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お宝ハッケン隊
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「ミサキねぇちゃん、もう諦めようよぉ。」
「スバルってば、もうちょっと付き合ってよ。絶対にあるはずなんだから!」
ダンジョンの最下層。そこにいるのは姉弟の二人だけ。
弟のスバルがロウソクであたりを灯して、アネのミサキがあたりを探っていた。
ダンジョンの最下層といえばボスがつきものだが、もうここにはなにもいない。
既にとあるパーティーが討伐したのだ。
ついでに言えば、これまで何組ものチームがここに訪れたものだからモンスターですら一匹もいなかった。
鉱物もすっからかんになったので、今では誰もいないし来ない。
つまり、彼らはダンジョンの最下層にはいるものの、実はすごく弱い。
弱いからこそ、敵がいない【元】ダンジョンに来ている訳なのだが。
「本当に見つかるとは思えないけどな。お宝なんて。」
「なきゃ困るの!せっかくのチャンスなんだから!」
この二人の目的は、このダンジョンボスが守ってるとされていたお宝であった。
通常であれば、そんなものはボスを倒したパーティーがとっくに持ち去っているはずである。
ところが、彼らはそれを見つけることができなかった。
いくら探してもどこを探しても、それらしいものは一つも見つからず、泣く泣く諦めて帰ってしまったのである。
それから何人もがその噂を聞いて宝探しに来たのだが、結局誰も見つけることができなかった。
ゆえに、その存在はただのデマだったと言われるようになり、ついに誰も訪れることはなくなっていた。
「おばぁちゃんは言ってたもん。ご先祖様からそう言い伝えられてきたって。」
「隣の家のおばぁちゃんな。でも、誰も見つけられなかったんだぜ?」
「ん~~!それでもっ。そのお宝だけが頼りなの!」
昔から魔法も剣術も駄目でおまけに貧乏で、周りの子からバカにされてばかりだった。
だからこそ、お宝を見つけ出すことができれば皆を見返せる。
それだけが今の彼女の希望だった。
「いいから今度はこっち照らして!」
「はいはい。あーぁ、魔法が使えれば簡単に周囲を照らせるのに。・・・うあ!?」
スバルは足元の石につまづいてしまい、その場にバタンと倒れる。
両親はおらず、ただ一人の姉であるミサキは、同じくただ一人の弟であるスバルを心配・・・したいところだったが、それよりもやばい事態に慌てた。
「やばっ、あかりが!」
それは、姉弟の唯一の灯りだった。
スバルの持っていたロウソクが落ちて消えてしまったのだ。
あたりは真っ暗になってしまう。
「ご、ごめん。ミサキねぇちゃん。」
「ううん。私が急かしたから。でも、どうしよう。」
なにも見えない。
ここは迷路のような洞窟の最下層。
たとえモンスターが出ないとしても危機的状況である。
誰かが来てくれる可能性すらかなり低い。
絶望感に襲われていた静寂の空間で、ミサキは弟を励まそうと手探りで辺りを探りながら彼を探そうとした。
その時であった。
「スバ・・・え?」
「どうしたの?」
「今、一瞬だけ魔法陣みたいなのが。」
かつてはここにも、常に炎を纏ったボスがいた。
光り輝く鉱石のある空間で、冒険者たちと対峙していた。
そう、普通は魔法が下手な人もこんなところには来ない。
ましてや探し物をするときにあえて灯りを消す者はこれまでただ一人もいなかった。
『暗闇』という条件で、偶然にもとある箇所に触れた彼らは目にすることになる。
これまで崩れることのなかった岩壁から道が開けた先に、伝説の宝の眠る宝箱を。
「い」
「や」
「「いやったぁー!」」
だが彼らはまだ知らなかった。
ここからが本当の苦労の始まりであることを。
「スバルってば、もうちょっと付き合ってよ。絶対にあるはずなんだから!」
ダンジョンの最下層。そこにいるのは姉弟の二人だけ。
弟のスバルがロウソクであたりを灯して、アネのミサキがあたりを探っていた。
ダンジョンの最下層といえばボスがつきものだが、もうここにはなにもいない。
既にとあるパーティーが討伐したのだ。
ついでに言えば、これまで何組ものチームがここに訪れたものだからモンスターですら一匹もいなかった。
鉱物もすっからかんになったので、今では誰もいないし来ない。
つまり、彼らはダンジョンの最下層にはいるものの、実はすごく弱い。
弱いからこそ、敵がいない【元】ダンジョンに来ている訳なのだが。
「本当に見つかるとは思えないけどな。お宝なんて。」
「なきゃ困るの!せっかくのチャンスなんだから!」
この二人の目的は、このダンジョンボスが守ってるとされていたお宝であった。
通常であれば、そんなものはボスを倒したパーティーがとっくに持ち去っているはずである。
ところが、彼らはそれを見つけることができなかった。
いくら探してもどこを探しても、それらしいものは一つも見つからず、泣く泣く諦めて帰ってしまったのである。
それから何人もがその噂を聞いて宝探しに来たのだが、結局誰も見つけることができなかった。
ゆえに、その存在はただのデマだったと言われるようになり、ついに誰も訪れることはなくなっていた。
「おばぁちゃんは言ってたもん。ご先祖様からそう言い伝えられてきたって。」
「隣の家のおばぁちゃんな。でも、誰も見つけられなかったんだぜ?」
「ん~~!それでもっ。そのお宝だけが頼りなの!」
昔から魔法も剣術も駄目でおまけに貧乏で、周りの子からバカにされてばかりだった。
だからこそ、お宝を見つけ出すことができれば皆を見返せる。
それだけが今の彼女の希望だった。
「いいから今度はこっち照らして!」
「はいはい。あーぁ、魔法が使えれば簡単に周囲を照らせるのに。・・・うあ!?」
スバルは足元の石につまづいてしまい、その場にバタンと倒れる。
両親はおらず、ただ一人の姉であるミサキは、同じくただ一人の弟であるスバルを心配・・・したいところだったが、それよりもやばい事態に慌てた。
「やばっ、あかりが!」
それは、姉弟の唯一の灯りだった。
スバルの持っていたロウソクが落ちて消えてしまったのだ。
あたりは真っ暗になってしまう。
「ご、ごめん。ミサキねぇちゃん。」
「ううん。私が急かしたから。でも、どうしよう。」
なにも見えない。
ここは迷路のような洞窟の最下層。
たとえモンスターが出ないとしても危機的状況である。
誰かが来てくれる可能性すらかなり低い。
絶望感に襲われていた静寂の空間で、ミサキは弟を励まそうと手探りで辺りを探りながら彼を探そうとした。
その時であった。
「スバ・・・え?」
「どうしたの?」
「今、一瞬だけ魔法陣みたいなのが。」
かつてはここにも、常に炎を纏ったボスがいた。
光り輝く鉱石のある空間で、冒険者たちと対峙していた。
そう、普通は魔法が下手な人もこんなところには来ない。
ましてや探し物をするときにあえて灯りを消す者はこれまでただ一人もいなかった。
『暗闇』という条件で、偶然にもとある箇所に触れた彼らは目にすることになる。
これまで崩れることのなかった岩壁から道が開けた先に、伝説の宝の眠る宝箱を。
「い」
「や」
「「いやったぁー!」」
だが彼らはまだ知らなかった。
ここからが本当の苦労の始まりであることを。
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