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歴史は人為で変えられる。

活字の絡繰

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文章をよくよく読んでみる。



《デイビッド・アラン・ブラウン(ワシントンDCナショナルギャラリー、イタリア絵画学芸員)、マリア・テレサ・フィオリオ(ミラノ、ラッコルタ・ビンチアーナ)、リューク・シソン(ナショナルギャラリー、イタリア絵画学芸員)、マーティン・ケンプ(オックスフォード大学)、ペエトロ・C.マラニ(ポリテクニコ・ディ・ミラノ美術史教授)、カルメン・バンバッハ(メトロポリタン美術館)などが、2枚の絵画の比較研究に招かれる。》


錚々たるメンバーが名を連ねてはいるが、
このメンバーの全てが、サルバトール・ムンディを、真作と認めたとは、どこにも書いてはいない。


《2枚の絵画の比較研究に招かれる。》

そう書いてあるだけだ。


よくよく読んでみると、
錚々たるメンバーは、
研究会に招かれた、ただそれだけなのだ。


これをあまり深く考えずに流し読みしたら、全ての研究者が認めたともとれる解釈をする人もいるだろう。

それと疑問に思うこと。

この文章には、
研究会に参加したメンバーの意見交換等、その結果報告がされていない。


研究会の後、
パリ、ルーブル美術館のバンサン・デリュバンがダビンチの真作であることを確証したという。


ルーブル美術館のバンサン・デリュバン氏

「真作であることを確証した」
と言うが、

この人物、
随分、権限がある人物とみた。
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