【完結】山猿?いえいえ立派な淑女ですわよ。

青井 海

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第13話 妖精へプレゼント

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お菓子の試食を終えたクラリスは、できたお菓子をプレゼント用と自分用に仕分けする。

プレゼント用に取り分けたほうが、明らかに少なくなった。
やっぱり見た目が大事だもの。
決して自分で食べるものを多く確保しようなんて考えてないわよ。

心の中で言い訳をしながら、プレゼント用をキレイにラッピングしていく。
今日はもうあまり時間もないし、急いで森へ行きましょう。
リアム王子へは明日ね。

セルジュと二人で『妖精の森』へ急ぐ。
大木の根元をグルグルと回って穴を探すがどこにも見当たらない。
「セルジュ、また穴が消えたわ。」
「クラリス、おそらく穴はあるんだよ。妖精がいつもは見えないように隠しているんじゃないかな?」

「う~ん、どうしよう。森の妖精さん、プレゼントに甘いお菓子を持ってきました。穴に置きたいんだけど…」
悩んだクラリスは見えない妖精に話しかけたのだ。
もし私の声が聞こえるのなら、穴が見えるようにしてくれるかもしれない。

すると驚いたことに、大木の根元に小さな穴が現れた。
セルジュの言う通りね。
元々ある小さな穴を、妖精が隠していたのね。
妖精のお家だったりして。
いや、何もなかったから、休憩場所?

穴が現れたので、セルジュと二人で中に入り、お菓子を置いていく。
「妖精さん、穴を見せてくれてありがとう。この前はここで休ませてくれてありがとう。私が作ったお菓子なの。よかったら、食べてね。また作ったら持ってくるわね。」

クラリスが、一方的に話しかける。
返事が聞こえることはない。
それでもかすかに空気が震えている感覚がした。
もしかして喜んでくれてる?
クラリスの心臓はドキドキ、ドキドキ、うるさくて仕方がない。

「また来ますね。」
クラリスとセルジュは邸へと帰っていった。

「セルジュ、私、鳥肌が立っちゃった。突然 穴が現れるなんて。妖精さんが私の言葉に反応してくれたのよね?」
「うん、俺も驚いた。王子に報告するのか?」
「ううん、まだ報告しないわ。姿を見たわけではないし、仲良くなってはいないもの。私、妖精さんと仲良くなりたいわ。」

「そうだな。妖精ってどんな姿なんだろう。俺も会ってみたい。」
「じゃあ、このことは二人の秘密ね。」
「わかったよ。クラリスが報告するまで、俺も黙ってる。」

夕飯の時、クラリスは珍しく食事を残してしまった。
お菓子でお腹がいっぱいだったのだ。
もちろん、ネリーからは「お菓子の食べ過ぎで食事を残すなんて。」と怒られた。
今後は気を付けようと思う。

その夜、クラリスはぐっすり眠った。
お菓子作りに、森の散策で疲れていたのだろう。
眠る彼女の顔には、微笑みが浮かんでいる。
素敵な夢でも見ているのかな。





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