といっても、いつも傍にいるリリアーナが若干気付く程度の違いではあるのだが······。

 
 そんな事を考えていれば、寝室の扉が開き、リリアーナはそちらを振り返った。


「ヴィクトールさま」

「ああ、すまない。遅くなってしまったな」

「いえ······なにかあったのです「身体も冷えてしまっている」


 ヴィクトールに後ろから抱きしめられて、リリアーナはその腕に触れる。


「大丈夫です。お忙しかったのですよね?」

「······まあ、でも少し疲れたな」


 後ろから回り込んでリリアーナの隣に腰を下ろしたヴィクトールは、そのままリリアーナの膝に頭をのせて寝っ転がった。


「へっ、◆〇※▲□!!?」

「なんだ?そんなに驚くことでもないだろう、今更、」


 ヴィクトールのさらさらとした漆黒の髪がリリアーナの脚の太ももに掛かり、くすぐったさで身を捩る。
 リリアーナの婚礼衣装のスカートは前部分が膝上丈になっており彼女の美しい脚が露出している。それを知っているヴィクトールは、太ももに頬を擦り付け柔らかいその感触を存分に堪能している様だ。


「んんっ、ヴィクトールさま、お疲れなのでしょう? 少し寝られてはいかがですか?このままでも構いませんので」

「ん?そうだな······」


 ヴィクトールは少し考え込むような素振りを見せて、にやりと口角を上げてほほ笑んだ。
 その悪企みを思いついたような表情に、ヴィクトールの髪を優しく撫でていたリリアーナは身構える。


「リリィ、貴女がいるではないか」

「へ?」


 ヴィクトールに内股を触られ、リリアーナはびくりと身体を震わせた。


「っちょっと······ヴィクトール様?!」

「ん? 治癒は施してはくれないのか?」

「治癒はっ······、その······では······」


 リリアーナは恥ずかしさに赤面しながらも、控えめに脚を開いた。
 もともと、今夜はマリア嬢に加担したという罪のお仕置きの続きだったのだ。
 ”ウェディングドレスをもう一度着て、俺を愉しませてくれ” と言われたから、それでヴィクトールが喜んでくれるなら良いと、そう思った。

 治癒もできるのだから、一石二鳥だし、何より夫である彼のために自分の出来る事はしてあげたい。


 そして、リリアーナは大胆にも彼に下着を晒す事にしたのだが······、
 ······肝心のヴィクトールは、瞳を閉じたまま一向に動く気配はない。

 寝てしまったのかしら?とヴィクトールの顔を覗き込むと、徐に瞳を開けた彼がにやりと妖艶な笑みを浮かべた。


「ん? 口づけ、をお願いしていたのだが? 何か違っただろうか?」

「!!!」


 リリアーナは赤面する。治癒をしてくれといっていたから、性交渉を意味するのかと思ったのだ。
 なんて恥ずかしい勘違いを!と真っ赤になった顔を両手で覆う。


「貴女の治癒は口づけでも出来るからな。それとも、何か他にしたい事があったのか?」

「ヴィクトールさまッ! 本当に······んうっ」


 ふふっと笑いながらヴィクトールはリリアーナの腕を引き寄せて、頭を抱えるように下から唇を奪った。


「っんふ······、んあっ」


 啄むようなその口づけは次第に深くなり、ヴィクトールはリリアーナを長椅子に押し倒した。
 先ほどと変わり、リリア―ナはヴィクトールを下から見上げ、彼のあまりの色気に驚く。


「ヴィクトールさま······本当に、かっこいい「リリィ、その婚礼衣装、とても似合っている。本当に、妖精の様だぞ。だが、もう脱がせてしまおうか」


 ヴィクトールがリリアーナを後ろ向きに変えて、ドレスの紐をゆっくりと解きながら露わになる背中に口づけを落としていく。


「っんぅ······」

「リリィ、お前があんな竜人の男に触れられたと思うだけで殺しそうだったのだ。殺さなかっただけでも褒めてもらいたいくらいだ、」

「っはぁ······ヴィクトールさま、ごめんなさい」

「俺は貴女を手放す気はないからな、」

「ヴィクトールさま、それは私も、です······」



 下着姿になったリリアーナを優しく抱き上げて、ヴィクトールは彼女を寝台に下ろすと再び唇を塞いだ。
 リリアーナがその深い口づけに溺れ、ヴィクトールが下着に手をかけた時、彼はピタリと動きを止めた。

 そして、寝台から飛び降りるとリリアーナにローブを掛けて私室へと駆けていく。


 ヴィクトールは、ばくばくと鳴る胸を抑えた。
 

 これが、悪夢の始まりだったのかもしれない。
 いや、嫌な予感がした時点から全ては始まっていたのかも知れないが。

 ヴィクトールは今日ずっと感じていた胸騒ぎと、廊下で聞こえた微かな声をたよりに、私室の扉を開けた。
 そしてその光景に目を見開く。

 目の前には、ジョシュアに抱えられた瀕死の状態の自分の影狼の青年と、床一面には血の海が広がっていたのだから。




ヴィクトール様ファンアート
作画.迷い人様。アルファポリスさまにてご活躍の作者様です。

【R18】婚約が有効だったとは知りませんでした【完結】
ホラミスコン奨励賞受賞作品『【R18】彼等の愛は狂気を纏っている』等、その他複数作品掲載。

感想 5

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】

Lynx🐈‍⬛
恋愛
 ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。  それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。  14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。 皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。 この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。 ※Hシーンは終盤しかありません。 ※この話は4部作で予定しています。 【私が欲しいのはこの皇子】 【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】 【放浪の花嫁】 本編は99話迄です。 番外編1話アリ。 ※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。

完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす

小木楓
恋愛
完結しました✨ タグ&あらすじ変更しました。 略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。 「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」 「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」 大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。 しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。 強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。 夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。 恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……? 「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」 逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。 それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。 「一生、私の腕の中で溺れていろ」 守るために壊し、愛するために縛る。 冷酷な仮面の下に隠された、 一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。 ★最後は極上のハッピーエンドです。 ※AI画像を使用しています。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

藤白ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end** ◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です! https://estar.jp/novels/26513389

【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。