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これは不貞になりますか?
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「美景~捨てないで~!」
そしてお酒の匂いの風と、柑橘類の匂いの風がまざった香りがしてきた。私は融と顔を見合わせる。窓の外にもやが見えた。漠だ。
万理は融にあっかんベーをしてから、子ぎつねと共に走り去っていった。
融ははあっと短くため息をつき、私は耳の後ろを撫でる。
「まずは、漠を払ってからですね」と私が言えば、
「今度、志野尾の縁切り神社にご招待します。魑魅魍魎との神がかりの離縁をお願いします、美景さん」
と融。
「まあ、それはこれが終わってから考えましょうか?」
私は緋扇でひらりと扇ぎながら答えた。融の眉根が寄ったのを見て、ひゃあ、怖い、と思う。
とまあ、化けの皮が少しずつ剥がれてきた夫と業務結婚を存続中だ。
次にいつ指令が来るのかは分からないけれど、私は割とこの結婚を気に入っている。
そしてお酒の匂いの風と、柑橘類の匂いの風がまざった香りがしてきた。私は融と顔を見合わせる。窓の外にもやが見えた。漠だ。
万理は融にあっかんベーをしてから、子ぎつねと共に走り去っていった。
融ははあっと短くため息をつき、私は耳の後ろを撫でる。
「まずは、漠を払ってからですね」と私が言えば、
「今度、志野尾の縁切り神社にご招待します。魑魅魍魎との神がかりの離縁をお願いします、美景さん」
と融。
「まあ、それはこれが終わってから考えましょうか?」
私は緋扇でひらりと扇ぎながら答えた。融の眉根が寄ったのを見て、ひゃあ、怖い、と思う。
とまあ、化けの皮が少しずつ剥がれてきた夫と業務結婚を存続中だ。
次にいつ指令が来るのかは分からないけれど、私は割とこの結婚を気に入っている。
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