言葉が降りてきた

鏡子 (きょうこ)

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モナ・リザは、誰の姿でもない。

誰の姿でもないモナ・リザ

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レオナルド・ダ・ヴィンチとの交信記録に基づく。 
ダ・ヴィンチは500年先位までの未来は容易に想像出来ていた。 
物質文化が進むにつれて神(自然)を蔑ろにする世の中となり 
その結果 
異常気象や様々な天変地異を経験することとなる。 
しかし最終的に 
人類は 
神(自然)に畏敬の念を抱き過去の過ちを反省することになるだろう… 
そう私は書き記していた。 

この記述も、ダ・ヴィンチとの交信記録に基づく… 
来るべき未来の 
写真技術を視野に入れていた。 
更に 
合成写真のような 
技術も開発されるであろうと予言した。 
モナ・リザは 
肖像画ではない。 
人類史上初 
自分が試みた 
イメージ画像が 
あの絵画である。 
モナ・リザは 
誰の姿でもない。 
リッタの聖母(カテリーナがモデル)に 
女性化した姿の自分の顔を 
曖昧な首を描いて合成させた。 
来世で巡り会いたい理想の母親像を描いた。
誰の姿でもない 
女性像に 
特定の人物の名前を付けた人類は 
非常に愚かだ。 
それまでの歴史上で絵画といえば 
実際に過去に生きていた聖者であったり偉人であったり 
はたまた 
ある程度、資金的に豊かな特定の人物がモデルであったが 
イメージ画像を 
描こうと思ったのは、恐らく自分が初めてであろう。 
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