【完結】賢者ではありませんが、私でいいのでしょうか?

青井 海

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第41話 弟たちとの対面

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案内された客室で、ゆっくり休んでいると、マノンがやって来た。
「夕飯の前に準備を致しましょう。」

マノンが選んでくれたスモーキーピンクのドレスに着替え、化粧をなおしてもらう。
ピンクなんて恥ずかしいけれど、この色なら落ち着いていて私が着ても大丈夫そう。
髪は上品にまとめ、シルバーに小さな赤い石がついたバレッタをつけてくれた。

赤い石はルビーだったりするのかな?
宝石なんて縁がなかったから、よくわからない。
キレイな石だ。
鏡の前で振り返り、何度も後ろ姿を確認する。
この石はジルの瞳の色に似ている。
自分の髪にジルの瞳?とこそばゆい。

ちょっと落ち着きがなかったかな?
マノンは、私の事情も知っているらしい。
特に注意を受けることもなく、ただ落ち着きのない私を見守っている。

ドレスやバレッタはお義母様とジルが用意してくれたそうだ。
クローゼットには他にも数着のドレスがかかっていた。
「ドレスをまだまだ購入しようとするジュリエッタ様をジルベール様がお止めしたんですよ。彼女の好みもあるから、引っ越してきてから一緒に選びたいと。ジュリエッタ様も一緒に選ぶのも楽しそうと瞳を輝かせていましたよ。」フフフ

微笑ましい親子のやりとりが目に浮かぶ。
ラウンド家の親子は仲良しね。
こんなに準備をしてくれて、本当に嬉しい。

マノンはとても気さくで話しやすい。
侍女の経験が長い彼女。
私が緊張せずに済むよう対応してくれているのかな。

「では、そろそろ行きましょう。」
マノンの案内で食堂へ。
食堂では、ジルが先に待っていてくれた。
ジルの隣へ行くと、すぐに男の子が三人入って来た。

ジルが私の背中に手を添えて紹介してくれる。
「彼女が僕の婚約者、ツムギ・キリノ嬢。これから仲良くしてくれ。それからテオ、くれぐれも彼女に意地悪するなよ。
つむぎ、僕の弟たち、テオドール、リオネル、レオナールだ。」

「初めまして。ラウンド家 次男のテオドールです。」
「三男のリオネルです。」
「四男のレオナールです。本当に黒い瞳だ。」
レオナール君は物珍しげに私を見ている。


私が今 20歳でしょ。
ジルが18歳
テオドール君が16歳
リオネル君が14歳
レオナール君が12歳

きれいに2歳違いだね。

意地悪するな? 
テオドール君はいじめっこ?
『いじめっこには見えないけれど、弱いものいじめはダメなんだよ』とじとーとした目で見てしまう。
ん?
もしや兄の婚約者が私では不服なのかな。
なんだか申し訳なくなってくる。

「あっ、ツムギ、何か勘違いしてない?後でちゃんと説明するから。」
えっ、勘違いなの?
ジルが説明してくれるなら、まぁいいか。

ラウンド辺境伯夫妻も揃い、食事が始まる。
夕飯は和やかなもので、ゆっくりと美味しい食事を楽しむことができた。
今までマナー教育してくれたラウンド家、スペイア家には感謝だ。


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