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第42話 顔合わせ
今日は両家の顔合わせ。
私たち主催の婚約食事会だ。
今まで育ててくれた両親への感謝を込めた食事会にしたいと思っている。
話し合いの末、彼のご両親がこちらへ来てくれることが決まった。
お店は、互いの両親の好みを考慮し、颯真さんと二人で選んだ。
彼のご両親が泊まるホテル近くにある落ち着いた和食料理のお店。
予め個室でのコース料理を予約した。
当日の段取りも二人で話して決めている。
いつかは行ってみたいと思っていたお店での食事会。
緊張するが、楽しみだ。
挨拶の後、私たちによる家族紹介。
そして、乾杯し、会食。
静かに始まった会だったが、時間が経つにつれて、和やかになってきた。
母親たちは、意気投合したようだ。
私たちの子供の頃の話で盛り上がっている。
父親たちは、ほとんど話さないながらも、たまに相づちを打ちながら、食事を楽しんでいる。
そろそろお開きの頃合いかと、彼に目線を合わせる。
すると、彼が私の傍に来て、指輪を渡された。
大きなダイアモンドがついた指輪。
何も聞かされていなかった私は、びっくりして、でも嬉しくて、じーんと喜びがこみ上げる。
「左手出して。」と彼が言う。
私が左手を差し出す。
両親に見守られる中、彼がゆっくりと私の薬指に指輪を進めていく。
ほっと息をつく彼。
後で、聞いた話だが、ちゃんとサイズが合うのか心配していたそうだ。
事前にサイズ直しをしたとはいえ、私の指にはめて確かめてはいなかった。
「ありがとう。」泣きそうになりながら、にっこり微笑む私。
きちんと笑えていただろうか。
「結婚式はいつにしようと考えてるの?」彼のお母様から質問があがった。
「来年の春頃を考えてる。」彼が答える。
「あら、春だと、私たちと一緒ね。」
「そうなんですか?うちも春です。」
母親たちが自分たちが結婚した日について語り出す。
そして、その場にいた全員が驚いた。
なんと、颯真さんのご両親と私の両親の結婚記念日は、年月日、全く同じ日だったのだ。
母親同士は、また盛り上がっている。
「春頃の結婚を考えているのなら、結婚記念日を合わせるのはどう?」
「みんな一緒なんて素敵ね。」
「すごいわ。」
「こんなことがあるなんて。」
と、興奮がおさまらない様子。
私もドキドキ、ドキドキ。
自分でも心音があがっているのが、わかる。
こんな偶然があるなんて…
同じ日に結婚した両親から生まれた私たち。
私は、彼に運命を感じずにはいられなかった。
予期せず渡された婚約指輪。
私を喜ばせようと、彼がわざわざ用意してくれた。
そう思うと、本当に、本当に嬉しかった。
私たち主催の婚約食事会だ。
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話し合いの末、彼のご両親がこちらへ来てくれることが決まった。
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彼のご両親が泊まるホテル近くにある落ち着いた和食料理のお店。
予め個室でのコース料理を予約した。
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いつかは行ってみたいと思っていたお店での食事会。
緊張するが、楽しみだ。
挨拶の後、私たちによる家族紹介。
そして、乾杯し、会食。
静かに始まった会だったが、時間が経つにつれて、和やかになってきた。
母親たちは、意気投合したようだ。
私たちの子供の頃の話で盛り上がっている。
父親たちは、ほとんど話さないながらも、たまに相づちを打ちながら、食事を楽しんでいる。
そろそろお開きの頃合いかと、彼に目線を合わせる。
すると、彼が私の傍に来て、指輪を渡された。
大きなダイアモンドがついた指輪。
何も聞かされていなかった私は、びっくりして、でも嬉しくて、じーんと喜びがこみ上げる。
「左手出して。」と彼が言う。
私が左手を差し出す。
両親に見守られる中、彼がゆっくりと私の薬指に指輪を進めていく。
ほっと息をつく彼。
後で、聞いた話だが、ちゃんとサイズが合うのか心配していたそうだ。
事前にサイズ直しをしたとはいえ、私の指にはめて確かめてはいなかった。
「ありがとう。」泣きそうになりながら、にっこり微笑む私。
きちんと笑えていただろうか。
「結婚式はいつにしようと考えてるの?」彼のお母様から質問があがった。
「来年の春頃を考えてる。」彼が答える。
「あら、春だと、私たちと一緒ね。」
「そうなんですか?うちも春です。」
母親たちが自分たちが結婚した日について語り出す。
そして、その場にいた全員が驚いた。
なんと、颯真さんのご両親と私の両親の結婚記念日は、年月日、全く同じ日だったのだ。
母親同士は、また盛り上がっている。
「春頃の結婚を考えているのなら、結婚記念日を合わせるのはどう?」
「みんな一緒なんて素敵ね。」
「すごいわ。」
「こんなことがあるなんて。」
と、興奮がおさまらない様子。
私もドキドキ、ドキドキ。
自分でも心音があがっているのが、わかる。
こんな偶然があるなんて…
同じ日に結婚した両親から生まれた私たち。
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そう思うと、本当に、本当に嬉しかった。
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