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ポルフィディオ盗賊団編
ー 30 ー ポルフィディオ盗賊団編④
しおりを挟む「うぉーりゃー!」
クロロが、青空をバックに浮かぶオモチャ軍団に突撃する!
「はあっ!!!」オーラを込めた拳が、戦隊ヒーローの合体ロボに突き刺さる!
ボボン!!!
カッと炎を噴き上げてロボットが爆発した!
「はああー!」
コン太が掌を突き出し、機関銃のようにオーラ弾を連射する!
ボボボボボ…!
戦闘機、ドローン、UFOが次々に爆炎を噴き上げ、焼け落ちていく!
ビビビッ!!!
!!!
スペースシャトル型ラジコンのノーズの先から緑色のレーザー光線が放たれた!
「!!!このっ!スペースシャトルにそんな武器があるわけないでしょ!」リリアンがレーザーを躱しながら、バレーボール大のオーラ弾を投げつける!
ドーン!!!
花火が弾けるように、スペースシャトルが粉々に炸裂した!
「ふん、邪魔だ!」
ベネットが、宇宙戦艦の横っ腹を蹴っ飛ばす!
戦艦は、衝撃でぐるぐると回転しながら、その後方に浮かぶラジコンとフィギュアの群れに衝突した!
ドカン!!!
赤黒い炎と煙を巻き上げながら、複数のオモチャが燃え滓となって消えて行く…!
「ふうっ、よしっ!大体片付いたか!…ん?」
その時、クロロたちの体が影に覆われた…!
「えっ…!?」
上空を見上げると、巨大な母艦が浮かんでいる!カラフルなブロックを数万個程使って組まれた「店頭のディスプレイ」で展示されているような大型のブロック模型だ!
「でっ、でけえ!あんなんありかよ!!!」
ブゥウウ…ン!!!
艦底にぽっかりと空いた砲口に、緑色の光が集まっていく!!!
「や、やばい…!」
ズッ…!!!
緑色の閃光が空を貫く!砲口から、大口径のレーザーが放たれたのだ!
!!!
レーザーは、真下にいたコン太の背中を光速で捉え、辺り一帯が巨大な緑色の爆炎に包まれた!
「うわぁ!」
背中から黒い煙を噴き上げながら、コン太が猛スピードで地上へ落下していく!!!
「コン太ーっ!!!」
クロロがギュンっと高度を下げてコン太を追いかける!
「あのヤロー!」急降下しながら、くるんと地面に背を向けて、母艦を睨みつける!
「はああ…!!!ファイアー!!!」
ドンっ!!!
瞬時にオーラを手のひらに集め、砲弾のようなオーラを放った!!!
グオオオオオ…!ズッ…!!!
オーラ弾が、母艦の砲口に吸い込まれた!
艦体の内部から鋭い光が幾筋も貫き、その一瞬後に視界一面を緑色の炎に染めて、母艦が大爆発を起こした!!!
火を纏った組み立てブロックの残骸が、弧を描いて漂い落ちていく…。
「ざまあみやがれ!」再びくるんと方向転換し、地表に向けて加速していく!
…
ギューン…!!!
眼前に迫るのは、大きな商業施設の屋上駐車場のようだ。
駐車スペースはほとんど埋まっており、施設の壁面には「lun lun port」というロゴが描かれている。
…田舎育ちのクロロは知る由もなかったが、「ルンルンポート」は都市部近郊で展開されている大型ショッピングセンターのブランドだ。
映画館、家電量販店、大型スーパー、国内外のファッションブランド、書店、玩具店、フードコートなどが一つの施設に集約されており、大抵のものはすべて揃う。この場所だけで一日中楽しむことができるので、特にファミリー層にとっては救世主のようなショッピングセンターである…
「あっ!」
駐車場の一部が、まるで隕石が落ちたかのように、大きくひび割れて凹んでおり、黒い煙が立ち上っている。
「コン太っ!」
煙の元に、コン太が横たわっていた!
クロロは屋上に着地すると、コン太に駆け寄った。
「おい!大丈夫か!?」
「う、うぐぐ…」コン太が体を震わせながら、薄く目を開く。
「…ぐう…、だ、大丈夫かと言われれば…あんまり、へ、平気じゃないかも…」
コン太の全身を雷に打たれたような痛みが貫く。
オモチャの攻撃ではあったが、その威力は今まで相対した敵と同等か、それ以上だった。
一方で、強烈な一撃を不意打ちのように背中に受けたのにも関わらず、意識があるのが不思議なくらいだった。
「も、もしや。ま、また黒いウエアのおかげかも…!?」
破れたシャツの隙間から、黒いタイツのようなウエアが覗いていた。
思えば、さきほどの地下鉄で、真っ赤なダンゴムシに斬りつけられたときも体を守ってくれていた。
常に肌に張り付いているわけでもなく、ダメージを喰らうタイミングで発現されるようだ。
「ふう、ギリギリ無事みてえだな!ひやっとしたぞ!」
クロロが冷や汗を拭う。
ヒュ、ヒュン!
ベネットとリリアンも駐車場に降り立った。
「…危ないところだったな。コン太を守ってくれたその黒い肌着のようなものは、イマジネット・オーラの片鱗だろう。完全に発動すれば、きっと強力になるはずだ…。…だが…」
ベネットが駐車場を見渡しながら、鋭い視線を送る。
「おしゃべりしている暇はないようだ」
リリアンが、魔法少女の杖を構える。
「…ご丁寧に、この駐車場もオモチャ軍団さんがお出迎えしてくれてるようね」
!!!
駐車している自動車の影から、戦車や装甲車のラジコン、大きな恐竜のフィギュア、ロボットアニメのプラモデルがぞろりと姿を表した。
自動車のルーフには、塩ビの兵隊がうつ伏せになってライフルを構え、ボンネットやタイヤの影からは子供向けの変身ヒーローや格闘ゲームのプレイアブルキャラクター、魔法使いのおばあさんのフィギュアが各々の得物を手にクロロ達に狙いを定めている。
「こ、こいつら!一体何人いやがんだ!?」
ラジコンやフィギュアの軍団がじりりと詰め寄ってくる…!
屋上駐車場にいた一般の買い物客達は、空から人が落ちてきたり、オモチャのラジコンやフィギュアが縦横無尽に動いていたりと、異常な光景にパニックを引き起こして駐車場から逃げ出している。
「…やむを得ん!」
ベネットがリリアンとクロロに目をやる!
「二手に分かれるぞ。リリアン、クロロ。このままクリアを追ってくれ。少しでも距離を縮めるんだ!コン太は俺が見る。このガラクタどもを片付けたらすぐに合流する!」
ベネットが両手に電気を溜めながら言う。
今の最優先事項はクリアの奪還だ。これ以上足止めを食らうわけにはいかない!
それに、追跡の要はリリアンがクリアに渡したピアスのみだ。いつ賊にバレて破壊されるかも分からない…時間との戦いだ…!
「…そうね、わかった!ベネット、コン太…気を付けて…!」
「…よし!おい、コン太、やられるんじゃねえぞ!」
クロロが親指をグッと立てる。
「…お、おう!クロロもな!」
コン太も親指を立て、頷いた。
「クロロ、急ぐわよ!」「おう!」
リリアンとクロロが体からオーラを噴き上げると、バシュッと音を立てて飛び立った!
オモチャの軍団が一斉に上空に向けて武器を掲げる!
「どこを見てる!貴様らの相手はこっちだ!」
ベネットが手足を大の字のように伸ばす!
バヂっ!!!ズゴゴゴゴゴ…!!!!!
ベネットの体中から、稲妻の閃光が迸る!
扇状に無数の電撃が広がり、一般の人々を避けながら、駐車場に展開しているオモチャ一体一体に雷が直撃していく!
ドドドドド…!!!
雷に撃たれたオモチャは、火花を巻き散らしながら、黒焦げになってアスファルトに崩れ落ちた。
「す、すごい!」
「…気を抜くな。これで終わりじゃないはずだ!」
敵の数は読めないが、耐久性はやはりオモチャレベル。先ほど上空で遭遇したラジコンと同じで、破壊は容易だ。
もっとも、攻撃は非常に強力なので細心の注意を払う必要があるが…。
オモチャを操る能力者本体もいるだろうが、今は後回しだ。目先の障害を取り除いたら、すぐにリリアンたちと合流しなければ…!
「…ん?あ、あれは?」
コン太の視界を小さな光る影が、猛スピードで走り抜けていった!
目を凝らすと、駐車場のアスファルトに細長い黒い轍が刻まれている。
…間違いなく何かがいる!
ビシュンッ!
!!!
まただ!掌に収まるくらいの、逆円錐型の物体!あれは…!
「駒だ!」
小学生の子どもたちに人気の、現代版ベーゴマの玩具だった。ベーゴマ同様、通常はリングの中で駒をぶつけ合って遊ぶものだが、今駆けていった駒は、縦横無尽に駐車場を走り回っている!
「べ、ベネットさん!」
「!…確認した!」
ベネットが電撃を鞭のようにしならせる!
ズドン!
素早く動き回る駒に、蒼い稲妻がヒットした!
火花の弧を描きながら、ベーゴマの玩具が焼け飛んでいく!
「や、やった!これで全部か…!?」
コン太が安堵したのも束の間、自動車の影から魔法使いの人形が飛び出し、木の杖を掲げた!
!!!
コン太とベネットの周囲を丸く囲むように、アスファルトから円形の光が噴き上がる!
「ど、どうなってる!?」
光は、先ほどのベーゴマが地面に描いた轍から上がっているようだ!
「こ、これは…!ま、魔法陣!?」
さっきの駒…!走り回りながら、こっちにぶつかってくるものだと思っていたけど…!アスファルトに魔法陣を描いていたのか…!?魔法使いと連携して…!?
ズッ…!!!!!
噴き出した光が見上げるほど高く立ち昇り、次の瞬間に巨大な火柱となり爆発した!!!
ドンっ!!!!!
………
「!!!なっ、なんだ!?」
空を貫く衝撃に、飛行中のクロロとリリアンが急ブレーキをかける。
後方を振り返ると、先ほどいた商業施設の方角が、赤黒い爆炎で染まっていた!
「!!!こ、コン太!ベネット!」
「!!!そんなっ!くっ…!引き返すわよ!」
クロロとリリアンが、オーラをバシュッ!と噴き上げる!
しかし!!!
「どこへ行くのさ」
!!!
クロロとリリアンが声の主を振り返る。
「…な、なんだっ!てめえは!」
………
ゴゴゴゴゴ…!
「…コン太、大丈夫か?しっかりしろ!」
ベネットに肩を掴まれ、コン太が薄目を開ける。
「う、うう…あいてて。こ、ここは?」
粉塵で霞む中、悲鳴や叫び声と共に、逃げ惑う人々のシルエットが視界を横切っていく。
逃げろー!出口はあっちだー!
た、大変だっ!て、テロか?隕石か?
怪我人はいませんかー!?
…
立ち上がって周囲を見渡すと、状況が鮮明になった。
屋上駐車場が爆破され、屋上階層もろとも「ルンルンポート」の施設内に崩れ落ちたのだった。
落ちた先はホビーやカルチャーのショップが軒を連ねているエリアで、煙で視界が翳る中、書店や玩具店、レコードショップや楽器店などの看板が確認できた。
天井にぽっかり空いた穴の淵からは、千切れた電気ケーブルによる火花が舞い散り、スプリンクラーに繋がるパイプから噴き出した水が、激しい霧雨のように降り注いでいる。
「…コン太。こいつを食べておけ」
ベネットがコン太に白い粒を渡した。回復糖だ!
白い粒を噛み締めると、潮が引くように痛みが消えていき、痛みと入れ替わるように、体の芯からオーラが漲っていく。
「あ、ありがとうございます!だ、だけど、大惨事だ!け、怪我人は…!」
「今のところは心配ないだろう」
爆発の瞬間、施設の中は多くの人で賑わっていた。
屋上階が崩落し、アスファルトの塊や駐車中の自動車やひしゃげたガードレールなどが施設内に落ちていったが、人々に直撃する前に、ベネットが電撃で粉砕したのだった。文字通り小石ほどに粉々に砕き切り、被害をほぼゼロに留めたのだ。
「…だが、崩落箇所は非常に不安定な状態だ…いつまた崩れるか分からんぞ…」
ドドン!
ベネットの言葉とほぼ同時に天井の一部が崩れ、大小の瓦礫が降り注いだ!
ガラガラガラ…!!!
「くっ!」ベネットが両手から電撃を繰り出し、無数の稲妻が瓦礫を焼き尽くしていく!
「ちっ、キリがないが…大方、買い物客は逃げ切ったようだ!俺たちもここを離れるぞ!」
「あっ!ちょ、ちょっと待ってください!」
コン太が玩具店の店内に目をやる。
その玩具店は世界中に店舗を展開している最大手チェーンの一つだった。
広い店内にはあらゆる種類のオモチャが販売されており、入り口近くはビデオ・ゲームのコーナーになっている。
人気ハードの新作がずらりとディスプレイされ、試遊用にモニターとハードが3台分設置されていたが、その内の一つで小学生くらいの子供がゲームに熱中していたのだった。
自前のヘッドフォンをハードに接続しており、大音量でプレイをしているのか、真後ろで起こっている惨事に気付いていないようだった!
「あの子をこの場所から離れさせないと!」コン太が子供に駆け寄る!
「ねえ!君、危ないからここから逃げるんだ!」
コン太が小学生に駆け寄り、小さな肩を掴む。有名塾のリュックがかさりと揺れる。
だが、小学生はゲーム機の前から動こうとしない。
モニターには、対戦型アクションゲーム「スマッシュ・クラッシャーズ」が映し出されていた。
スマッシュ・クラッシャーズ、略して「スマクラ」は、多数のゲームタイトルのキャラクターをプレイヤーとして使用できる、クロスオーバー型の世界観を有した人気の対戦ゲームだ。
操作方法は奥が深いが、基本動作に関しては決して難しくなく、小学生からおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広い世代で楽しむことができる。
「おい、君!」コン太がより強く肩を揺らす!
その時、ベネットが叫んだ!!!
「こ、コン太っ!そいつから離れろ!」
「え?」
コン太がベネットの方を振り向く。
ドカン!!!
その瞬間、コン太の胴体が、爆炎に包まれた!
「うわぁ!」
「コン太っ!」強烈な爆発の衝撃で、ベネットの足元まで吹き飛ばされた。
「ふふ。よくわかったね。…ん?そのお兄ちゃん、無事なんだ。ええ?どんな防御力してるんだよ。すごい!さすがハウスだね!」
小学生がコン太を見ながら嬌声を上げる。その指先からは、オーラの残滓が漂っていた。
コン太に背を向けたまま脇の下から人差し指を差し出し、強力なオーラ弾を放ったようだった。
「うぐぐ…!」
コン太が立ち上がる。
あ、危ないところだった…!と、いうかクリーンヒットしたという意味ではアウトなんだけど、なんとか…黒いウエアが守ってくれたみたいだ…!
コン太の心臓の位置にできたソフトボール大の焦げ跡から、黒い肌着が覗いていた。
「まさか…こんな子供が賊の団員だとは…!」
ベネットがギリリと歯を食いしばる。
先ほどのコン太への攻撃…全く躊躇せずに、正確に心臓を射抜いていた…。完全に殺しに来ている…!
そしてコン太も不意打ちの攻撃を受けて無事だとは…攻撃への耐性が上がっているのか?イマジネット・オーラの開花が近いかもしれん…!
「ふふ。はじめまして。僕はラフロイグ。今日は君たちと遊べるって聞いて楽しみにしてたんだ」
にこりと無邪気な笑みを見せる。小学3~4年生くらいだろうか、その笑顔には何の穢れもない…。
「バカを言うな。お前などと遊んでる暇はない」
ベネットが拳にオーラを込める。
「コン太…。見た目がガキだろうが、こいつは超危険人物だ。躊躇することなくフルパワーで攻撃しろ」
「えっ!?は、はいっ…!」
そ、そうは言っても…どう見たって、こ、子供だ…無垢な子供…。
「外見に惑わされるな…!相手のオーラを見るんだ」
「お、オーラを…」
呼吸を整え、感覚を研ぎ澄ます…。
!!!
ラフロイグの小さな体からは、無邪気さとは程遠い、禍々しくおぞましいオーラが煮えたぎっている!
「全力で放て!」
ベネットの蒼い電撃と共に、コン太が渾身のオーラ弾を炸裂させた!!!
………
「あなた…ポルフィディオ盗賊団ね…」
リリアンがギロリと睨め付ける。
「へえ。よく分かったな!ってか、こタイミングで空中浮遊してるやつは、団員くらいしかいないか」
クロロとリリアンの眼前には、ピンク色の髪をしたツインテールの少女が腕を組んで浮かんでいた!
ヴィンテージのロックTシャツにブラックレザーのジャケットを纏い、黒とグレーのチェックのミニスカートを風にはためかせている。
「ふん。2人ってのが物足りないけど…。まあ早く戦えるならいっか。待機してるのもダルかったし」
少女が真っ赤な唇をペロリと舐める。
「ぶっ殺してあげるから、かかっておいで」
「!!!て、てめえ!」
クロロが怒りの炎に染まった目を少女にぶつける!
「ぷっ。威勢のいいガキだね。うっとおしいよ」
少女が人差し指をクロロに向ける!黒いネイルで飾られた指先がキラリと光った!
「へ!?」
「…クロロっ!」
咄嗟にリリアンがクロロの眼前に手を伸ばす!
バシュッ!!!
リリアンの手のひらから小さな爆炎が上がった!
「なっ!?り、リリアン!」
「…大丈夫よ。クロロ、オーラを全身に隈なく凝縮させて。五感をより研ぎ澄ますの。そうすれば、今の攻撃が見えたはずよ」
「!こ、攻撃!?み、見えなかった…」
リリアンの手のひらから、真っ赤な鮮血が滴り落ちる…。
「…かなり手強そうね」
…あいつは指先から、オーラを米粒大に凝縮したオーラ弾を放った…!
クロロの顔に着弾してたら、おそらく即死。
最短距離で殺しにかかってきてる。相当イカれてるわね…。
「あなた…さっきからオモチャを動かしてる能力者なの?」
リリアンがキッと睨みつける。
「オモチャ?ふん、あたしがあんなガキくさい能力使うわけないでしょ!あれはラフロイグさ。そろそろ、ルンルンポートだっけ?あっちに残った奴らと一戦かましんてんじゃね?」
ピンク髪の少女がぺっと唾をはく。
「…あなた、名前は?」
「あたしはカルーア。結構待ったんだからさ、楽しませてちょーだいね」
そう言うと同時に、出し抜けに腕を振り上げた!
流れ星の尾のように、無数の光が空中に散らばる!
「!!!お、オーラ弾か!めちゃ小さい!」
クロロが目を凝らして身構える!
「はあっ!」
リリアンが、真っ白な日傘をバサっと広げる!
いつの間にか、透き通るような白のワンピースにつばの広い帽子を纏った、初夏の貴婦人といった姿に変身していた!
これもリリアンのコスプレレパートリーの一つのようだ。
広げた日傘を盾のように掲げ、極小の弾幕を待ち受ける!
ドドドドド!!!
日傘の生地の上で無数の炎が弾ける。リリアンのこの姿は、防御性能に重点を置いた変身形態のようだった。
「へえ。やるじゃん。おばさん」
カルーアがリリアンを見下げながら、ニヤリと笑う。
「…おばさん…?だと?」
リリアンを取り巻く空気が、変わった。
吐息が凍るような、ドスの効いた威圧が周囲を貫く!そして…!
ブアッ!!!
リリアンの体が紫色のモヤに包まれた!
一拍あとで、地下鉄で見せた、和装に洋式古式銃を携えた『ベットマン』のスーパー・ヴィランに姿を変えた。
「…クロロ。こいつは言っちゃいけないことを言った。ウチが叩き潰すから、下がってな」
底知れない怒りを孕んだ緑色の瞳で、クロロを見据える。
「お、おう…わ、わかった」
流石のクロロもリリアンの尋常じゃない眼圧に押され、2人から距離を取る。
「なんだよ。おばさんってのが図星だったからって、怒んなよ。皺が増えんぞ」
カルーアが、腰に手を当てて笑い声を上げる。
「ふん…ウチが潰すと言った以上、お前はこれ以上歳をとることはない。よかったな。この意味がわかるか?」
リリアンの銃口から赤黒いオーラが渦を巻き、膨らんでいく。
「ああん?わかんねーな。なぞなぞは苦手なんだよ」
カルーアが手のひらを胸の横でひらひらと持ち上げて笑う。
「あの世で復習しな」
ドンッ!!!!!
リリアンの洋式古式銃から、赤黒いオーラ弾炸裂した!!!
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