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3.学園
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「え!? 王女殿下に呼び出されたって!?」
「しー!! 声が大きいって!」
驚きのあまり声を大きくしたメイシアの口を慌てて塞ぎ、教室の隅へと連れていく。
「そう……聞いてくれる?」
「もちろん聞くけれど、ザシュリアきちんと寝ているの? 顔色がとても悪いわ」
心配そうにわたくしの頬を撫でるメイシアに、わたくしは胸を張って答えた。
「聞いて驚かないでよ? 前にメイシアに怒られて、なんと睡眠時間を一時間も伸ばしたの! 今は一日四時間も寝てる!」
そんなわたくしに大きくため息を落としたメイシアが、もっと寝なさい、背が伸びないわよと忠告した。いや、まだ十六歳。きっとまだ背は伸びるはず……。
「で、結局王女殿下の御用事はなんだったの?」
「よくわからないんだけど、今の仕事の状況? というか、時間の余裕とか聞かれた。あるわけないよね。で、またきて欲しいって。はぁぁぁ。王宮ってすごいわね。わたくしが想像していた以上に全員のマナーは洗練されていたし、以前、王宮侍女くらいしか働けないって言っていたの、撤回する。無理無理無理無理」
で、あの欲しがり王女でしょ? 変なこと言い出したら困るよね、と小声で耳打ちすると、メイシアが困ったように眉を寄せて答えた。
「ザシュリアは努力家だからなんでもできると思うけれど……。確かに、欲しがり王女って言われているけれど、そこまでおかしいお方な気がしないと思うわ……」
メイシアの言葉に、わたくしはにまにましながら考える。もしかして、シュナウ伯爵令息のご意見じゃないか? いやでも、二人はお互い、異性として適した距離をとって話しているから、御学友的立ち位置の二人がそんな会話をするかな……。絶対に両思いの二人を見ているのは楽しいんだけど、メイシアにクソみたいな婚約者がいるからなぁ。さっさと婚約解消してしまえばいいのに。
「ま、メイシアは王女に巻き込まれたことがないから、いい人に見えるんじゃない? わたくしもそこまで変な感情今までなかったもの。でも、王女という絶対的な権力者とこっちは単なる子爵家よ? いい人でも、巻き込まれは勘弁だよ~!」
わたくしがそう言って項垂れると、同情したように頭を撫でてくれた。規則よく、優しく撫でられる手は、幼い頃に亡くしたお母様のように慈愛に満ちていて、わたくしに眠気を誘う……。
「でも、メイシアがあのクソ婚約者とさっさと婚約解消できることを、わたくしは第一優先で応援しているから!」
「ザシュリア。言葉がすぎるわ。でも、応援してくれてありがとう」
メイシアは微笑んでわたくしに言った。
「でも大丈夫よ。王女殿下がウェルティン商会を欲しがって、国王がそれを認めて滅ぶのなら。単に我が国がそれまでの国だってだけだし、わたくしはザシュリアの過労が解消されて安心するわ。それに、もしそうなったら、わたくしは微力だけれど、国を守るのを協力するわ」
「メイシア~!」
メイシアに抱きついて、その胸元に顔を埋める。メイシアの優しい香りに包まれて、わたくしは寝落ち……。
「ザシュリア? 授業が始まるわよ?」
メイシアに促され、席に戻った。授業を聞きながら、考える。経営について考えるこの講義なんて、大きな商会の実務を担っているわたくしにとってはいい復習程度のものだ。真面目に聞いているけれど、授業中に別のことを考えていたって、テストに自信はある。もしも、王女殿下が商会を欲しがったらどうしよう、と。王女殿下が問題なく経営してくれて、ジャリジュールが変更を許してくれたら問題ないけれど……。これが週に一度しかないこの授業に、わたくしが出られる最後の日だったとは一切知らずに。
「しー!! 声が大きいって!」
驚きのあまり声を大きくしたメイシアの口を慌てて塞ぎ、教室の隅へと連れていく。
「そう……聞いてくれる?」
「もちろん聞くけれど、ザシュリアきちんと寝ているの? 顔色がとても悪いわ」
心配そうにわたくしの頬を撫でるメイシアに、わたくしは胸を張って答えた。
「聞いて驚かないでよ? 前にメイシアに怒られて、なんと睡眠時間を一時間も伸ばしたの! 今は一日四時間も寝てる!」
そんなわたくしに大きくため息を落としたメイシアが、もっと寝なさい、背が伸びないわよと忠告した。いや、まだ十六歳。きっとまだ背は伸びるはず……。
「で、結局王女殿下の御用事はなんだったの?」
「よくわからないんだけど、今の仕事の状況? というか、時間の余裕とか聞かれた。あるわけないよね。で、またきて欲しいって。はぁぁぁ。王宮ってすごいわね。わたくしが想像していた以上に全員のマナーは洗練されていたし、以前、王宮侍女くらいしか働けないって言っていたの、撤回する。無理無理無理無理」
で、あの欲しがり王女でしょ? 変なこと言い出したら困るよね、と小声で耳打ちすると、メイシアが困ったように眉を寄せて答えた。
「ザシュリアは努力家だからなんでもできると思うけれど……。確かに、欲しがり王女って言われているけれど、そこまでおかしいお方な気がしないと思うわ……」
メイシアの言葉に、わたくしはにまにましながら考える。もしかして、シュナウ伯爵令息のご意見じゃないか? いやでも、二人はお互い、異性として適した距離をとって話しているから、御学友的立ち位置の二人がそんな会話をするかな……。絶対に両思いの二人を見ているのは楽しいんだけど、メイシアにクソみたいな婚約者がいるからなぁ。さっさと婚約解消してしまえばいいのに。
「ま、メイシアは王女に巻き込まれたことがないから、いい人に見えるんじゃない? わたくしもそこまで変な感情今までなかったもの。でも、王女という絶対的な権力者とこっちは単なる子爵家よ? いい人でも、巻き込まれは勘弁だよ~!」
わたくしがそう言って項垂れると、同情したように頭を撫でてくれた。規則よく、優しく撫でられる手は、幼い頃に亡くしたお母様のように慈愛に満ちていて、わたくしに眠気を誘う……。
「でも、メイシアがあのクソ婚約者とさっさと婚約解消できることを、わたくしは第一優先で応援しているから!」
「ザシュリア。言葉がすぎるわ。でも、応援してくれてありがとう」
メイシアは微笑んでわたくしに言った。
「でも大丈夫よ。王女殿下がウェルティン商会を欲しがって、国王がそれを認めて滅ぶのなら。単に我が国がそれまでの国だってだけだし、わたくしはザシュリアの過労が解消されて安心するわ。それに、もしそうなったら、わたくしは微力だけれど、国を守るのを協力するわ」
「メイシア~!」
メイシアに抱きついて、その胸元に顔を埋める。メイシアの優しい香りに包まれて、わたくしは寝落ち……。
「ザシュリア? 授業が始まるわよ?」
メイシアに促され、席に戻った。授業を聞きながら、考える。経営について考えるこの講義なんて、大きな商会の実務を担っているわたくしにとってはいい復習程度のものだ。真面目に聞いているけれど、授業中に別のことを考えていたって、テストに自信はある。もしも、王女殿下が商会を欲しがったらどうしよう、と。王女殿下が問題なく経営してくれて、ジャリジュールが変更を許してくれたら問題ないけれど……。これが週に一度しかないこの授業に、わたくしが出られる最後の日だったとは一切知らずに。
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