色々ありまして、ネット探偵することになりました。

鏡子 (きょうこ)

文字の大きさ
69 / 213
歴史は変わった

監修者のアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館館長)による説明

しおりを挟む




こちらの画像提供者、
美術系ブログを書かれている方は、監修者のアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館館長)による説明文を引用されていた。


アレッサンドロ・ヴェッツォージ氏の解説を転載させて頂くことにする。




【美術展】「レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の挑戦」近年公開された『糸巻きの聖母』が初来日/江戸東京美術館: Old Fashioned Club -オールドファッションド・クラブ-


http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/670505/562700/84645772



監修者のアレッサンドロ・ヴェッツォージ氏(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館館長)による説明を引用します。


☆☆☆
◆《糸巻きの聖母》の美術史的な価値
第一次ミラノ時代が終わり、第二次フィレンツェ時代に入ったレオナルド円熟期の作品です。《糸巻きの聖母》は、《岩窟の聖母》、《最後の晩餐》、《聖母子と聖アンナ》、《モナ・リザ》に並び、高く評価され模写されてきたレオナルド5大テーマの1つで、イタリアだけでなく、フランス、スペイン、ネーデルラントにも普及し、多くのバリエーションが現存しています。

◆作品の来歴
「糸巻きの聖母」という主題は、1501年に修道士ピエトロ・ダ・ノヴェッラーラがマントヴァ侯妃イザベッラ・デステに宛てた手紙の中で、レオナルドがフランス国王ルイ12世の外交官フロリモン・ロベルテのために取り組んでいた作品として言及されています。その手紙にある作品の描写と本作の構図が完全には一致しないため、研究者の中で議論が続いています。しかしながら、現在の研究では、背景は後世に加筆されたが、構図の中心である聖母子および前景の岩の描写は、レオナルド本人の手になるという意見が多数になっています。
今回、来日する《糸巻きの聖母》は、1752年にはフランスにあり、1756年に競売にかけられ、その後1771年にバクルー公爵家の所蔵になりました。その後は2009年にエディンバラのスコットランド・ナショナル・ギャラリーに寄託されるまで、ほとんど一般公開されていませんでした。

◆作品の意味
この作品の主役は、幼子イエスの持つ糸巻きです。幼子イエスは、ダイナミックな動きで糸巻きのほうに身体をひねり、糸巻きを手に取り、もう一方の手で上方を指しているので、糸巻きを十字架と解釈する考えもあります。しかし、私は、古代ローマの人間の運命を紡ぐ三女神(通称パルカ)に通じる「人間と世界の運命を織る」道具として描かれていると解釈しています。一方、聖母は、人類の救済だけでなく本人の犠牲を要求する過酷な運命に子どもが向かわないように、その身体を押さえています。そして右手は母なる大地のエネルギーを表しています。それらの手は、《岩窟の聖母》や《最後の晩餐》の登場人物の手の動き同様、目に見えない魂の動きを、絵画 の中のジェスチャーで表現しようとしたレオナルドの研究の成果と言えるでしょう。

◆作品の魅力
前景の岩は、レオナルドにしかなしえない高度な技術で描かれています。時間の経過とともに変化する地質学の研究成果が表現されており、科学者、自然の観察者としてのレオナルドを思い起こさせます。また、遠近法を応用した歪み像のような聖母の顔、幼子イエスの、斜めの軸を中心に回転しているかのような体の描写に卓越したものを感じます。
つまり画面前景の、作品にとって大切な要素である構図の中心部分はレオナルドの真筆です。ただし背景は、後世の加筆であることがわかっています。
★★★


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...