【完結】婚約回避を目指します!あなたをぐっすり眠らせたい。

青井 海

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第8話 寝具をかえよう

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今日は、枕を調整しようと思う。
実際に使用している状態が見たいので、彼の寝室へ移動する。

パトリック様が使用中の枕を見せてもらうと、なぜか彼が恥ずかしそうにしている。
別に変な匂いしないのにと、鼻を近づけてスンスンすると、「や、やめてくれ~。」と悶えるパトリック様。

いつもツンツン偉そうなのに、今日はかわいらしい。  
こんな顔もできるなら、いつもそうしていればいいのに。

実際、ベッドに横になり、枕に頭を乗せた状態を確認する。
じーっと高さやら幅やら確認してたら、顔が近づいていた。
うわっと、後ずさる。
彼も驚いたようで、目がまんまるになってる。
その顔がおかしくて、お腹を抱えて笑っちゃった。

すると、笑われたことを悔しがった彼が、仕返しに私のふっくらもちもちほっぺをぶにーっと引っ張る。
ひどすぎる。
でもそんなじゃれあいが心地いい。

初めは嫌な感じだったパトリック様。
慣れてくると、こちらの要求にはきちんと応じてくれるし、だんだんいろいろな表情を見せてくれるようになった。
意外といい人なのかもしれない。

枕は中にいれる素材を変更したり、高さを変えて様子を見てみた。
ちょうどいいものへ変更できて、体の凝りが楽になったそうだ。

よかった、よかった。
あとはもっとよく眠れるようになるといいんだけど。

パトリック様とはだいぶ打ち解けてきたと思う。
そろそろ何か隠してることを教えてくれないだろうか。

私は再度、聞いてみることにした。
「パトリック様、何か心当たりはありませんか?」
すると、また彼は悩みだした。
そんなに言いにくいことなんだろうか。

「パトリック様、お願いします。何でもいいから言ってみてください。さすがに、そろそろ寝不足を何とかしないと倒れてしまいますよ。」
私の思いが伝わったのか、ようやく彼が思い口を開いた。

「わからないと思うけど、タオルケットという毛布のような布があるんだ。おそらくそれがあれば眠れるようになると思う。」

ん?んー?
タオルケットって、和奏さんが話してくれた寝具じゃない?
ここにはない寝具。
なぜ、パトリック様はタオルケットを欲しがるの?

「あのー、実際に見たことはないんですけど、話は聞いたことがありますよ。」とのアデールの言葉に、あんぐりと口を上げたパトリック。

パトリック様はどうしちゃったんだろう。
アデールの顔をしばらく見た彼は、
「そんなわけない。ここにはタオルケットは存在しない。僕が散々探してみつからなかったんだから。」と断言した。






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