43 / 49
第43話 友人ができる
しおりを挟む
翌日から午前中は先生がきてくれて勉強やレッスン。
午後は、だいたいお義母様と行動を共にし、辺境伯夫人としとの振る舞いや仕事を学ぶ。
そして時々、ジルと一緒に過ごす。
ジルは一緒の時間が短すぎると不服なようだが、彼だって忙しい。
学院を卒業後、辺境伯家の騎士団で鍛練しながら、お義父様の仕事を手伝い学んでいるのだ。
屈強な騎士団に鍛えられ、細いのに筋肉はしっかりあるというガチガチの体になってきている。
抱きしめられると硬い。
まぁ、ボヨンとしているよりはいいんだけど、もう少し柔らかさがあってもと思う。
私としては、今のまま細マッチョで、あまりバキバキしないで欲しい。
お義母様と一緒に騎士団の鍛練を見学に行くと、上着を脱いでいる兵士がいたりして、私には刺激が強い。
ジルに、ムキムキにならないでと言う勇気はないし、次代の辺境伯としては、ムキムキも必要なのかもしれない?
先日は模擬戦を見学した。
迫力があって…ドキドキ、ヒヤヒヤ
そんな中、彼の動きは俊敏で、しかも体が柔らかいのか滑らかで、まぁとにかくかっこよかった。
模擬戦の時には、兵士の家族や恋人も見学していて、賑やかだ。
応援に来ていた同年代の女性から
「あなたの瞳、あまり見ない色ね。とても神秘的。賢者様と間違えられない?」と言われた。
「そう。間違えられて大変なの。」と笑顔で返したところ、いろいろ話してくれて意気投合。
会話を楽しんだのだが、誰の恋人かと聞かれて、ジルの婚約者であることを告げると驚かれた。
「てっきり裕福な商家のお嬢様くらいかと…申し訳ございません。」となぜか謝られた。
貴族とは思われていなかったようだ。
せっかく仲良くなれたのに、他人行儀になるのは嫌だ。
彼女はエミリア。
大きな商家のお嬢様であった。
雰囲気からして似たような育ちだと思い、気さくに接してくれていたよう。
確かに育ちは普通なので、むしろ彼女のほうがお嬢様育ちのはず。
公式の場ではこうもいかないかもしれないが、ここは辺境伯騎士団の関係者だけ。
今後とも仲良くしてもらえると嬉しい。
「エミリアさん、私と友人になっていただけませんか?」
「ツムギ様、私なんかが友人でいいのですか?」
「友人は様付けなんてしないものよ。二人の時は敬語なしで、ツムギと呼んで欲しいな。」
「わかったわ。ツムギさん、これから仲良くしてね。」
「エミリアさん、こちらこそよろしくね。ところでエミリアさんの彼はどの人?」
「あっ、ちょうど今戦っている茶髪に茶色の瞳の背の高いほう。」
「まぁ、そうなの。背の高い方ね。」
エミリアさんの彼は、ムキムキ、バキバキてした。
誰かに黒い瞳のことを触れられるかと思ったが、誰にも指摘されなかった。
視線を感じることはあったが、直接話しかけられなければ気にすることもない。
茶や深い緑の瞳の人もいて、近くで見ない限り、そう目立たないようだ。
午後は、だいたいお義母様と行動を共にし、辺境伯夫人としとの振る舞いや仕事を学ぶ。
そして時々、ジルと一緒に過ごす。
ジルは一緒の時間が短すぎると不服なようだが、彼だって忙しい。
学院を卒業後、辺境伯家の騎士団で鍛練しながら、お義父様の仕事を手伝い学んでいるのだ。
屈強な騎士団に鍛えられ、細いのに筋肉はしっかりあるというガチガチの体になってきている。
抱きしめられると硬い。
まぁ、ボヨンとしているよりはいいんだけど、もう少し柔らかさがあってもと思う。
私としては、今のまま細マッチョで、あまりバキバキしないで欲しい。
お義母様と一緒に騎士団の鍛練を見学に行くと、上着を脱いでいる兵士がいたりして、私には刺激が強い。
ジルに、ムキムキにならないでと言う勇気はないし、次代の辺境伯としては、ムキムキも必要なのかもしれない?
先日は模擬戦を見学した。
迫力があって…ドキドキ、ヒヤヒヤ
そんな中、彼の動きは俊敏で、しかも体が柔らかいのか滑らかで、まぁとにかくかっこよかった。
模擬戦の時には、兵士の家族や恋人も見学していて、賑やかだ。
応援に来ていた同年代の女性から
「あなたの瞳、あまり見ない色ね。とても神秘的。賢者様と間違えられない?」と言われた。
「そう。間違えられて大変なの。」と笑顔で返したところ、いろいろ話してくれて意気投合。
会話を楽しんだのだが、誰の恋人かと聞かれて、ジルの婚約者であることを告げると驚かれた。
「てっきり裕福な商家のお嬢様くらいかと…申し訳ございません。」となぜか謝られた。
貴族とは思われていなかったようだ。
せっかく仲良くなれたのに、他人行儀になるのは嫌だ。
彼女はエミリア。
大きな商家のお嬢様であった。
雰囲気からして似たような育ちだと思い、気さくに接してくれていたよう。
確かに育ちは普通なので、むしろ彼女のほうがお嬢様育ちのはず。
公式の場ではこうもいかないかもしれないが、ここは辺境伯騎士団の関係者だけ。
今後とも仲良くしてもらえると嬉しい。
「エミリアさん、私と友人になっていただけませんか?」
「ツムギ様、私なんかが友人でいいのですか?」
「友人は様付けなんてしないものよ。二人の時は敬語なしで、ツムギと呼んで欲しいな。」
「わかったわ。ツムギさん、これから仲良くしてね。」
「エミリアさん、こちらこそよろしくね。ところでエミリアさんの彼はどの人?」
「あっ、ちょうど今戦っている茶髪に茶色の瞳の背の高いほう。」
「まぁ、そうなの。背の高い方ね。」
エミリアさんの彼は、ムキムキ、バキバキてした。
誰かに黒い瞳のことを触れられるかと思ったが、誰にも指摘されなかった。
視線を感じることはあったが、直接話しかけられなければ気にすることもない。
茶や深い緑の瞳の人もいて、近くで見ない限り、そう目立たないようだ。
0
あなたにおすすめの小説
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
行き場を失った恋の終わらせ方
当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」
自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。
避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。
しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……
恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。
※他のサイトにも重複投稿しています。
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる