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最初のお茶会
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マリーが婚約者となり、初めてのお茶会が開催された。
「ウィナーベルこーしゃく家のマリリアントでちゅ。このたびは、おーじしゃまのこんにゃくしゃにえらんでいただき、ありがとうございまちゅ」
マリーが一生懸命覚えたおぼつかない挨拶をする。愛らしさにみんながほっこりする。
「よかったわね、オズ。あなたずっとマリーのこと話していたもの。ほら、ご挨拶してありがとうって言いなさい?」
やっとマリーに会えた嬉しさで顔を紅潮させているものの、恥ずかしいのか皇后の影から少しも出てこない。
「いくら恥ずかしいとしても、ありがとうくらい、言いなさい? オズ?」
「……マリー、ありがとう」
そう言ってまたすぐに皇后の後ろに隠れてしまった。
「全くもう……この子ったら……マリーを婚約者にしてほしい、絶対幸せにするって泣いて頼んできたのに、本人を目の前にするとこうなんだもの」
皇后が少し呆れた表情でそう嘆いた。
「ふふふ、とても愛らしいですわ。そんなにも想ってもらって、マリーも幸せね?」
「……うん?」
母にそう言われるものの、婚約の意味をあまり意味をわかっていないようで、マリーは首を傾げながら肯定する。
ーーーー
「おーじしゃま! こっちおいでー?」
「う、うん!」
マリーが先導して、第一皇子と共に遊びはじめた。王族に対しての言葉遣いとしては不適切だが、さすがに3歳児なので許されている。
徐々に、第一皇子もマリーに声をかけるようになっていった。
「マリー! こっちこっち! きれぇなところあるよ!」
ーーーー
そんな2人の様子を微笑ましげに見守る母たちは、会話を楽しんでいる。
「マリーがオズのことを好きにならなかったとしても、お互い想いあって大切にしあう関係になってくれたらいいわね?」
「そうですわね。でも、きっと好きになりますわ。第一皇子と共に歩むことのできる立派な女性にならなきゃダメですよ? マリー。お勉強頑張りましょうね?」
「はい! おかあしゃま!」
恋や愛をまだわからなかったマリーではあるものの、皆が憧れる素敵な皇子様に選んでもらったことを誇りに思っているようだ。ただ単に、第一皇子と遊ぶのが楽しかっただけかもしれないが……。
その日から皇后になるために、マリーに様々な教育を施されることとなった。本来、その教育は、婚約者に内定する10歳前後に行われるものだ。しかし、皇后に相応しいか判断できるとされる年齢以前に、婚約者として内定したマリーは、周囲に認められるためにも努力しなければならなかった。
ーーー
元々の愛らしい外見は、メイドたちの努力によってさらに磨かれた。健康的な食事に、美しいマナー。そして、流行を抑えた完璧な服装。
マリーは優秀だった。駄々をこねることは稀にあっても、基本的には1度言われたことはすぐに習得する。幼児とは思えない才能だった。
皇后になった時、周囲に感情を悟られないように、と開始された表情のコントロールも完璧となった。もちろん、マリーだって腹の中は色々考えてる。
しかし、動揺も一切、表に出さないことができるようになった。一見すると暖かく見受けられる、作られた微笑みを浮かべることはできるようになった。表情を出さないようにしている時は無表情なことが多くなっていった。
それも高位貴族の務めというものだと、幼いながらもマリーも理解はしていたようだった。
第一皇子と仲良く遊んでいた時期もあったのに、徐々に表情を失っていくマリーに、第一皇子も話しかけることができず、2人の距離は開いていった。
もっとも、第一皇子の気持ちは衰えることを知らず、父母にはマリーへの愛を囁いている。
マリー本人も第一皇子のことを憎からず思っているようであった。
「ウィナーベルこーしゃく家のマリリアントでちゅ。このたびは、おーじしゃまのこんにゃくしゃにえらんでいただき、ありがとうございまちゅ」
マリーが一生懸命覚えたおぼつかない挨拶をする。愛らしさにみんながほっこりする。
「よかったわね、オズ。あなたずっとマリーのこと話していたもの。ほら、ご挨拶してありがとうって言いなさい?」
やっとマリーに会えた嬉しさで顔を紅潮させているものの、恥ずかしいのか皇后の影から少しも出てこない。
「いくら恥ずかしいとしても、ありがとうくらい、言いなさい? オズ?」
「……マリー、ありがとう」
そう言ってまたすぐに皇后の後ろに隠れてしまった。
「全くもう……この子ったら……マリーを婚約者にしてほしい、絶対幸せにするって泣いて頼んできたのに、本人を目の前にするとこうなんだもの」
皇后が少し呆れた表情でそう嘆いた。
「ふふふ、とても愛らしいですわ。そんなにも想ってもらって、マリーも幸せね?」
「……うん?」
母にそう言われるものの、婚約の意味をあまり意味をわかっていないようで、マリーは首を傾げながら肯定する。
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「おーじしゃま! こっちおいでー?」
「う、うん!」
マリーが先導して、第一皇子と共に遊びはじめた。王族に対しての言葉遣いとしては不適切だが、さすがに3歳児なので許されている。
徐々に、第一皇子もマリーに声をかけるようになっていった。
「マリー! こっちこっち! きれぇなところあるよ!」
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そんな2人の様子を微笑ましげに見守る母たちは、会話を楽しんでいる。
「マリーがオズのことを好きにならなかったとしても、お互い想いあって大切にしあう関係になってくれたらいいわね?」
「そうですわね。でも、きっと好きになりますわ。第一皇子と共に歩むことのできる立派な女性にならなきゃダメですよ? マリー。お勉強頑張りましょうね?」
「はい! おかあしゃま!」
恋や愛をまだわからなかったマリーではあるものの、皆が憧れる素敵な皇子様に選んでもらったことを誇りに思っているようだ。ただ単に、第一皇子と遊ぶのが楽しかっただけかもしれないが……。
その日から皇后になるために、マリーに様々な教育を施されることとなった。本来、その教育は、婚約者に内定する10歳前後に行われるものだ。しかし、皇后に相応しいか判断できるとされる年齢以前に、婚約者として内定したマリーは、周囲に認められるためにも努力しなければならなかった。
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元々の愛らしい外見は、メイドたちの努力によってさらに磨かれた。健康的な食事に、美しいマナー。そして、流行を抑えた完璧な服装。
マリーは優秀だった。駄々をこねることは稀にあっても、基本的には1度言われたことはすぐに習得する。幼児とは思えない才能だった。
皇后になった時、周囲に感情を悟られないように、と開始された表情のコントロールも完璧となった。もちろん、マリーだって腹の中は色々考えてる。
しかし、動揺も一切、表に出さないことができるようになった。一見すると暖かく見受けられる、作られた微笑みを浮かべることはできるようになった。表情を出さないようにしている時は無表情なことが多くなっていった。
それも高位貴族の務めというものだと、幼いながらもマリーも理解はしていたようだった。
第一皇子と仲良く遊んでいた時期もあったのに、徐々に表情を失っていくマリーに、第一皇子も話しかけることができず、2人の距離は開いていった。
もっとも、第一皇子の気持ちは衰えることを知らず、父母にはマリーへの愛を囁いている。
マリー本人も第一皇子のことを憎からず思っているようであった。
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