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レオナルドの資質

科学的な証明は、鑑定に値せず!

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何度も言うが、例え科学的根拠が認められても、レオナルド作品だと、安易に判断してはいけない。

過去の研究者を、見習うべきだ。

【『音楽家の肖像』は、確かな根拠で、レオナルドの筆致が認められていた。

しかし、弟子の割合の方が、明らかに多いから、弟子の作品だと判断されていたのだ。】

時代は、変わった。

テクノロジーで色々な証明が可能になったぶん、
研究者の判断は、甘々になった。

科学が発達したぶん、
視覚で判断することは、さほど重要視されなくなっている。


「レオナルドの痕跡が認められた=レオナルド作品 」
という公式は、成り立った。


見つけたその者は、
【その絵は、レオナルド作品であることを証明された!】と有頂天になり、
絵画は、マネーロータリングの恰好の餌食となる。


今は、例え弟子が大半を仕上げた絵でも、レオナルドが多少なりとも関わっていたら、レオナルド作品だとされている。


下手な部分は、目をつぶり見なかったことにして、
素晴らしい部分だけを評価する。



 
芸術は穢された。



その罪の重さを考えたことはあるか?
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