【挑文師、業務結婚します】あやかしから溺愛されるメンヘラ先生、猫かぶり既婚者キラー医師と業務結婚する

きゅるるん妖魔の誘惑

3

「おいで、いいこだねぇ」と言って頭を撫でてみたら、
「えー！ペット扱い？」
　と不満の声をあげてきた。いずれにしても、万理は私のそばにいてくれたらしい。その意図はやっぱり私には理解しがたいけれど。

「そばにいてくれてありがとう、万理」
「うん。早く冷酷男に愛想つかして、オレたちの世界に来てほしいな」
「それは、ダメ。私にはやらなきゃいけないことがあるから」
「えーじゃあ、別の方法を取るしかないのかなぁ」

「別の方法？」
「ううん、なんでもなーい。冷酷男が帰って来たみたいだから、逃げるね」と言う。甲子童子と同じように、窓から出て行く。

　そして、白い狐がアパートの方へ駆けていった。
　とらつぐみといい、アライグマといい、いつの間にか動物が出入りする家になっているのが不思議だ。