ヤンキーくんは怖い?

みーみ

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11.愛してる

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桃の方を振り返ると、桃の身体がスローモーションのようにグラリと傾くのが見えた。

京「おい!桃!!」

俺は走り寄って桃を抱き上げた。

隼「おそらく今まで無理してたのと、緊張が解けたので気を失ったんだろう。」

そりゃそうだよな…。俺が隼人さんから桃の相談を受けたのはけっこう前だ。ってことは桃はそんだけ我慢してたってことだ。

京「っ…。ごめんな、桃。」

俺はすぐに助けられなかった自分を今すぐに殴り倒したかった。

隼「それは違うんじゃないか、京。」

京「……え…?」

隼「たしかに俺達は桃をすぐに助けられなかった。でもそれはお前のせいじゃないだろ。それにお前が謝ったら、桃はきっと自分を責めちまうぞ。」

京「…けど……」

隼「あ~っ!!もう、お前らはほんと世話がやけるなまったく。とりあえず今は桃を休ませるのが先だろ。お前の家で寝かしてやれ。んで、ちゃんと向き合え。」


そういって隼人さんは倉庫から去っていった。

京「だよな。とりあえず家に向かうか。」




【京の家】
俺は桃を寝室のベットに寝かせた。

そうとう疲れがたまっていたんだろう、ここに連れてくる時も起きなかった。

俺は桃の寝顔を見ながら隼人さんの言葉を思い出していた。

京(ちゃんと向き合え……か…。)

正直桃が山口とあんなことをしているのを見るのは、けっこうショックだった。

けど、嫌いにはならなかった。桃にどんな事があったとしても嫌いには絶対にならないだろう。

京(……まずは桃の身体を優先して、話せるようになったら、ちゃんと向き合うか。)


桃の寝顔を見ながら、俺は考えていた。


桃「……ぉぃ………おい……」


京(夢の中にまで桃が出てくるなんてな……)


桃「おい、赤城!」

京「っ!夢じゃない!」

桃「お前大丈夫か?」

桃は、いきなり飛び起きた俺を不審な目で見つめた。

京「桃!!もう、身体は大丈夫か?」

桃「あぁ、おかげさまでもう大丈夫だ。それよりここどこだよ。」

桃は周りをキョロキョロしながら聞いてきた。

京「俺の家だよ。お前気失ってたから。」

桃「……迷惑かけたな…。」

桃は申し訳なさそうに俯いた。

京「迷惑とかじゃねぇよ。俺がしたくてしてんだよ。」

桃「……サンキュ………」

そう小さい声で言った桃はめちゃくちゃ可愛かった。

もう俺の心はカーニバル状態だった。

京(なんだこいつ!!めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!!やべぇ!………いやいや、まて、そうじゃないだろ俺。)

そういって心を落ち着かせ、桃の方を見た。

京(ちゃんと向き合わないとな。後悔なんてしたくない。)

京「桃。俺の話聞いてくれないか?」

そういうと桃は俺の真剣な雰囲気を感じたようだった。

桃「なんだよ…いきなり改まって……」

京「……俺さ、やっぱり桃が好きだ。いろんな事があったけど、何かあるたびにお前の事が好きだって自覚したんだ。」

俺の言葉を聞いた桃は目を見開いた。

桃「…俺は…俺はもうお前に想ってもらえるような奴じゃないんだよ。俺はお前に好かれる価値は……」

京「あるよ。それに、俺はお前に何かあったとしても、お前の事を想う気持ちは変わらない。お前はお前だろ。」

桃「っっ!!だって俺は汚れてるんだぞ?!」

京「馬鹿かお前は。俺はどんなお前でも好きなんだよ。」

そういうと桃の目から涙があふれ出した。

桃「っっ…。俺も…お前の事が……好きだ…。ほんとは不良達に犯されてる時めっちゃ怖かった。お前に好かれる価値がないって思って、もう二度と会えないって。けど、それ考えたら胸が苦しくなって悲しかった。」


こいつは…ほんとに無自覚なのか…。

京「お前の気持ちが知れて嬉しいよ。安心しろ。俺はどんなお前でも好きだから。」

そういって抱きしめると桃は顔を真っ赤にさせていた。


京「…いつか、お前が大丈夫って時がきたらお前の全部を俺にくれよ。いつまででも待ってやるから。」

桃「…あぁ。」

けどまぁ……

京「これは許してくれ。」

そういって桃に触れるくらいのキスをした。

桃は更に顔を真っ赤にさせていた。

京(ふっ……。ほんとに愛おしいな…。)


京「なぁ、桃。」

桃「…なんだよ。」















京「愛してる。」




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