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音楽家の肖像

『音楽家の肖像』の正しい解説

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『音楽家の肖像』の正しい解説


西洋絵画の巨匠 ⑧ レオナルド・ダ・ヴィンチ      池上 英洋


レオナルド工房作か
若い音楽家の肖像



《正しい解説を知って頂きたく、画集の内容を、そのまま転載する。》


この肖像画のモデルは、イル・モーロか、あるいは手に持つ楽譜から、レオナルドと親交があったらしき聖歌楽隊長フランキーノ・ガッフリオと思われてきた。レオナルドと音楽の関係は深く、歌もうまく演奏も巧みだったと伝えられる。この作品をレオナルドの真筆とする見方もあるのだが、こちらは残念ながら否定せざるをえない。形態の不自然なとらえ方、ゆがみ、深みと明るさに欠ける色彩、繊細さの不足した頭髪、まったく立体感のない胸、バランスのおかしい手の位置、影のグラデーションの単純さ。明らかにレオナルド本人のものではない。
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