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第三章第一部 マグサヤ領への用命は王命なのか?

70話

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※レマイア領中央領公館 滞在中

 あれから随分な時間が・・もうすぐ3時かな?その間に俺のお願いで、何種類かの焼き菓子を作って貰った。俺が聞き専に捕らわれたままだったからな。ミシア奮闘記の途中で男性陣の殆どがお仕事とか言って逃げ去ったので、ここに唯一残った長男アトレア兄様の子息であるセリオウス君。彼は仕事の為に残らなければならない、さもなくば独学しごく勉強に励む事になるから。だから強制される勉学が無い日には、彼が備えた対人への癒しを振り撒いている。

 けっして独学を逃げてたりはしてない、俺はそう信じているぞ。大丈夫だよね?切に願っとこ。

 セリオウス君の勉学を触れたのだ、ついで・・その程度の教員者の話しもしよう。まあ、はっきり言ってよぼよぼのよぼです。ロボじゃないよよぼだよ。そしてその教え方がその本を読んでおきないさい・・以上。まさに特筆すべき所はなし!俺の先生でもあったからよく知ってる。

 まあこっちの教育は殆どが記憶するって感じかな?取り敢えず覚えておけ程度さ。そこに必須なのは読み書きだけだもの。商人を目指す訳ではないから、四則演算が触り程度に出来ればよい。話しに出て来た読み書きは、先に独自で教えておきなさいってか。よぼだからウガッは言うよ、ロボに対抗しちょる。

 この世界の知学が向上する要素はここの設定にない、文明が発達したらこの世界が崩壊に向かうから。神達が求めたここでの善行を計るには、ここ位の貧富の格差が必要だったらしい。それにも歴史が含まれるが、衰退からの破滅って感じかな?何百年でたまに滅びてる。記憶は不要だな。

「お兄様は、明日から向かわれるのですか」
「そうだよ。その予定で暫くはこの領から離れる事に成るよ」

 うんそだねー、自分の母親の思いで話を軽く聞きながらこちらに興味を変えたセリオウス君。俺の予想では、今の会話は幾度となく聞かされた内容なのだろう。彼にしてみても両親の馴れ初め話は、事が大きかっただけに薄れるイメージもはっきりとしているかも知れない。

 うちの両親の馴れ初めを最近に聞かされた俺としては、かなりのインパクトで打ちひしがれた。原因が食中毒事件らしきものだもの、ブルーインパクトに負けてないよね?ブルーしか合って無いが・・。インパルスはお笑いしか思い浮かばないが。

 だが気おつけなさいセリオウス君、貴方がお母さんに興味を失ったと知れたら、ただちに過激な勉学を強いられるぞ。その無駄口が死を招くと諺にまであるのだ。キジも鳴かずば撃たれまい、多分意味合いは違うけどドンマイ。俺はとっくに飽きてる。

 いやー他人の恋愛云々を溜め込んでも、試験の問題に採用されたりしないから。そこで試験を受ける未来もないし。

≪妄想男子よ、少し良いか?≫
(は、はい)
いきなり神来たよ。

≪少し前の米レシピが他領でブレイクする。お前が言っていた小金では済まない金が届く。その辺の事をまあ、気にする者もいたりしたりだ。こちらの都合ばかりだが、料理に影響もちょっとだが≫

(あー良い感じになりますね。それが資金に出来るなら、遠慮ぎみの食材もつかえますから。そこで種類が極端に増えたりはしないですが、1つか2つ上の料理なります。あれを使えばもっと美味しくとかなりますもの)

≪ほう、方針というか方向性がその様なら問題無いな≫

(ええ。それと折角ですので聞いておきたいのですが)

≪なんだ≫

(同じ料理は自動で更新されたりしますか?)

≪ん?同じ料理がか?≫

(はい。この領公館の厨房でも以前食べていた同じ物が、かなり美味しく調理される様に成ってます。こっちのご当地料理も侮れません。そちらでコピーされた料理が以前のままでしたら、より良く成ったものに更新しても良いと思いまして)

≪・・そうか。そこもお前の影響だと思うが。解った、自動で更新はされないがそんな部隊を作って更新させよう。それならと遣りたがる者は多い筈だ。お前の影響者も以前のログから見直させる。他に何かあるか?・・無さそうだな。又何かあったら連絡する。そちらからでも構わないから遠慮せずにな。では≫

 おおぅ・・何気にその辺に関しては、簡単に決まって行くな。俺に影響は無いから別にいいけど。今度時間のある時に、話のお金のチェツクをしとくか。確かにメンドセイ侯爵領にレシピが広がれば・・多分強制的に領全体を追い込んで、あっちこっちに米料理を繁栄させそうだ。そこは民衆の死活問題だから、喜ばれる事だと思うけど。まあガンバレ!生き残れば未来が見れるぞ。

 こっちは目先も見ずらい状況だ・・ミシアの思いで語りがテッペンから下降し始めたが、最高の頂きはそこだけが存在する訳では無い。その頂点の下には絶大な裾野が存在する。その裾野を通らずに上がって行く事はまず無いからな。そんな裾野話しがちょくちょくと話題変換されるたびに、お母様が明日からの俺の旅路の確認をしてくる。そのちょっとした変化に遅れる事無く、興味優先のセリオウス君が乗って来るのだ。

 まさにカオスではないか?それを適当に聞こえない程度で扱う俺は優秀ではなかろうか?あしらっては居ないもの。男爵はアシュラだったし。

「セブレスの通過する予定の領は、まだまだ豊かな環境は整っていません。手持ちの財貨が荷に成らないのなら、それに合わせた両替の準備を済ませなさい」
「はい、お母様」

 いま危なかった・・ふっと気が抜けて窓の外へと逃避したら、確信のある意見をお母様から貰った。だいたい窓には格子が組まれていて、灯りは取れても景色なんて見えないからな。その木枠をじっと見つめても、その何に感慨するかって話しだ。その資材が何処で採取されたのかを妄想しても、何の益すにも成らん。これだけの量からあれが・・棺桶に入っとけ。

 それよりも金だ、あっちの領は小銭メインらしい。それだと最大が銀貨になって、流通貨幣の主役は銅貨がメインを張っているらしい。買い物をするのでも換金に困る前に、それのおつりに困るくちだ。共通貨幣であって良かった。

 どこの国に行っても日本円で頬を叩いた観光しか知らないから、こっちの勝手も良く解らないし。あっちでは格子が嵌っている銀行窓口の横に、ライフルを下げた兵士が立ってるとか洒落に成らなかったし。銀行の入口にマシンガン持ちが歩哨のホンコン・・あそこは何なんだ?普通に攫われそうに成ったんだけど。観光者乗りのタクシーを10人近くで囲んで、中の人を引き摺り出そうとするとか無いわー。こっちの世界が安全に思えて来た。剣と魔法の異世界は、以外と安全ですー

 よし!兎に角これを利用して脱出しよう。両替両替・・バックレたりしないよ、ここにサナーが居るんだから見捨てたり出来ん。サナーは興味深そうに聞き入ってるけど、そんなのは錯覚だ。俺が思っただけだけど。やっぱ女子は恋ばなが大好きらしい。剣で追って来るよりは、全然よいよね。



・・・・・



 くだんの両替は何処?領公館の内政官に直接ってのはおかしな話だから、枝分かれされてる受付窓口に頼むのだろう。冒険者ギルドや商業ギルドでも問題なさそうだが、そこでの手間を考えると手数料が発生してもおかしくない。まあ、総合窓口でその辺も確認しよう。

 結果から言いますと、金貨3枚を両替して銀貨290枚銅貨100枚に成ってます。これを普通の人達は懐に持たないといけないから辛いぞ。俺は渡されたお金を数えるのが辛かった。そこはほいっと[アイテム①]に突っ込めば、自動計算の恩恵が合ったのに・・誰にでも教えるのは良く無いので自重しました。俺のエロ妄想の能力なら、どこでも全力開示なのに。

 ええっと次も回収へと厨房へ。フーリアさん、俺達はまだ帰宅しませんのでもう少しガンバレ!何かを目で訴えているフーリアに、俺の憐れんだ目を送りつつそのまま躱す・・逃げ損なって捕まったけど何か?どんだけ行動力があんだよ。我が家でもちゃんと見せて貰うぞ。

「とても美味しそうでうぐっ」喧しい。その口は美味しそうと言われた物体で塞いでおいた。うん、多分相当に余る量に成っている。これが余らずにサナーや一緒に行く者達のお腹に消える事に成ったら、帰って来た頃には数人は増えている。もしくは別人を連れて帰ったと疑われるかも知れない。いや、俺が疑うよ、お前誰だって。俺も頑張れとか言われたくないし。

 この厨房に出来上がっている、盛りだくさんの焼き菓子をささっと回収する。そのついでに・・いやいや、仕方なくだがフーリアも回収する事にした。それでもしかすれば、我が家への帰宅が促進出来るかも?しれないからだ。フーリアをお母様の所に連れ込んでも、その場で従事する事は無いし話題参加もない。その辺はある程度の線引きがあるみたいだから。

 それはそれとして、フーリアの現在は適当に捨て置こう。俺の傍でにっこにっこなのがちょっと恨めしいが。こいつに関しての俺が知っている噂では、そこそこの人達が最年少なフーリアを甘やかしているらしい。だから俺はその事もあってこいつに厳しく当たっている。

「旦那様、今日の夕飯も美味しい物を作って頂けるのですか?」
「フーリアの努力で早く帰れる様にして下さい。最悪は作り置きの物を追加として出しますが・・今まで作った物は殆ど取り置きがあるので、その様な場合になれば好きな物から選んで良いです」
「あーん、旦那様がお出掛けでいらっしゃらないとそれが望めなくなります。帰宅予定の期日にはしっかりとお戻り下さい」

 やはりか?俺に求める物は食べ物だ。だがそれは油断だぞ。気づいた時にはお前のお腹はぷっくりしちゃっていて、誰の子だと周りから追及されまくるからな。それを俺が擁護でもしようものなら、訳の解らない既成事実が生まれちゃって結果が同じになっちまう。ダメじゃん!こいつの監視も強化を上げよう。

「甘い物ばかり食べていたら、余計なストレスが溜まります。適宜に体を休めなさい。戻ったら時間を作って新作を検討しますから」
「わーい、宜しくお願い致します」

 こいつチョロフィーだな。俺の仕事が増えたけど。





「旦那様、明日からの予定も御座います。忘れ物が無きように、戻り次第確認を今一度致しましょう」
うんうん、帰ろうかねサナー君。貴方待ちだったとは言わないけど、その話をこの場で差し込めるのは流石と思うよ。もう少し早めに言ってくれたなら、余計な仕事を拾って来なかったのに。あーフーリアを回収しなきゃだから、それの結果は一緒か。サナーと合体した後での話に成ったら、帰ったら作りまくりだったかもしれん。どっちも大差ないな。

 帰り途中にサナーから聞いた話しでは、オヤツ時間に様子を伺っていた男どもは、難なく撃破されたらしい。その先兵が状況確認として来たキュルス兄様で、俺に用事がありそうなそぶりで様子を見に来たらしい。一度戻ってからお父様や長男のアトレア兄様たちと合流して到来・・俺という防波堤が無かった為に、その場が凄惨の様相だった模様。ご愁傷様、強く生きてね。

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