【挑文師、業務結婚します】あやかしから溺愛されるメンヘラ先生、猫かぶり既婚者キラー医師と業務結婚する

アライグマのおさんぽ

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　紅い女の人は、そんなお姉さんの姿をじっと見つめていた。

「あなたは、寧月融の何ですか？」
「妻です」
　少し照れ臭そうにしておずおずと、お姉さんは言う。

「妻？」
「結婚しました、融さんと」
「あの赤ちゃんが、結婚したんですか？」
　赤ちゃん？とお姉さんは首をかしげる。

「結婚はいいものですか？」
　と聞かれて、お姉さんは少し困ったようにした。けれど、
「多分。いいもの、だと思います」
　と答える。

　そうですか、と言った紅い女の人はとても驚いた顔をして、それから、この上なく嬉しそうに笑った。

　ルイもお姉さんも、その顔を見てとても驚く。
「あの日の赤ちゃんは、いいものになったんですね」
　と言うのだ。

　ルイにもお姉さんにも何のことだか分からない。けれど、紅い女の人が嬉しそうだったので、ルイは嬉しくなった。