【完結】賢者ではありませんが、私でいいのでしょうか?

青井 海

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第21話 健康な体を

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昼食を終え、部屋へ戻る。
もうお腹いっぱい、何であんなに量が多いんだろう。
あの量を食べていたら、よほど動かない限り、どんどん横へ育ってしまいそう。

ジョセフィーヌ様の体型には驚かされる。胃下垂なのか、何か特別な運動をしてるのか。
あの体型が当たり前と思い、クリスティナ様は気にしてるのかも。
あれは普通じゃないから。
世界で活躍するスーパーモデルの体型だから。

私は栄養士でもなければ、ダイエットを目的としたジムのトレーナーでもない。
健康的な体を作るための専門的な知識を一切持ち合わせていない。
誰もが知るような知識しかないのだが、それでもないよりはマシだ。

ソファーで寛いでいると、ミリアがレターセットを持ってきてくれた。
ジョセフィーヌ様からの指示だそう。
早速 動いてくれた彼女。

底知れぬ怖さはあるが、やはり彼女も母親だ。娘のことが心配なのだろう。
この国の文字は、コレットさんに教えてもらった。まだ難しい文はかけない。

『ツムギ、ゲンキ。ヨウジアリ。カナラズカエル。シンパイイラナイ。』

これで伝わるだろうか。
まるで幼児の伝言だ。
今の私にはこの手紙が精一杯。
この内容なら、握りつぶされ届けてもらえないなんてこともないはず。

書き終えた手紙は封をせずに、ミリアへ渡す。どうぜ内容を確認されるのだ。
封をせずに渡したほうが、印象もいい。

もうすぐお茶の時間だが、先にクリスティナ様がどんな日々を送っているのかを聞いておきたい。
手紙の対応から戻ったばかりのミリアに、クリスティナ様と会えないか聞いてきてもらう。

すると、もうすぐお茶の時間なので、庭園で一緒にお茶をしましょうとの誘いが来た。
すぐ会えるのは助かるが、私が目の前で普通にお菓子を食べて彼女は平気なのかと心配になる。

あれだけ食事を制限してるのだ。
まさかお菓子を食べるなんてことはしないだろう。
私が食べたら、彼女も食べたくなってしまう。


私の心配は全く必要のないものだった。
案内された庭園には、白いテーブルとイスが配置されていた。
そしてテーブルの上には、たっぷりのお菓子。
大きな皿に、中央にケーキが3種類、それを囲むのは、ムース2種類、クッキーが5枚。

はいっ、はーい。と手をあげて質問したくなってしまった。
いったいどういうこと?
これでは、昼にみた食事制限の意味がない。
お菓子をやめて、食事を増やすべきだ。

「クリスティナ様、このお菓子はいつもの量ですか?」
「ええ、もちろん。食事と比べてかなり少ないでしょ。あなたの言うとおり、これでは倒れてしまうわね。お菓子をもっと増やすべきかしら?」

いやいや、おかしいでしょう。






    
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