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第49話 生まれ変わりの生まれ変わり
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マンハッタンのマンションの一室では、カイルが茫然自失といった体でソファに座りこんでいる。
「カイル・・・」
妙土の意識はリーザの体の中に戻っていた。
衝撃の告白をしてリーザは意識の奥に戻ってしまった。
バアル神と女神アイリーン。
前世では恋人同士だったリーネ神話の神々の魂が生まれ変わり再び巡り会う。
とってもロマンチックであるが、他人事ではない。
妙土はリーザの生まれ変わりであり、女神アイリーンの生まれ変わりでもあるのか。
・・・ややこしい・・・。
カイルに至っては、父である魔王ラディリオンの魂の一部を移植され、アイリーンを守る役目を負っているという。
アイリーン、すなわち母リーザの生まれ変わりを追いかけていたのは、父により仕組まれていたことだったのだ。
妙土もアイリーンの魂を宿しているから、バアルの魂を持つカイルに惹かれたのだろうか。
・・・本当にややこしい・・・。
「妙土・・・」
カイルは力なく妙土を見上げる。
憔悴しきった表情だ。
妙土はカイルをそっと抱きしめた。
「分魂の術についてラディリオンに確認しようよ。ラディリオンが死んだら、カイルも死ぬことになるのかって」
「ああ、君が気になるのはそこか・・・。僕は母の魂を追いかけていたことが父の意図だったことに愕然としたよ。自分の人生が父の手のひらの上だったなんて・・・」
(そこ!?)
妙土はイラッとした。
別に誰かに強制されたわけではなく、自分の意思で母親の魂を追いかけてたんだから、それはそれでいいんじゃないのか。
「カイルは私の転生を今まで追いかけていて不幸だった?」
「・・・いや・・・」
「だったら、それでいいじゃん!」
妙土はプクッと頬をふくらます。
その仕草がかわいらしい。
金髪碧眼の美女リーザの姿なので、頬を膨らますことに、ちぐはぐ感は否めないが、カイルは和んだ。
「私といてカイルが幸せを感じてくれるかが一番、大事なんだよ。私はカイルといてホッとする。好きだな、と思う。私がアイリーンかどうか、あなたがバアルかどうかなんて関係ないよ。私は今ある自分の気持ちを大事にしたいの」
妙土はまっすぐカイルを見つめた。
カイルが優しく微笑む。
「君には本当に驚かされる。まだそんなに長く生きているわけでもないのに、しっかりした意見を持っているよね。的を得ているし」
カイルはリーザの頬を愛しげに挟み込むと口づけをしてきた。
リーザは慌てて遮る。
「ちょっとカイル!私の体はあなたの母親なんだよ。キスはマズイよ!」
「・・・ああ。人間の間では母子相姦は禁じられているね。でも、リーネ族は大丈夫だよ」
「大丈夫って何が!?」
「近親間で交わっても、人間みたいに重い障害を持った子が生まれるとか、そんな問題はないよ。ディランとネリーニの間にも娘がいるし」
「うそ・・・。親子で・・・?」
「ネリーニの娘はディランが父親だよ。僕たちリーネ族は異種族と交配できないから、仕方ないんだ。でも、子供ができても、人間と違って不具合はない」
考えられない。どうなっているんだ、リーネ族。
そういや、魔界の王族も純血を守るため近親相姦を繰り返してたと言っていたっけ。
そうこうしているうちに、妙土はソファに組み敷かれた。
驚く間もない。
あっという間に服を脱がされる。
カイルの手が止まる。
妙土の体中にある花びらを散らしたような口づけの跡。
白い肌に、所有権を示すようにくっきりとつけられていた。
もちろん、ラディリオンの仕業である。
「カイル・・・。リーザはラディリオンの奥さんなんだよ・・・。二人はとても愛し合っている。この体はリーザのものなんだから我慢して」
妙土が胸を腕で被いながら諭す。
「服を返して」
「・・・」
カイルは服を渋々と返した。
気まずい沈黙が流れる中、妙土は黙々と受け取った服を着る。
突如、部屋が揺れだした。
窓ガラスや家具が振動してカタカタと音がする。
「妙土、僕につかまって」
カイルと妙土は部屋から消えた。
「カイル・・・」
妙土の意識はリーザの体の中に戻っていた。
衝撃の告白をしてリーザは意識の奥に戻ってしまった。
バアル神と女神アイリーン。
前世では恋人同士だったリーネ神話の神々の魂が生まれ変わり再び巡り会う。
とってもロマンチックであるが、他人事ではない。
妙土はリーザの生まれ変わりであり、女神アイリーンの生まれ変わりでもあるのか。
・・・ややこしい・・・。
カイルに至っては、父である魔王ラディリオンの魂の一部を移植され、アイリーンを守る役目を負っているという。
アイリーン、すなわち母リーザの生まれ変わりを追いかけていたのは、父により仕組まれていたことだったのだ。
妙土もアイリーンの魂を宿しているから、バアルの魂を持つカイルに惹かれたのだろうか。
・・・本当にややこしい・・・。
「妙土・・・」
カイルは力なく妙土を見上げる。
憔悴しきった表情だ。
妙土はカイルをそっと抱きしめた。
「分魂の術についてラディリオンに確認しようよ。ラディリオンが死んだら、カイルも死ぬことになるのかって」
「ああ、君が気になるのはそこか・・・。僕は母の魂を追いかけていたことが父の意図だったことに愕然としたよ。自分の人生が父の手のひらの上だったなんて・・・」
(そこ!?)
妙土はイラッとした。
別に誰かに強制されたわけではなく、自分の意思で母親の魂を追いかけてたんだから、それはそれでいいんじゃないのか。
「カイルは私の転生を今まで追いかけていて不幸だった?」
「・・・いや・・・」
「だったら、それでいいじゃん!」
妙土はプクッと頬をふくらます。
その仕草がかわいらしい。
金髪碧眼の美女リーザの姿なので、頬を膨らますことに、ちぐはぐ感は否めないが、カイルは和んだ。
「私といてカイルが幸せを感じてくれるかが一番、大事なんだよ。私はカイルといてホッとする。好きだな、と思う。私がアイリーンかどうか、あなたがバアルかどうかなんて関係ないよ。私は今ある自分の気持ちを大事にしたいの」
妙土はまっすぐカイルを見つめた。
カイルが優しく微笑む。
「君には本当に驚かされる。まだそんなに長く生きているわけでもないのに、しっかりした意見を持っているよね。的を得ているし」
カイルはリーザの頬を愛しげに挟み込むと口づけをしてきた。
リーザは慌てて遮る。
「ちょっとカイル!私の体はあなたの母親なんだよ。キスはマズイよ!」
「・・・ああ。人間の間では母子相姦は禁じられているね。でも、リーネ族は大丈夫だよ」
「大丈夫って何が!?」
「近親間で交わっても、人間みたいに重い障害を持った子が生まれるとか、そんな問題はないよ。ディランとネリーニの間にも娘がいるし」
「うそ・・・。親子で・・・?」
「ネリーニの娘はディランが父親だよ。僕たちリーネ族は異種族と交配できないから、仕方ないんだ。でも、子供ができても、人間と違って不具合はない」
考えられない。どうなっているんだ、リーネ族。
そういや、魔界の王族も純血を守るため近親相姦を繰り返してたと言っていたっけ。
そうこうしているうちに、妙土はソファに組み敷かれた。
驚く間もない。
あっという間に服を脱がされる。
カイルの手が止まる。
妙土の体中にある花びらを散らしたような口づけの跡。
白い肌に、所有権を示すようにくっきりとつけられていた。
もちろん、ラディリオンの仕業である。
「カイル・・・。リーザはラディリオンの奥さんなんだよ・・・。二人はとても愛し合っている。この体はリーザのものなんだから我慢して」
妙土が胸を腕で被いながら諭す。
「服を返して」
「・・・」
カイルは服を渋々と返した。
気まずい沈黙が流れる中、妙土は黙々と受け取った服を着る。
突如、部屋が揺れだした。
窓ガラスや家具が振動してカタカタと音がする。
「妙土、僕につかまって」
カイルと妙土は部屋から消えた。
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