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第四章第二部 落ち零れ領の改善政策進行

105話

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※レマイア領の我が家にいます。

 昨日に、あの頭の足りなそうな寄生貴族は俺のパフォーマンスを諸に受け、生意愛敬がない表情をしたまま慌てて帰った・・逃げ帰った感じだな。さよなら肉壁君、惜しい人を失くした。生きてるけど、囮に使えそうだったのが逃げられて残念だよ。
 その後は厨房で食材をガメ・・色々な作り置きなども作って健康を願いながら帰って来た。うん、俺の加護が料理に反映する出来た物を食べると健康に成るあれだから。これね、神に確認したら少量でも作り物ならオッケーなんだって。そこそこ日持ちする奴を作り置きしておいた。ガメてもいるけど。

 それと夜にサナーと例の話をしたんだけど、生まれて直ぐの事は本人も解りようがないんだよね。それでもサナーの気持ちとしては、うちのお母様の願いがあるからと感謝された。ただあれ位じゃ何も叶っていないのと変わらないので、先々は様子見をしてねと言っておいた。そんな感じかな?なる様に成るでしょ。

 そこで唐突に今日は休暇というかゆっくりしようかと。川の改修はそれ程急いでいないのと、管理地区にはまだまだ行けない状況だからだ。先発している騎士団と文官がある程度を抑えてから俺が乗り込む事に成ってるらしい。そんなお任せ案件だから今日は余暇にします。大変な余暇に成りそうだけど、まずは余暇を楽しまなくっちゃ。
 それで今回がこちら!ワイヴァーンに会おう。それです。はい、居そうな場所も知ってます・・冒険者ギルドの資料にちゃんと合ったのさ。異世界とか魔法とか色々とアルアルなこっちだから、その辺の設定もあるのですよ。

 でっ!やはりワイヴァーンでしょ?天空の捕食者ワイヴァーン、空の死神って奴じゃね?えっ?グリフォンやらドラゴンじゃないのかって?あれって魔力塊の幻獣っぽい何かじゃん。住何処も違うし。
 俺が行ける唯一の場所と、そんな見学に適してる題材がワイヴァーンです。他は死ぬ可能性が高い・・間違いなくヤバい奴等だもん。興味本位で危険に飛び込む程、自殺願望は沸かしていないのだよ。嫁達の為にも。なら何故行くのかって?そこは完璧に逃げれる算段があるから。それに見るだけだもん。

 それでその場所ってのが、大森林を南西に向かって15日も掛かる・・半月も掛かる場所だな。こっちの一日の移動距離なんて50キロも進めないのだから、その15日の概算距離は700キロ程になるだろう。
 この数字に俺の能力を当て嵌めたら、なんと小1時間で行ってしまう。勿論外の時間経過が1時間だから、俺の負担はそのままの15日なんだよ。
 [空間転移]を駆使しても1回の最大距離は50メートルで、その50メートルの中を俺が走ってるだけだからな。つまり数えきれない回数の[空間転移]を使って700キロの走破をする。死ぬな・・寝るし休むけど。
 あと走らない感じで台車に乗りつつの走破だ。スケボーはないしキックボードも無いから、頑丈そうな台車を10台も揃えた。
 無傷で残った奴は領公館へ返却します。ちょっと借りただけだし。外時間で半日程の遊びだからよしとしよう。空中に留まっての食事や睡眠・・体内経過時間からすると夜なのに、外はパーピカで太陽の日差しがさんさんと降り注いどる。殺せ!あっ!日が当たっていてもこの中は熱くないや。
 これって極寒な場所に行ったら、ここに入りれば凌げるな。そんな訳で領公館から、使い古しの上掛布団をそこそこガメてきた。それを3枚も下に敷けばなかなか良好なのさ。まくら・・こっちじゃ布を数枚丸めるあれだね。首に優しい。

 そんなこんなで、用足しまで中で済ましながら移動したら、なんと3日も掛からずに凄い山が聳えている麓に来た。見えてる・・見え過ぎだけとワイバーンのワも無い。
 これね、外は止まったまま時間が経たないから、俺が外へ出て時間を動かすかこのままそれが居る所まで移動するしかない。そこは身の安全を考えれば、中に入ったままで探しまくる感じだな。
ジェラシックらしさが無くて探すのに苦労しそうだ。

 そう、すっごく大変だったよ。この中から確認するって事は、外は止まったままなので写真を見ている感じだ。動きが全く無いから、ん?今何か?なんて事もない。だから反転途中で止まってるそれを見つけた時は、その股間を蹴りたい心境に成ったわ。

 いや、外の時間は5分も掛かって無いだろうけど、俺なんて山の反対の麓まで移動したんだぜ。日当たり最高のこの辺で奴はいざ狩り!そんな感じだったな。そんなワイヴァーンが標的にしていたのが、群れのフォレストウルフ達が熊らしいグリズリーに蹴散らされてるとこだった。
 完全にぐったりしている2匹と、なんとか首だけは動かしてる2匹。他は威嚇と立ち回り中の5匹のフォレストウルフ達だけど超劣勢だね。他にも逃げたのがいるかもだけど、現状は仲間を庇いつつの対抗って所かな?

 ふーんと、ちょっと飲み物を摂取しながら考える。熊には痛い目を合わせよう。俺って犬派だし、身勝手に味方するでいい。良し悪しは知らん。強食上等なら熊にだって狩られる覚悟がある筈だ。それと同義なのが上空のワイヴァーンなんだけど、なんか憎たらしく思えて来たから一回ぶっ刺して見るか。
 奴の王者の余裕にケチを付けたくなったし。この仕掛けが成功すれば熊をぶっ刺すまでに15秒は掛からないから、しばし踏ん張れワンワン達よ。たぶんガアゥ!って吠えるだろうけど。

 はい!そこで早速行きました。ワイヴァーンが反転を終え急降下する直前へ[空間断絶]を設置したらスパーンが出来ちゃったので、そこから空中で本体と飛んだ首を回収した。
 それ・・触れないと[アイテム②]に回収が・・次に熊の位置取りを決めないと。奴の正面にポンっと飛び出し俺に威嚇するのにこっちを向いたら、首から脳か口から脳に槍をぶっ刺す。
 脳は必須の仕留め方かな?スパーン出来る程の勢いでは突っ込んで来ないだろうし、刺さっても刺さらなくてもズンって遣ったら即離脱で様子を見る。[空間転移]内にいたままだと様子も見れないから、外に出ての確認になるけど取り敢えず逝っとけ!

 さよなら廃棄槍・・折れるかも?があったらから真っ直ぐにぶっ刺したんだけど、刺さり過ぎた勢いでぽっきり折れたわ。あー使えなくなった槍の補充は難しいんだよね。使えないの限度もあるからな・・っておい!又下からカジカジしてるワンワンはどいつだ。
 微妙な気持ちに成るから止めろ。野外だって魔物の目があるからな。って言うか怪我人・・怪我ワンワンの治療が優先だ。超びびりで吠えられても、無理矢理抑え込んでポーションプレイだよ。お高いポーションだから無駄にしないでね。

 あと、俺の頭を齧ってる奴。今、熊の内蔵を出すからそっちを食え。それがお前らの責務だからな。適当にぱっつんぱっつんと切って出すけど、ただ飯だから勘弁しろな。怪我ワンワン達はワングレート上のワイヴァーンの柔らか血肉で補給しなさい。魔力多目だぜ、そこが不安だったりするけど。ああいやん、俺の上に何匹登ってんの?チョモランマじゃねえし。

 やはりというか、最初の動かずの2匹は死んでいた。出会った時には死んでいたから、助けられなかった無念は少ないかな。死んだ同族には見向きもしないから、同族食いはしないらしい。それは今だけかもだけど、それ也の深さの穴を掘って埋めて遣った。
 その上に果実を備えたら又群がって食べ始めたので、仕方なく果実の放出もしたよ。いつまでもだと別れもキツイから、ハイハイしながらそのままトンズラしました。立ち上がると注目されるし。




 さて、帰宅した俺は厨房でワイヴァーンの肉と向き合っている。いや、仕舞う。あの熊の肉でさえ堅そうに見えるのに、ワイヴァーンにサシの部分は見られなかった。どう遣ったらこの肉が調理出来るのか、冒険者ギルドで調べてみよう。
 何か色々と日の目に晒せない物が、[アイテム②]に増えてるな。ワイヴァーンの素材なんて売れるのだろうか?見学ツアーだったのに何てこった。

 魔石・・以前に魔道具屋で見せて貰った、あれの倍位の大きさがある。メイサリスが冒険者ギルドで聞いてる話では、その魔石の出所にも問題視されたのにその取引価格も莫大だった。そのサイズを俺が蓄財にするのに作った訳だが、さらに倍!布団屋に負けない2バーイ!魔力が満タンなので砕けません。
 今回の余暇で色々と思う所があった。あの移動なら時間がおおいに短縮出来るけど、周りの様子が絵状態なので解りずらい。贅沢な悩みかな。あと結構疲れる。これを繰り返していると人生の消耗も2バーイかも知れない。

 そして何となく気に成っていた事を実験して解明しようと思っていたが、そこもすっかり忘れてモフネフに走ってしまった。気に成っていたのはあれさ、俺の料理を食べると健康な体が3割アップする加護。
不健康だったその状態が3割改善するって話じゃ無やつだ。不健康だった体が健康に成って、さらに3割・・そう聞いている。
 これの健康の定義はどうするんだ?病気の話とかしてないし、怪我の事・・確認したりしないよ。ワンワンで試せば良かったんだけど。それよりもツノの蔑みの目を感じる、ワンワン達の事がバレた?浮気じゃないよ?

 うーん、確かにワンワンがのしかかって居る時に邪魔なワンワンの股間をもふったが、あいつもまんざらじゃなかったぞ。おれの初めてみたいな目を感じたが、俺も初めてだったよ。股間モフモフなど先ず無いわ。
 がう!がう!言ってた気がするけどワンワンとしか聞えなかった、それって幻聴だろうか?外人が何か言って来ても、何語か解んないのと一緒で理解してなきゃ思い込みに聞こえる奴だな。何々に聞こえる~自国語を上位に考える思想からだな。あれは低俗主張と影て言われる人、陰で言う人も程度が知られるが。

 今は料理を
「領公館から連絡が来たわ。我が家の収支の帳簿のつけ方をサナーやリーリェに説明しているらしいの。ただかなり難しい内容なので、貴方にも目お通して貰った方が良いとの事よ」

 サラダ用の野菜ステックがぼきっと・・簿記が必須な話じゃないか?エクセル降臨!パソコン無いけど。外部の計算センターとかあったりしないか?個人情報なと気にしません。俺に背後から抱き付くメイサリスの放漫ボディが、運動会の玉挟みな感じに成っている。

「お金の流れを把握して貰えば、細かい処理や監査も全て領公館がしてくれるのよ。その辺の全てをお任せにするんだから、帳簿の見方くらいは覚えて来てね」

 センターは内部に合った。それなら覚える必要が無い気がするんだけど。収入から支払い・・出産さんから墓場まで状態に似ているな。俺の小遣い、臨時収入もしつっかり管理されそうだ。名義偽造じゃないとヘソクリも作れないじゃん。
 俺の目論見を誤魔化そうとメイサリスを優しく抱きしめようと思ったら、みんなが居る厨房だよって躱された?失敗の残念感は抱き締められなかった事だと、両手を何度も交差して誤魔化した。

「その流れを覚えるのは、そんなに難しい事なのかな?」
「売り買いに掛け置きが入るからじゃないかしら?我が家で直ぐにあるのは、使用人の衣服のお代とかかしら?領公館で以前に聞いた話では、最大の長期で半年も据え置きで遅らせるらしいわ」

 建設業か!どこかで割る奴がいたりするのか?利息も割り損もねえだろ。全く・・休みの日に小切手を割る業者が銀行に来たからと、期日前割りの確認の電話を受けたあの日々の嫌な感じを思い出したわ。社長が社判と実印を俺に押し付けるからあんな事に・・こっちじゃ絶対に遣らない!裏印の法も整備されて無いしな。

「そのついでと言うのは聞こえが悪いけど、雷鉄のパーティの人達と話合いの時間が取れるらしいわ」
「つい・・優先して欲しい事なんだけどね。今日の午後の予定もそれ程重要な物が無いから、領公館に行く事にするよ。それはそれとして、特に何か食べたい物とかあるかな?出来る範囲で作るけど」
「そうね、あっさりした物であれば、あとはお任せにしたいわ。今日はそんなに胸がムカムカしてないから、それ也には食べられると思うのよ」
「了解であります。食べられる時には、そこそこの無理をしても食べて置くと良いよ。栄養不足が頻繁に続く時期だから」

 うちの料理人が補佐に走ったらしく、指示待ちの顔で待っている。この人達は忘れがちだけど、俺の料理は突飛な所があるだけで技量はそれ程じゃないからな。あーだから指示待ちなのか?何をどうするとかを指示すれば、それで腕を振るってくれると。俺は栄養と体に備えやすいを優先するので、味はお任せしますね。ツノが俺から餌を貰わないのはそれか?偏食はダメだぞ。
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