151 / 211
闘技大会開幕
第百五十一話 乙女心
しおりを挟む
「そろそろ集め終わったな」
僕たちはこの周辺の森に居た毛むくじゃらの犬みたいな動物を、メリッサの指示のもと集めていた。メリッサの言葉でああやっと終わったかと、みんな一安心していた。動物を捕まえるのは難しい、罠にかければ簡単だが、動物を傷つけるなとメリッサの命令で手間が余計にかかった。
「こんなに集めて、まあ可愛いけど、どうするつもり?」
エイミアの質問にメリッサは自信ありげに答えた。
「ひと休憩をした後、フォーメーションの実戦を想定した訓練を始める」
おそらく前言っていた5-1-3-1のフォーメーションの訓練をしようって言うんだな。さてどうなることやら。
休憩をはさんだ後、メリッサ教官のもと戦術訓練が始まった。
「毛むくじゃらの動物、あれはヤカバというが、ヤカバを敵と想定して、フォーメーション訓練を始めるいいな!」
「おおー」
掛け声を上げるがさすがに疲れていたため元気はない。
「サラ、私の指示のもとヤカバを捕まえている檻を開けてくれ」
「……わかった」
そう言ってサラはちょこちょこと歩きながら、遠くに置いてあるヤカバの檻のもとへ行った。
「ではフォーメーションの説明をする」
みんなに前語った、フォーメーションの戦術説明をした、こういうことになれていない僕以外のみんなは不思議そうな顔をしていたが、結構かなり高度な戦術なので、そんなもんかと取りあえずよくわからないが納得したようだった。
「よしみんな配置につけ!」
その掛け声のもと、5バックのミーナ、レイラ、ブライアン、アデル、ダイアナは伏せ撃ちの構えを取り、エイミアは僕の後ろに立っており、ユリア、僕、メリッサの攻撃的中盤が立ち撃ちに、最後にシェリーが前に立つ。メリッサはさらに指導を続ける。
「違う違う、距離感がバラバラだ、近すぎても遠すぎてもスペースが生まれる。空間を意識するんだ」
「はい!」
細かく皆に指示を送るメリッサ、大体、所定位置が決まったようで、訓練が始まった。
「サラ! 檻からヤカバを出せ!」
「は、はい」
いくつもの檻から一つずつヤカバが飛び出していく、ヤカバの大軍、人懐っこいのかこちらにものすご勢いで寄ってくる。
「シェリー! 囮として激しく周りをみつつヤカバを捕らえて離せ!」
「ああ!」
「後ろの盾陣はヤカバを撃て、狙わなくていい足止めをするんだ」
「はい!」
「わあった!」
彼らはAKMでヤカバの大軍に制圧射撃を行う、といってもペイント弾だ。実弾を使うと、動物愛護団体がうるさいからね、でもペイント弾とはいえ当たれば結構痛い、弾が当たるとキャンキャン言いながらヤカバが逃げていく、また銃の音に怯えて、逃げていくヤカバもいた。
「ユリア、佑月、私は矛として近づいてくるヤカバを狙い撃つ、いいな!」
「わかった!」
「はい!」
僕たちは勢いよくイキのいいヤカバを狙い撃つ、流石に的として激しく動くうえ、小さくなかなか狙撃が難しい、ユリアとメリッサは苦労しているようだ。
「エイミア! 中盤が突破された! 盾に向かうヤカバを一匹でも多く捕まえろ!」
「はいはいー、わかったわよ、メリッサ、おおみんな可愛いね、いい子だよー」
エイミアは動物好きなのか喜んでヤカバを捕らえていって反対側に逃がしていく。それでも漏れて後ろに向かうヤカバもいる。
「ブライアン、壁を作れ、その間レイラは狙い撃て、佑月もカバーしろ!」
「わかった、メリッサ!」
「はい!」
ブライアンは壁を作り、その間にレイラと僕で狙い撃った。ヤカバの大軍も最初は勢いが良かったが、徐々に勢いが弱まりみんな逃げていった。
「よっしゃあ、勝った!」
アデルの声が上がり、メリッサも皆を労わる。
「みんなよくやった、今が実戦を想定した訓練だ。これからたびたびやるから、次はもっと短い時間で効率よく、ヤカバを追い払え、以上だ。皆、休憩に入れ!」
「うっし!」
「ふうー」
「疲れたー」
各々が声をあげ休憩の時間に入った。僕も慣れない集団戦闘で疲れたな、ゆっくり休もう。
みんな、休憩となってくつろいでいる、お喋りを楽しんだり、エイミアとナオコとサラとミーナは一緒に遊んでいた。あれ、そう言えば、シェリーとダイアナがいないぞ、特段何かあるとは思わないが、裏切りとか策謀してあったら困る、少し様子を見に行くか。
森を捜していると、女の嬌声が聴こえてきた。何かと思って探ってみると、それはシェリーとダイアナだった。
「──ダイアナ、好きだ……その乳房も瞳も」
「シェリー、可愛いわ、もっと気持ちよくなりましょう……」
そうしてお互い半分肌をさらけ出しながら愛撫を始めた、これは……⁉ あまりのことに僕は閉口してしまった。その瞬間だった、ダイアナがこっちに向かってにらみつけた!
「誰……⁉」
──しまった、ヴァルキュリアはエインヘリャルの気配を感じ取れるのだった。逃げようかどうか迷ったが、僕は正直に二人の前に姿を現した。
「佑月……!」
「佑月さん……!」
驚いている二人を見て、僕は落ち着かせるよう冷静に正直に話す。
「いや、みんな休憩している中、二人がいないことに気になって、もしかして何かおかしなことを考えているのかと思って少し探したんだ、そしたら……その……のぞき見をするつもりはなかった、すまない」
「……あ、ああ、なら、別に、隠すもんじゃないしな、なあダイアナ?」
「ええ、まあ……」
そう言って衣服を整えた二人と僕は少し話をしてみることにした。僕たち三人は岩に持たれながら座っていた。
「その……君は、レズビアンなんだね?」
「……ああ、そうだよ」
僕は聞きにくそうに尋ねた。踏み込んでいいかどうか躊躇いがあったが、今後仲間の事を知っておくにこしたことがないので、あえて尋ねた。
「そっか、そうなのか……」
「……なんだよ、アンタも気持ちが悪いって思ってるのか! 別にいいだろ女が女を好きになったって!」
「まってくれ、僕はそんなつもりはない。誤解しないでくれ」
「いや、そう思ってるに決まっている! あたしが生きていた時もそうだった! あたしが子どものころ、孤児院に居た私に優しくしてくれる女友達がいた。
その時は何故だかわからなかったけど、彼女といるとドキドキした、うれしかったんだ。でも女同士でそんなことはないと思ってた。でも違った、あたしは本気だったんだ!
ある時彼女に言ったんだ、好きだって。彼女もあたしも貴女のこと好きだよって言ってくれた、そしてあたしが舞い上がって彼女の唇にキスしたんだ。その時だ、彼女はどんな反応をしたと思う? 吐いたんだ、あたしの目の前で。そして言った、“気持ちが悪いから、あたしに二度と近づかないで”と。
ショックだった、拒否されたこともそうだし私自身を否定された気持ちになった。しかもその後、孤児院でみんながあたしの事を見下した眼でキモイキモいって言い始めたんだ。彼女が言いふらしたんだ、きっと冗談交じりに、あたしを罵りながら侮蔑してさ! あたしを笑ったんだ! ただ女が女を好きになっただけなのに!
みんな誰もわかっちゃくれねえ! ダイアナだけはあたしの事を普通として扱ってくれた、好きだって言っても笑って許してくれた。でもなあ! ほかの奴らは違うんだ! みんな、みんな……! ああっー! くそっ、ムカつく! ──くそっ!」
「……別に僕は変だと思わないよ」
「ああっ⁉ 何だよ……」
「別に女が女を好きになろうと、男が男を好きになろうと別にいいじゃないか。人にはそれぞれ人の愛し方がある。僕とメリッサは今のところ最後までつながれないけど、確かに愛している。何も不思議なことじゃない、神様がこのように生命を作ったんだ。なら、いろんな愛の形があっていいと思う、君もきっとそうだろ?」
「……え? ……あ、あたしは、その……べ、別に……くっ……!」
そう言ってシェリーはほろりと涙を流し始め、黒い肌の頬をつたいキラキラと輝いていた。優しくダイアナが涙を拭きながら抱きしめ、こう言った。
「──よかったね、シェリー……」
「……よ、よかった? ……そうか……、よかった……のか? あたし、あたしは……? うっ、ううぅ……!」
そう言って彼女はダイアナの胸で大泣きを始めた。誰にでも触れられたくない心の傷がある、彼女はその傷が深い分だけ大粒の涙を流した。彼女が落ち着いた後、僕はほかの誰にも言わないと約束し、シェリーと少しわかり合えたことにほっとした。彼女も人間なんだ、僕と同じね……。
僕たちはこの周辺の森に居た毛むくじゃらの犬みたいな動物を、メリッサの指示のもと集めていた。メリッサの言葉でああやっと終わったかと、みんな一安心していた。動物を捕まえるのは難しい、罠にかければ簡単だが、動物を傷つけるなとメリッサの命令で手間が余計にかかった。
「こんなに集めて、まあ可愛いけど、どうするつもり?」
エイミアの質問にメリッサは自信ありげに答えた。
「ひと休憩をした後、フォーメーションの実戦を想定した訓練を始める」
おそらく前言っていた5-1-3-1のフォーメーションの訓練をしようって言うんだな。さてどうなることやら。
休憩をはさんだ後、メリッサ教官のもと戦術訓練が始まった。
「毛むくじゃらの動物、あれはヤカバというが、ヤカバを敵と想定して、フォーメーション訓練を始めるいいな!」
「おおー」
掛け声を上げるがさすがに疲れていたため元気はない。
「サラ、私の指示のもとヤカバを捕まえている檻を開けてくれ」
「……わかった」
そう言ってサラはちょこちょこと歩きながら、遠くに置いてあるヤカバの檻のもとへ行った。
「ではフォーメーションの説明をする」
みんなに前語った、フォーメーションの戦術説明をした、こういうことになれていない僕以外のみんなは不思議そうな顔をしていたが、結構かなり高度な戦術なので、そんなもんかと取りあえずよくわからないが納得したようだった。
「よしみんな配置につけ!」
その掛け声のもと、5バックのミーナ、レイラ、ブライアン、アデル、ダイアナは伏せ撃ちの構えを取り、エイミアは僕の後ろに立っており、ユリア、僕、メリッサの攻撃的中盤が立ち撃ちに、最後にシェリーが前に立つ。メリッサはさらに指導を続ける。
「違う違う、距離感がバラバラだ、近すぎても遠すぎてもスペースが生まれる。空間を意識するんだ」
「はい!」
細かく皆に指示を送るメリッサ、大体、所定位置が決まったようで、訓練が始まった。
「サラ! 檻からヤカバを出せ!」
「は、はい」
いくつもの檻から一つずつヤカバが飛び出していく、ヤカバの大軍、人懐っこいのかこちらにものすご勢いで寄ってくる。
「シェリー! 囮として激しく周りをみつつヤカバを捕らえて離せ!」
「ああ!」
「後ろの盾陣はヤカバを撃て、狙わなくていい足止めをするんだ」
「はい!」
「わあった!」
彼らはAKMでヤカバの大軍に制圧射撃を行う、といってもペイント弾だ。実弾を使うと、動物愛護団体がうるさいからね、でもペイント弾とはいえ当たれば結構痛い、弾が当たるとキャンキャン言いながらヤカバが逃げていく、また銃の音に怯えて、逃げていくヤカバもいた。
「ユリア、佑月、私は矛として近づいてくるヤカバを狙い撃つ、いいな!」
「わかった!」
「はい!」
僕たちは勢いよくイキのいいヤカバを狙い撃つ、流石に的として激しく動くうえ、小さくなかなか狙撃が難しい、ユリアとメリッサは苦労しているようだ。
「エイミア! 中盤が突破された! 盾に向かうヤカバを一匹でも多く捕まえろ!」
「はいはいー、わかったわよ、メリッサ、おおみんな可愛いね、いい子だよー」
エイミアは動物好きなのか喜んでヤカバを捕らえていって反対側に逃がしていく。それでも漏れて後ろに向かうヤカバもいる。
「ブライアン、壁を作れ、その間レイラは狙い撃て、佑月もカバーしろ!」
「わかった、メリッサ!」
「はい!」
ブライアンは壁を作り、その間にレイラと僕で狙い撃った。ヤカバの大軍も最初は勢いが良かったが、徐々に勢いが弱まりみんな逃げていった。
「よっしゃあ、勝った!」
アデルの声が上がり、メリッサも皆を労わる。
「みんなよくやった、今が実戦を想定した訓練だ。これからたびたびやるから、次はもっと短い時間で効率よく、ヤカバを追い払え、以上だ。皆、休憩に入れ!」
「うっし!」
「ふうー」
「疲れたー」
各々が声をあげ休憩の時間に入った。僕も慣れない集団戦闘で疲れたな、ゆっくり休もう。
みんな、休憩となってくつろいでいる、お喋りを楽しんだり、エイミアとナオコとサラとミーナは一緒に遊んでいた。あれ、そう言えば、シェリーとダイアナがいないぞ、特段何かあるとは思わないが、裏切りとか策謀してあったら困る、少し様子を見に行くか。
森を捜していると、女の嬌声が聴こえてきた。何かと思って探ってみると、それはシェリーとダイアナだった。
「──ダイアナ、好きだ……その乳房も瞳も」
「シェリー、可愛いわ、もっと気持ちよくなりましょう……」
そうしてお互い半分肌をさらけ出しながら愛撫を始めた、これは……⁉ あまりのことに僕は閉口してしまった。その瞬間だった、ダイアナがこっちに向かってにらみつけた!
「誰……⁉」
──しまった、ヴァルキュリアはエインヘリャルの気配を感じ取れるのだった。逃げようかどうか迷ったが、僕は正直に二人の前に姿を現した。
「佑月……!」
「佑月さん……!」
驚いている二人を見て、僕は落ち着かせるよう冷静に正直に話す。
「いや、みんな休憩している中、二人がいないことに気になって、もしかして何かおかしなことを考えているのかと思って少し探したんだ、そしたら……その……のぞき見をするつもりはなかった、すまない」
「……あ、ああ、なら、別に、隠すもんじゃないしな、なあダイアナ?」
「ええ、まあ……」
そう言って衣服を整えた二人と僕は少し話をしてみることにした。僕たち三人は岩に持たれながら座っていた。
「その……君は、レズビアンなんだね?」
「……ああ、そうだよ」
僕は聞きにくそうに尋ねた。踏み込んでいいかどうか躊躇いがあったが、今後仲間の事を知っておくにこしたことがないので、あえて尋ねた。
「そっか、そうなのか……」
「……なんだよ、アンタも気持ちが悪いって思ってるのか! 別にいいだろ女が女を好きになったって!」
「まってくれ、僕はそんなつもりはない。誤解しないでくれ」
「いや、そう思ってるに決まっている! あたしが生きていた時もそうだった! あたしが子どものころ、孤児院に居た私に優しくしてくれる女友達がいた。
その時は何故だかわからなかったけど、彼女といるとドキドキした、うれしかったんだ。でも女同士でそんなことはないと思ってた。でも違った、あたしは本気だったんだ!
ある時彼女に言ったんだ、好きだって。彼女もあたしも貴女のこと好きだよって言ってくれた、そしてあたしが舞い上がって彼女の唇にキスしたんだ。その時だ、彼女はどんな反応をしたと思う? 吐いたんだ、あたしの目の前で。そして言った、“気持ちが悪いから、あたしに二度と近づかないで”と。
ショックだった、拒否されたこともそうだし私自身を否定された気持ちになった。しかもその後、孤児院でみんながあたしの事を見下した眼でキモイキモいって言い始めたんだ。彼女が言いふらしたんだ、きっと冗談交じりに、あたしを罵りながら侮蔑してさ! あたしを笑ったんだ! ただ女が女を好きになっただけなのに!
みんな誰もわかっちゃくれねえ! ダイアナだけはあたしの事を普通として扱ってくれた、好きだって言っても笑って許してくれた。でもなあ! ほかの奴らは違うんだ! みんな、みんな……! ああっー! くそっ、ムカつく! ──くそっ!」
「……別に僕は変だと思わないよ」
「ああっ⁉ 何だよ……」
「別に女が女を好きになろうと、男が男を好きになろうと別にいいじゃないか。人にはそれぞれ人の愛し方がある。僕とメリッサは今のところ最後までつながれないけど、確かに愛している。何も不思議なことじゃない、神様がこのように生命を作ったんだ。なら、いろんな愛の形があっていいと思う、君もきっとそうだろ?」
「……え? ……あ、あたしは、その……べ、別に……くっ……!」
そう言ってシェリーはほろりと涙を流し始め、黒い肌の頬をつたいキラキラと輝いていた。優しくダイアナが涙を拭きながら抱きしめ、こう言った。
「──よかったね、シェリー……」
「……よ、よかった? ……そうか……、よかった……のか? あたし、あたしは……? うっ、ううぅ……!」
そう言って彼女はダイアナの胸で大泣きを始めた。誰にでも触れられたくない心の傷がある、彼女はその傷が深い分だけ大粒の涙を流した。彼女が落ち着いた後、僕はほかの誰にも言わないと約束し、シェリーと少しわかり合えたことにほっとした。彼女も人間なんだ、僕と同じね……。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる