176 / 228
アライグマのおさんぽ
7
しおりを挟む
お姉さんは絡まって来る蔦や、コンクリートの床を突き破って生えてくる根っこを扇の刃で切り裂いていく。
「ルイしゃん、紅いお姉さんに護ってもらってください。私はこの人たちを成敗します」
「成敗だなんて、偉そうなことを言っても。劣等生では無理ですよ」
男の人は言う。
ルイがそこまで見ていたところで、紅い女の人が長く黒い爪を伸ばしてきて、ルイと座っている女の子を囲む。
「私は劣等生ですが。弟は結構、出来る奴なんですよ」
とお姉さんは言って、両手の扇を広げた。その瞬間にお姉さんの片手が、別の人物の手になり、黒髪のお兄さんが出てくる。
男の人と女の人は、え、と声をあげた。
出てきたお兄さんの目の色はお姉さんと同じだ。顔つきはお姉さんと似ているけれど、ニヒルな笑い顔は、お姉さんとは似ていない。
「よ、久しぶり、姉さん。元気そうじゃん」
とお兄さんが声をかけるので、
「久しぶり、千景」
お姉さんも簡単に挨拶する。
「それに色々思い出した。私たちは――――」
「そうそう、ま。使うかどうかは、姉さん次第」
そして、ニヒルなお兄さんは鉄扇を結んでいた鉄の紐を外して、男の人を縛りあげてしまった。同時にお姉さんもまた、自分の鉄の紐で女の人を縛りあげてしまう。
あっという間の出来事に、ルイはすっかり驚いてしまった。そばにいた紅い女の人も、まあ、凄いですねとため息のような声を出す。
「ルイしゃん、紅いお姉さんに護ってもらってください。私はこの人たちを成敗します」
「成敗だなんて、偉そうなことを言っても。劣等生では無理ですよ」
男の人は言う。
ルイがそこまで見ていたところで、紅い女の人が長く黒い爪を伸ばしてきて、ルイと座っている女の子を囲む。
「私は劣等生ですが。弟は結構、出来る奴なんですよ」
とお姉さんは言って、両手の扇を広げた。その瞬間にお姉さんの片手が、別の人物の手になり、黒髪のお兄さんが出てくる。
男の人と女の人は、え、と声をあげた。
出てきたお兄さんの目の色はお姉さんと同じだ。顔つきはお姉さんと似ているけれど、ニヒルな笑い顔は、お姉さんとは似ていない。
「よ、久しぶり、姉さん。元気そうじゃん」
とお兄さんが声をかけるので、
「久しぶり、千景」
お姉さんも簡単に挨拶する。
「それに色々思い出した。私たちは――――」
「そうそう、ま。使うかどうかは、姉さん次第」
そして、ニヒルなお兄さんは鉄扇を結んでいた鉄の紐を外して、男の人を縛りあげてしまった。同時にお姉さんもまた、自分の鉄の紐で女の人を縛りあげてしまう。
あっという間の出来事に、ルイはすっかり驚いてしまった。そばにいた紅い女の人も、まあ、凄いですねとため息のような声を出す。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる