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しおりを挟む小さな水音、布擦れの音が部屋に響く。
僅かに残った理性でユベールの身体を引き剥がそうとした勇者の腕は、今はもう殆ど添えるだけになっていた。
服は捲り上げられ、胸の頂点を執拗に弄ばれ、時折堪え切れないというように吐息を漏らす勇者。
舌で嬲られた乳首は赤く充血しツンと尖っている。
「此処で感じるのは初めてでしょう?」
「黙れ…」
かすれた視界で薄暗い天井を眺めていた勇者は、嘲るかのようなユベールの言葉に力無い言葉を零した。
その様子を、ユベールは実に愉しそうに見ている。
淫魔の発する体液、そして空気に侵された身体は、どうあっても人間の力で元に戻せるモノではない。それは、たとえ力ある勇者だとしても例外ではないのだ。
諦めて快感に流される方がずっと楽である筈なのに、僅かな理性で必死に抗う勇者の様はユベールの嗜虐心を大いに刺激した。
「乳首で感じるなんて、まるで雌のそれですね。」
勇者を嘲るユベールの言葉は、靄がかった勇者の意識を浮上させる。怒りを込めて睨んできた勇者に、ユベールは笑みを深めた。
「こ、の…」
「ああ、何も仰らなくて宜しいですよ?話をするのもお辛いでしょうし、…それに」
言うや否や、ユベールの片手はするすると勇者の身体を辿り。
「ッア…!?」
「ーー貴方は、身体の方が素直だ。」
勃ちあがった勇者の陰茎を、服越しに優しく撫でた。
跳ね上がる身体をそうとは思えない強引さで抑えつけ、ユベールは服の中に手を忍び込ませる。
「やめろッ…触るなぁッ」
「…何故?」
「あ……っ!」
熱を持った勇者の身体は込み上げる射精感にがくがくと震えた。
陰茎に直接与えられる刺激は今の勇者にとっては過ぎた快感であり、思い通りに行かぬ身体を弄ぶユベールのこの行為は、屈辱でしかない。
淫魔の手技は巧みだ。加えて催淫効果により身体は増幅された快感を敏感に拾い上げてしまう。
「身を任せた方が、余程楽なのに…」
ひっ、ひっ、と勇者の喉が引きつる。
ユベールが哀れむような台詞を、隠しきれない愉悦を滲ませながら言っている。疎らになった思考でも、その事は理解できた。
「けれどもう限界ですよね」
「あ、ぁっ」
果実のように熟れた胸の頂点を、ユベールが再び舌で嬲る。
飲み込むことが出来ない唾液が、勇者の顎を伝い落ちる。
勇者の精神が屈服するまであとほんの少しだと目を細めたユベールは、陰茎を扱く手をゆっくりと下に下ろしていく。
先から、裏筋。睾丸の間を通り、その先の窄まりに手を伸ばそうとした所で。
何の前触れもなく、ユベールの体が吹き飛んだ。
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