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第23話 悪きモノ
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僕 伊集院 尊は、雛子に会う為に、桃井家を訪れた。
婚約者となった彼女。
彼女には、僕のことは『尊』と呼ぶように伝えていた。
ぎこちないながらも『尊さん』と呼ぶ彼女の声。
これがまたなかなかいい。
それなのに、今日はなぜか『伊集院さん』と他人行儀に呼んだ。
まさか…
他に好きなヤツができたのか!
僕と離れたいのか!
頭に血が上り、彼女を押し倒す。
さぁどうする?
大きくあいた首周り。
浮き上がった鎖骨が目に止まる。
そのまま鎖骨に噛みつく。
痛いと可哀想だから、軽く甘く。
君は僕のモノだと印をつけた。
僕の所為で赤くなった肌。
僕の心は満たされる。
*
盆休みに入った。
雛子は家で退屈していることだろう。
僕も休みだし、たまには外でデートもいいな。
突然だったが、彼女を迎えに桃井家にやって来た。
両親、雛子ともに不在だと、手伝いの女性に告げられた。
せっかく僕が会いに来てやったのに、彼女は何をしてるんだ。
雛子の帰宅予定を聞き、一旦引き上げる。
帰宅予定の少し前に、再度訪れ、客間で雛子の帰りを待たせてもらう。
窓から玄関先を眺めていると…
雛子が帰ってきた。
隣には男がいる。
男は彼女に手を振り、あっさり帰っていった。
今はまだ、親しい仲というわけではなさそうだ。
僕は帰宅した彼女を問い詰めた。
驚くことに彼女は、僕の呼び方を間違え、噛まれたことを覚えていなかった。
僕の印を彼女に刻んだ、あの記念すべき瞬間を覚えていないと言うのか?
有り得ない!!
さっきのヤツは学園の先輩で、神社で倒れていた雛子を助けただけの関係らしい。
彼女が倒れた?
僕は聞いていない。
なぜ僕に連絡が来ない?
それに彼女の様子がおかしい。
何かを隠しているようだ。
そういえば、あの時の彼女もおかしかった。
僕の目をみつめた彼女の瞳。
あの瞳は彼女のものだったか?
雛子、君は上手く隠せたと思っているようだが、甘いな。
何年 君を君だけを見てきたと思っているんだ。
結局、雛子は僕の尋問に落ちた。
『青芝見神社』
おもしろそうじゃないか。
願いを叶える力が強い。
いい、凄くいい。
悪きモノが集まっている?
それがどうした。
君が僕のモノになるのならば、何が起きても問題ないよ。
桃井家を飛び出し、神社へ向かう。
彼女が慌てて追ってきた。
ついてきても無駄なのに。
僕はもう決めたのだから…
学園には入れない。
裏道へ入って行くと、神社の鳥居が見えた。
こちらから入れるようだ。
よしっ、気合いを入れて、鳥居をくぐる。
雛子のことが気になり後ろを振り返る。
彼女は鳥居の前で、佇んでいた。
顔は青ざめ、少し震えているように見える。
駆け寄って、抱き締めたい衝動に駆られる。
だが、今はダメだ。
手を合わせ、願う。
『雛子と一生を共にできますように』
いやいやこんなあまっちょろい願いじゃダメだな。
『雛子が僕が傍でしか生きられなくなりますように。』
周りの空気がヒヤリ冷え、僕の髪がブワッと広がる。
雛子が言っていた悪いモノが寄ってきたのか。
まぁいい。
「明日から毎晩会いに行くから。」
そう彼女へ告げた後、僕は立ち去った。
婚約者となった彼女。
彼女には、僕のことは『尊』と呼ぶように伝えていた。
ぎこちないながらも『尊さん』と呼ぶ彼女の声。
これがまたなかなかいい。
それなのに、今日はなぜか『伊集院さん』と他人行儀に呼んだ。
まさか…
他に好きなヤツができたのか!
僕と離れたいのか!
頭に血が上り、彼女を押し倒す。
さぁどうする?
大きくあいた首周り。
浮き上がった鎖骨が目に止まる。
そのまま鎖骨に噛みつく。
痛いと可哀想だから、軽く甘く。
君は僕のモノだと印をつけた。
僕の所為で赤くなった肌。
僕の心は満たされる。
*
盆休みに入った。
雛子は家で退屈していることだろう。
僕も休みだし、たまには外でデートもいいな。
突然だったが、彼女を迎えに桃井家にやって来た。
両親、雛子ともに不在だと、手伝いの女性に告げられた。
せっかく僕が会いに来てやったのに、彼女は何をしてるんだ。
雛子の帰宅予定を聞き、一旦引き上げる。
帰宅予定の少し前に、再度訪れ、客間で雛子の帰りを待たせてもらう。
窓から玄関先を眺めていると…
雛子が帰ってきた。
隣には男がいる。
男は彼女に手を振り、あっさり帰っていった。
今はまだ、親しい仲というわけではなさそうだ。
僕は帰宅した彼女を問い詰めた。
驚くことに彼女は、僕の呼び方を間違え、噛まれたことを覚えていなかった。
僕の印を彼女に刻んだ、あの記念すべき瞬間を覚えていないと言うのか?
有り得ない!!
さっきのヤツは学園の先輩で、神社で倒れていた雛子を助けただけの関係らしい。
彼女が倒れた?
僕は聞いていない。
なぜ僕に連絡が来ない?
それに彼女の様子がおかしい。
何かを隠しているようだ。
そういえば、あの時の彼女もおかしかった。
僕の目をみつめた彼女の瞳。
あの瞳は彼女のものだったか?
雛子、君は上手く隠せたと思っているようだが、甘いな。
何年 君を君だけを見てきたと思っているんだ。
結局、雛子は僕の尋問に落ちた。
『青芝見神社』
おもしろそうじゃないか。
願いを叶える力が強い。
いい、凄くいい。
悪きモノが集まっている?
それがどうした。
君が僕のモノになるのならば、何が起きても問題ないよ。
桃井家を飛び出し、神社へ向かう。
彼女が慌てて追ってきた。
ついてきても無駄なのに。
僕はもう決めたのだから…
学園には入れない。
裏道へ入って行くと、神社の鳥居が見えた。
こちらから入れるようだ。
よしっ、気合いを入れて、鳥居をくぐる。
雛子のことが気になり後ろを振り返る。
彼女は鳥居の前で、佇んでいた。
顔は青ざめ、少し震えているように見える。
駆け寄って、抱き締めたい衝動に駆られる。
だが、今はダメだ。
手を合わせ、願う。
『雛子と一生を共にできますように』
いやいやこんなあまっちょろい願いじゃダメだな。
『雛子が僕が傍でしか生きられなくなりますように。』
周りの空気がヒヤリ冷え、僕の髪がブワッと広がる。
雛子が言っていた悪いモノが寄ってきたのか。
まぁいい。
「明日から毎晩会いに行くから。」
そう彼女へ告げた後、僕は立ち去った。
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