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第五章 ルキソミュフィア救援
第89話 回廊の謎
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長い長い青い光の灯された回廊で、長い時間歩かされてきたソラ・ルデ・ビアスの書架メンバーだったが、セレスの勘?によって今、その謎が解き明かされようとしている。
かも知れない。
「じゃあ、まず最初にこの回廊に入ってすぐに灯っていた、最初の明かりを皆は覚えていたりしないよね?」
セレスは自信無さげに皆に問いかける。
この問いには、誰も首を縦に振る者は居なかった。
「やっぱりね。だろうと思ってアタシは何かその時たまたま働いた勘というか、もしかしたらこの先枝分かれした道が現れて迷いそうな悪寒が走ったので、最初の明かりにマーキングしておいたのです。」
この言葉は、やけに自信満々でかつ偉そうに聞こえたのでミカゲは、
「はい、無駄口はイイので結論を先に言うんだち。」
と、少々圧のかかった口調でセレスを制した。
ミカゲさんは怖いですね~とかナンとか言いながらセレスは、進行方向を前にした状態で右側の壁に灯されている明かりの中から、一つだけを指差して説明する。
「この明かりが実は、この回廊に入って来て最初に灯っていた明かりです。」
セレスの指示した明かりの下には、確かにセレスにしか作れない物質で作られたマーキングが施されていた。
「これって・・・武器錬成の時に使う錬成金属ですよね?依代とか言っていた。」
コレットが早速気付いてセレスに確認する。
「そうそう、それ。錬成するには更に触媒も必要なんだけど、今は特に武器作る予定も無いし、マーキングするには依代が適任かな?と思って。」
そう言って、依代を指差した。
「この依代を小さくしたヤツですが、これを反対側の明かりの下にも付けます。」
セレスは、腰に下げたバッグから小さな金属片をつまみ出すと、マーキングした明かりの反対側つまり左の壁の明かりの下にもマーキングを施した。
「イイですね~。これで、この回廊は終点が見えた筈・・・」
少し首を捻りながら、セレスは前方に未だ続いている回廊を見つめる。
「何だ?あんなに自信満々だった割には、真の解答は引き出せなかったか?」
ニヤニヤしながら、ソフィアステイルはセレスの顔をまた覗き込んだ。
ソフィアステイルに煽られてセレスは少し後ずさったが、
「いや、いやいやいや・・・・なるほど・・・なるほどなるほど・・・。」
と言いながら今度は、コレットを左の壁際に、右の壁際にはグレアラシルを立たせた。
「え~~っとこれは一体、何をするんですか?セレスさん??」
頭にハテナを飛ばしながらコレットは不思議そうな顔をする。
一方のグレアラシルに至っては、これから何をされるのかどうかは特に気にしていない様だった。
この、これから何をするのか分からない状況の中、今まで口を挟まずに佇んでいたソラ・ルデ・ビアスが声を上げる。
「ああ~なるほど、師匠は考えましたな。」
言い終わると、この長い長い回廊から脱出する方法を閃いたと思われるセレスの方に目を落とした。
そんなセレスの方はと言うと、
「はいはい!皆様お待たせしました!これからこのクソ長い回廊から脱出する方法を説明いたしますので、ご拝聴よろしくお願いしますよ!」
と言いながら、両掌を合わせた中に何かを仕込んでいる様だった。
「ふっふっふっふ。では皆さん行きますよ!」
セレスはそう言うと左側のコレットと右側のグレアラシルに、12粒の小さく丸められた依代用の金属を渡した。
2人あわせて計24粒と言う事になるだろう。
「それ、アタシがマーキングした最初の明かりの次の明かりの下のこの辺(明かりから本1冊分位の長さを指し示す)に、ポチっと壁に押し込むとくっつくので、今からアタシが言うタイミングで2人同時にそれを壁に貼り付けてください。」
セレスの説明の意図がイマイチ分からなかったミカゲは、
「あちしにも分かるように説明するち!」
と、少々ご立腹の様子ではあったが、
「まぁまぁミカゲさん、もう少し待ってもらえたらそのカラクリを説明するから~・・・。」
と、解決を急ぐセレスになだめられるのだった。
今しがセレス説明した、2人同時に明かりの下の壁に金属を12粒貼り付ける儀式?の様なモノが始まった。
コレットとグレアラシルが同じペースで前に進むと、3・2・1のカウントダウンで金属を壁に貼り付ける。
最初の方ではぎこちなかった2人の動きも、5粒目を数える頃にはピタリと余計な動きも無く貼り付けられる様になっていた。
最後の一粒を貼り付け終わる頃には、かなり息の合ったコンビの様になっていた様な気がすると、周囲の見守っていた面々は心の中で思っていたかも知れない。
そんな感じで、セレスの指示通りに依代の金属が青い明かりの灯る回廊の左右それぞれ12箇所ずつ、計24粒貼り付けられた。
最初にマーキングした所をあわせると、13列26粒になるだろう。
「で、青い回廊が短くなったんだち?セレス?」
疑問が解決しないままのミカゲが問いかける。
セレスは、
「もちろん短くなっている筈だよ、それじゃ、最初の明かりのある線上に皆立ってみて。この1番目の明かりからゆっくりと13番目の明かりの所まで進むんだ。」
そう説明すると、自ら説明の通りの位置に立つ。
他のメンバーも、13番目の位置で立ち止まっていたコレットとグレアラシルも、セレスと同じ位置まで戻って進行方向へ向き直った。
「いいかい皆、ゆっくり前に進むんだ。13番目の明かりの先が、待ちに待った天空図書館の入り口になっている筈だよ。」
言い終わるとセレスは、一歩足を踏み出す。
果たして、本当にこの長い長い青い回廊は終わっているのだろうか?
書架の面々は、まだ不安と疑問を抱えながらも、セレスと同様に歩みを進ませるのだった。
かも知れない。
「じゃあ、まず最初にこの回廊に入ってすぐに灯っていた、最初の明かりを皆は覚えていたりしないよね?」
セレスは自信無さげに皆に問いかける。
この問いには、誰も首を縦に振る者は居なかった。
「やっぱりね。だろうと思ってアタシは何かその時たまたま働いた勘というか、もしかしたらこの先枝分かれした道が現れて迷いそうな悪寒が走ったので、最初の明かりにマーキングしておいたのです。」
この言葉は、やけに自信満々でかつ偉そうに聞こえたのでミカゲは、
「はい、無駄口はイイので結論を先に言うんだち。」
と、少々圧のかかった口調でセレスを制した。
ミカゲさんは怖いですね~とかナンとか言いながらセレスは、進行方向を前にした状態で右側の壁に灯されている明かりの中から、一つだけを指差して説明する。
「この明かりが実は、この回廊に入って来て最初に灯っていた明かりです。」
セレスの指示した明かりの下には、確かにセレスにしか作れない物質で作られたマーキングが施されていた。
「これって・・・武器錬成の時に使う錬成金属ですよね?依代とか言っていた。」
コレットが早速気付いてセレスに確認する。
「そうそう、それ。錬成するには更に触媒も必要なんだけど、今は特に武器作る予定も無いし、マーキングするには依代が適任かな?と思って。」
そう言って、依代を指差した。
「この依代を小さくしたヤツですが、これを反対側の明かりの下にも付けます。」
セレスは、腰に下げたバッグから小さな金属片をつまみ出すと、マーキングした明かりの反対側つまり左の壁の明かりの下にもマーキングを施した。
「イイですね~。これで、この回廊は終点が見えた筈・・・」
少し首を捻りながら、セレスは前方に未だ続いている回廊を見つめる。
「何だ?あんなに自信満々だった割には、真の解答は引き出せなかったか?」
ニヤニヤしながら、ソフィアステイルはセレスの顔をまた覗き込んだ。
ソフィアステイルに煽られてセレスは少し後ずさったが、
「いや、いやいやいや・・・・なるほど・・・なるほどなるほど・・・。」
と言いながら今度は、コレットを左の壁際に、右の壁際にはグレアラシルを立たせた。
「え~~っとこれは一体、何をするんですか?セレスさん??」
頭にハテナを飛ばしながらコレットは不思議そうな顔をする。
一方のグレアラシルに至っては、これから何をされるのかどうかは特に気にしていない様だった。
この、これから何をするのか分からない状況の中、今まで口を挟まずに佇んでいたソラ・ルデ・ビアスが声を上げる。
「ああ~なるほど、師匠は考えましたな。」
言い終わると、この長い長い回廊から脱出する方法を閃いたと思われるセレスの方に目を落とした。
そんなセレスの方はと言うと、
「はいはい!皆様お待たせしました!これからこのクソ長い回廊から脱出する方法を説明いたしますので、ご拝聴よろしくお願いしますよ!」
と言いながら、両掌を合わせた中に何かを仕込んでいる様だった。
「ふっふっふっふ。では皆さん行きますよ!」
セレスはそう言うと左側のコレットと右側のグレアラシルに、12粒の小さく丸められた依代用の金属を渡した。
2人あわせて計24粒と言う事になるだろう。
「それ、アタシがマーキングした最初の明かりの次の明かりの下のこの辺(明かりから本1冊分位の長さを指し示す)に、ポチっと壁に押し込むとくっつくので、今からアタシが言うタイミングで2人同時にそれを壁に貼り付けてください。」
セレスの説明の意図がイマイチ分からなかったミカゲは、
「あちしにも分かるように説明するち!」
と、少々ご立腹の様子ではあったが、
「まぁまぁミカゲさん、もう少し待ってもらえたらそのカラクリを説明するから~・・・。」
と、解決を急ぐセレスになだめられるのだった。
今しがセレス説明した、2人同時に明かりの下の壁に金属を12粒貼り付ける儀式?の様なモノが始まった。
コレットとグレアラシルが同じペースで前に進むと、3・2・1のカウントダウンで金属を壁に貼り付ける。
最初の方ではぎこちなかった2人の動きも、5粒目を数える頃にはピタリと余計な動きも無く貼り付けられる様になっていた。
最後の一粒を貼り付け終わる頃には、かなり息の合ったコンビの様になっていた様な気がすると、周囲の見守っていた面々は心の中で思っていたかも知れない。
そんな感じで、セレスの指示通りに依代の金属が青い明かりの灯る回廊の左右それぞれ12箇所ずつ、計24粒貼り付けられた。
最初にマーキングした所をあわせると、13列26粒になるだろう。
「で、青い回廊が短くなったんだち?セレス?」
疑問が解決しないままのミカゲが問いかける。
セレスは、
「もちろん短くなっている筈だよ、それじゃ、最初の明かりのある線上に皆立ってみて。この1番目の明かりからゆっくりと13番目の明かりの所まで進むんだ。」
そう説明すると、自ら説明の通りの位置に立つ。
他のメンバーも、13番目の位置で立ち止まっていたコレットとグレアラシルも、セレスと同じ位置まで戻って進行方向へ向き直った。
「いいかい皆、ゆっくり前に進むんだ。13番目の明かりの先が、待ちに待った天空図書館の入り口になっている筈だよ。」
言い終わるとセレスは、一歩足を踏み出す。
果たして、本当にこの長い長い青い回廊は終わっているのだろうか?
書架の面々は、まだ不安と疑問を抱えながらも、セレスと同様に歩みを進ませるのだった。
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