頬杖をつく女 2017.5.23 〜

第6章 神様との約束

農家は、神様に一番近いお仕事

家は、みかん農家だった。


小さな子供の頃から、「農家は、神様に一番近いお仕事だ」と思っていた。



お日様や、恵みの雨、天からの恩恵を受けながら、農産物は育つ。


そのことに、感謝していたら、不意に、そんなイメージが湧き上がってきた。



私は、みかん畑で、天を仰ぎ見ては 
神様との誓いを、時折、想い出していた。 



神様は確かに、私に、おっしゃられた。 



｢人間の目は、ごまかすことは出来ても、わたくしの目を、ごまかすことは出来ません。｣


｢偉大な芸術家の魂に、二度も同じような悲劇が繰り返されましたね。ひとつは、あなたが、よく知っているでしょう？｣