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十七話 人間は弱いって十回書いて覚えて‼
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〈ベリ視点〉
目を開けるとタクトくんが視界いっぱいに……
「う?」
「起きた?」
ふわふわと頭を撫でられる。
「調子はどう? 次は挿入するから。また腰をこっち向けてくれる?」
その一言で、さっきまでの出来事がフラッシュバックする。どっと汗が噴き出た。
「俺、気を失って……。どのくらい、寝てた?」
「三十分も寝てないかな? 俺は寝顔を眺めてました」
恥ずかしい。顔を背けるが、彼からはフレッシュなミントの香りがした。歯磨き粉のような……
「そ、そそそ挿入って」
「そうそう。お尻も良く解れただろうし? 挿れてくね?」
だるくて動かない身体を強引に抱き上げられる。
「ちょ、まだ。身体動かせな……え?」
何か首に違和感を覚え、手で触れてみる。感触からして革製品っぽい。
「え? なにこれ」
「えへへ。気づいてくれた? 首輪」
真顔になった。
「は?」
「俺の物って一目でわかるようにしとかないと。狼たちは臭いで理解してくれるけど、吸血鬼共は『名前書いてなかったじゃーん』とか平気で言ってくるから。よく争いになるんだ……まったく」
まったく、ではない。
「え?」
「名前とイった回数を後で彫ってあげるから。大事にしてね」
「え?」
あぐらをかいた彼の上に座らされる。向き合う体勢にされると、お尻にナニかが当たる。
「え?」
「動けないみたいだから、支えててあげる」
俺のお尻は、彼のブツの上に……
「ふぁ?」
まだ勃起していないようだが、どうなるかは予想できた。
「俺に抱きついてていいからね?」
「ま、まだ勃ってないよう、だけど……?」
「人間って、勃起してからねじ込むの?」
ああああ。そうだ。人間とは違うのだ。目の前にモッフモフの異形がいるというのに、どうしてこうすっこ抜けるのか。
「……お、俺はどうすれば……?」
「ンフッ。かわ。わざわざ聞いてくれるなんて嬉しい。交尾の際は夫を立ててくれるタイプなんだね」
タクトくんは日本語で喋っているはずなのに、脳が理解を拒む。
「贅沢は言わないけどぉ。出来れば次は、俺の顔を見ながら鳴いて、感じて、イってほしいな。俺もしっかり見ててあげる」
可愛くウインクしてくる。
羞恥で死んだら責任取ってくれるんだろうか。
「み、見ないで……」
「照れてるの? あ、お尻広げてくれる?」
強引に貫かれるならまだしも、自分の尻を両手で広げてしゃがめと言う。
「そんな……」
「頑張って。苦しそうだから、こっちも慰めてあげるね」
吐精した先端を軽く撫でられ、心地よい痺れがジワリと広がっていく。
「あっ」
「俺の顔見て? でないと今度から衣服は与えないよ?」
「……ッ」
奥歯を噛みしめ、ぎゅっと目を閉じる。
ゆっくりと目を開けて、タクトくんと目を合わせた。
澄んだ狼の瞳が俺を映す。首輪をしている俺を。
「……! やっぱ、恥ずかしいよ‼」
「照れてる顔が魅力的だからね。我慢してね」
衣服無しは辛い。ただの全裸ならともかく、首輪はつけたままとなるだろう。
「うう。もおぉ……。タクトくんのばか……」
(かわいい)
覚悟を決めて自ら尻を掴んで広げる。こんな姿を彼に披露している事実に、顔から火どころではなくマグマが出そうだった。
それでも退路の無い俺は、ゆるゆると腰を落としていく。
タクトくんは腰に手を添えてはいるが、力を込めてこない。あくまで俺に挿れさせるつもりなのだろう。じっとこちらを見てくる瞳に悪意も何も感じない分、より恥ずかしい。
「そ、そんな、見ないで。お願い……」
「嫁さん見ないで何を見るの? この状況で?」
「ッ……」
熱を帯びた先端部分が、後ろの穴に触れると身体が止まってしまう。
「怖くないよ。ゆっくり下の口で呑み込んでね」
「う、ん……」
目の前にある尖った乳首に心が疼いたのか、ぺろっと舐めてきた。
「ふあっ⁉」
両足から力が抜け、尻を落としてしまう。
と同時に腰を上げたタクトくんに真下から貫かれた。
「―――っうう」
舌とはまた違う圧迫感に、後ろにひっくり返りかけた。即座に、ふかふかの太い腕が支えてくる。
――入った。タクトくんの……ものが。俺に、入っ……
彼と繋がった事実に全身が震える。
自分でも尻から手を離し、抱き合うように彼の肩に掴まった。
大丈夫そう、と一瞬思ったが、ムクムクとタクトくんのナニが大きくなってくるのを感じる。
(な、ナカに入ってから大きく、なるなんてっ……)
ゴムが落ち、男性にしては長い髪をたまらず振り乱す。
「ううっ」
「暴れないで。フードが」
繋がったまま抱き寄せられてしまうと、もう動けない。
初めてが、人外だったなんて……。
俺の戸惑いなど知ったことかと、内側から押し広げられる。
「かっ、はあ……」
内臓が押し上げられる苦しさに、酸っぱいものが込み上げてきた。
「苦しい? 言ってね? 俺、加減とかまだ分かんないから、無茶しちゃうかも。壊したくない、からさ」
声が出ない場合はどうしたらよろしいでしょうか?
試すように、俺の顔色を見ながら腰を揺り動かしてくる。
「あっ。うご、か……な」
タクトくんのブツは最奥まで余裕で届いていた。容赦なく突き上げられ、二回目の兆し。湧き上がってくる快感に身悶えする。
「ベリちゃん。苦しそうな顔……してるけど。ナカは熱くて、俺のペニスに悦んでるように吸いついて……。淫らに蠢いてるよ?」
(実況しなくていいかな!)
頬を汗が伝う。
「すっごく気持ちいい。繋がれ、たね。ベリちゃん」
息苦しさと快楽に、震えが止まらない。唾液が顎に流れたことにも気づかなかった。
「はっ……あ」
「ありゃりゃ。目が虚ろ。すごくエッチ。あんまり煽らないでほしいな」
ぼうっと何も映さない瞳に、タクトくんの下半身が張り詰めてくる。
「しがみついてていいよ。顔見てろって言った手前、申し訳ないけど。俺の方が我慢できなくなってきた」
これ幸いにと広い背中に腕を回し、長い毛をぎゅっと掴む。
(ベリちゃん。寒さで震えているのか、気持ち良くて震えているのか。どっちなんだろ……)
逐一説明してほしいが、流石に今は喋れる状態でないと狼男でもわかる。彼女はいたが、タクトも男は初めてなのだ。
慎重に慎重に……
出来れば自分で腰を揺らしてほしいが、しがみつくのでやっとと主張してくる背中に目を落とす。
フードからこぼれるベリちゃんの色素の薄い髪。栗のようで美味しそう。でもこれは、幼少期の栄養不足のせいなのだとか。
(エサ捕るの苦手だったのかな? ……あーあ! 俺がもっと早く出会っていればな)
せっせとご飯を運んで、毛づくろいもしてあげたのに。
「ごめんね? 触るよ」
「あっ」
敏感な鈴口を指の腹で抉られ、脳天まで甘く痺れていく。
(タクトくん……? なんで、謝ったの?)
瞳と同じ色の鋭い爪があるのに、俺は全く傷ついていない。
思い出すのは赤いマニキュアの爪。丸っこい人間の爪はあれほど俺を傷つけたのに。鉄すらも両断しそうな爪を持つ彼の指は、器用に俺の先端を攻めてくる。
同時にゆるゆると真下から突き上げられ、苦しさを忘れた。
「は……う、うう」
彼の膝の上で。勝手に、腰が揺らめき出す。
「くっ、ああ……あ、ああ」
輪にした指で手早く扱かれ、快感を貪るように腰の動きが速くなっていく。
「あはっ。自分で振ってくれてる。可愛いなぁ」
「……っ」
無邪気な声が、火照る耳を掠めていく。
「あ、イく……。タクトくん……俺。イっちゃう……」
「はいはい。せっかくだし、一緒にイこうか」
タクトくんも大きく腰を動かしてくる。
「あ、あ……ッあ―――……」
快楽の奔流に、極まった声が出る。
彼のふかふかの毛に薄まった白い液を放ってしまう。
「ぐっ、うう、ぅ……!」
タクトくんの動きが止まり、内側に熱いものを注がれる。けっして子を孕んだりすることはないというのに。彼は恋人でも扱うかのように優しかった。
はらっと頭からフードが落ち、頭が真っ白になる。
「はあっ……はあ。あ、ああ……」
「気持ち良かったね。ベリちゃん大丈夫そう? 俺、もう一回イきたいんだけど。動かしてもいい?」
無邪気な笑みが悪魔に思えた。
「……し、ぬ」
「駄目ですか。はい」
両脇の下に手を入れ、俺の身体を持ち上げる。
「あっ、そんな……」
ずるずると繋がりが解かれる。まだまだ衰えていない彼のペニスに柔壁を擦られ、快感と不快感に眉根を寄せた。
ずりゅっと繋がりがなくなり、圧迫感が消える。
「うっ。そん、な」
「辛かった? 早く横にしてあげようと思って」
「もう……」
脱力している俺を寝台に寝かせた。身体の向きを変えると、後ろからどろっと液が溢れてくる。
「うわ。エロい」
「ばか……」
後ろの穴を覗き込んでくるタクトくんの頭上にチョップを落とす。
「ごめんごめん。ちゃんときれいにしておくから」
一瞬で眠りに落ちることができるほど頭はぼーっとしていたが、彼は遠慮なく俺の片足を持ち上げた。
「え? なに?」
「ん? きれいにしておくって言ったでしょ?」
だらりと舌を出して指差す。
待て! まて、待って‼
「な、舐めてきれいに、するの……?」
いま、二回もイった直後なのに……ナカを舐められたら――
足を掴んだまま、頭部を股にねじ込んでくる。ピンクの舌が精液で汚れた肌を抜くように舐め取っていく。
イく前以上の刺激に飛び跳ねかけた。
「ひゃあ! あ、あ、ああ」
イったばかりの性器を舐められ、顎を殴られたような衝撃が走る。
「あ、ああっ! や、そこ! ……っん、ぁ」
「可愛い声」
タクトくんが小さく笑っている。かわいいって、言うなって……ッ!
くすぐったさと快楽が混ざり合い、ぞわぞわと痺れる。
舌が乾いてくると口内に戻し、唾液を纏わせると再び舌で転がしてくる。
「いや! あっ、あ。ああ。ひっ、あ」
片足で蹴ろうとするが、すんなり掴まれた。ちょうどいいやとばかりに、大きく開かれる。
「やだ、そんな……」
「んー? 何が嫌なの?」
「ひゃあ、あ!」
腹部に力が入るたびに、注ぎ込まれた白濁液が溢れ出るのを感じる。なんだか粗相をしているようで、耳まで朱に染まる。
「きれいに掻き出してあげるからね」
「んっ、う」
白い液を垂れ流す穴に、再び舌が押し込まれる。ぐぷ、こぽ、っと泡が混じった水音に力なく首を振る。
「あ、あ、あ。駄目! イっちゃ……。ああ」
「ふふっ」
ビクビクと大きく震えたあたりから、よく覚えていない。
首輪に「十四」の数字が刻まれ、腹いせに十四回小突いておいた。
「ベリちゃんの精液はおいしいのに、自分のはまっずいわ。でも計十回以上もイってくれるなんて、嬉しいなぁ」
ほくほく顔のタクトくん。
絞り尽くされ、俺はもう何も出ない。
「……ばがあぁぁ」
タクトくんにはもっと「人間の弱さ」を教え込まないと駄目かも知れない。持たない、俺の身体が……腰も……
【おしまい】
目を開けるとタクトくんが視界いっぱいに……
「う?」
「起きた?」
ふわふわと頭を撫でられる。
「調子はどう? 次は挿入するから。また腰をこっち向けてくれる?」
その一言で、さっきまでの出来事がフラッシュバックする。どっと汗が噴き出た。
「俺、気を失って……。どのくらい、寝てた?」
「三十分も寝てないかな? 俺は寝顔を眺めてました」
恥ずかしい。顔を背けるが、彼からはフレッシュなミントの香りがした。歯磨き粉のような……
「そ、そそそ挿入って」
「そうそう。お尻も良く解れただろうし? 挿れてくね?」
だるくて動かない身体を強引に抱き上げられる。
「ちょ、まだ。身体動かせな……え?」
何か首に違和感を覚え、手で触れてみる。感触からして革製品っぽい。
「え? なにこれ」
「えへへ。気づいてくれた? 首輪」
真顔になった。
「は?」
「俺の物って一目でわかるようにしとかないと。狼たちは臭いで理解してくれるけど、吸血鬼共は『名前書いてなかったじゃーん』とか平気で言ってくるから。よく争いになるんだ……まったく」
まったく、ではない。
「え?」
「名前とイった回数を後で彫ってあげるから。大事にしてね」
「え?」
あぐらをかいた彼の上に座らされる。向き合う体勢にされると、お尻にナニかが当たる。
「え?」
「動けないみたいだから、支えててあげる」
俺のお尻は、彼のブツの上に……
「ふぁ?」
まだ勃起していないようだが、どうなるかは予想できた。
「俺に抱きついてていいからね?」
「ま、まだ勃ってないよう、だけど……?」
「人間って、勃起してからねじ込むの?」
ああああ。そうだ。人間とは違うのだ。目の前にモッフモフの異形がいるというのに、どうしてこうすっこ抜けるのか。
「……お、俺はどうすれば……?」
「ンフッ。かわ。わざわざ聞いてくれるなんて嬉しい。交尾の際は夫を立ててくれるタイプなんだね」
タクトくんは日本語で喋っているはずなのに、脳が理解を拒む。
「贅沢は言わないけどぉ。出来れば次は、俺の顔を見ながら鳴いて、感じて、イってほしいな。俺もしっかり見ててあげる」
可愛くウインクしてくる。
羞恥で死んだら責任取ってくれるんだろうか。
「み、見ないで……」
「照れてるの? あ、お尻広げてくれる?」
強引に貫かれるならまだしも、自分の尻を両手で広げてしゃがめと言う。
「そんな……」
「頑張って。苦しそうだから、こっちも慰めてあげるね」
吐精した先端を軽く撫でられ、心地よい痺れがジワリと広がっていく。
「あっ」
「俺の顔見て? でないと今度から衣服は与えないよ?」
「……ッ」
奥歯を噛みしめ、ぎゅっと目を閉じる。
ゆっくりと目を開けて、タクトくんと目を合わせた。
澄んだ狼の瞳が俺を映す。首輪をしている俺を。
「……! やっぱ、恥ずかしいよ‼」
「照れてる顔が魅力的だからね。我慢してね」
衣服無しは辛い。ただの全裸ならともかく、首輪はつけたままとなるだろう。
「うう。もおぉ……。タクトくんのばか……」
(かわいい)
覚悟を決めて自ら尻を掴んで広げる。こんな姿を彼に披露している事実に、顔から火どころではなくマグマが出そうだった。
それでも退路の無い俺は、ゆるゆると腰を落としていく。
タクトくんは腰に手を添えてはいるが、力を込めてこない。あくまで俺に挿れさせるつもりなのだろう。じっとこちらを見てくる瞳に悪意も何も感じない分、より恥ずかしい。
「そ、そんな、見ないで。お願い……」
「嫁さん見ないで何を見るの? この状況で?」
「ッ……」
熱を帯びた先端部分が、後ろの穴に触れると身体が止まってしまう。
「怖くないよ。ゆっくり下の口で呑み込んでね」
「う、ん……」
目の前にある尖った乳首に心が疼いたのか、ぺろっと舐めてきた。
「ふあっ⁉」
両足から力が抜け、尻を落としてしまう。
と同時に腰を上げたタクトくんに真下から貫かれた。
「―――っうう」
舌とはまた違う圧迫感に、後ろにひっくり返りかけた。即座に、ふかふかの太い腕が支えてくる。
――入った。タクトくんの……ものが。俺に、入っ……
彼と繋がった事実に全身が震える。
自分でも尻から手を離し、抱き合うように彼の肩に掴まった。
大丈夫そう、と一瞬思ったが、ムクムクとタクトくんのナニが大きくなってくるのを感じる。
(な、ナカに入ってから大きく、なるなんてっ……)
ゴムが落ち、男性にしては長い髪をたまらず振り乱す。
「ううっ」
「暴れないで。フードが」
繋がったまま抱き寄せられてしまうと、もう動けない。
初めてが、人外だったなんて……。
俺の戸惑いなど知ったことかと、内側から押し広げられる。
「かっ、はあ……」
内臓が押し上げられる苦しさに、酸っぱいものが込み上げてきた。
「苦しい? 言ってね? 俺、加減とかまだ分かんないから、無茶しちゃうかも。壊したくない、からさ」
声が出ない場合はどうしたらよろしいでしょうか?
試すように、俺の顔色を見ながら腰を揺り動かしてくる。
「あっ。うご、か……な」
タクトくんのブツは最奥まで余裕で届いていた。容赦なく突き上げられ、二回目の兆し。湧き上がってくる快感に身悶えする。
「ベリちゃん。苦しそうな顔……してるけど。ナカは熱くて、俺のペニスに悦んでるように吸いついて……。淫らに蠢いてるよ?」
(実況しなくていいかな!)
頬を汗が伝う。
「すっごく気持ちいい。繋がれ、たね。ベリちゃん」
息苦しさと快楽に、震えが止まらない。唾液が顎に流れたことにも気づかなかった。
「はっ……あ」
「ありゃりゃ。目が虚ろ。すごくエッチ。あんまり煽らないでほしいな」
ぼうっと何も映さない瞳に、タクトくんの下半身が張り詰めてくる。
「しがみついてていいよ。顔見てろって言った手前、申し訳ないけど。俺の方が我慢できなくなってきた」
これ幸いにと広い背中に腕を回し、長い毛をぎゅっと掴む。
(ベリちゃん。寒さで震えているのか、気持ち良くて震えているのか。どっちなんだろ……)
逐一説明してほしいが、流石に今は喋れる状態でないと狼男でもわかる。彼女はいたが、タクトも男は初めてなのだ。
慎重に慎重に……
出来れば自分で腰を揺らしてほしいが、しがみつくのでやっとと主張してくる背中に目を落とす。
フードからこぼれるベリちゃんの色素の薄い髪。栗のようで美味しそう。でもこれは、幼少期の栄養不足のせいなのだとか。
(エサ捕るの苦手だったのかな? ……あーあ! 俺がもっと早く出会っていればな)
せっせとご飯を運んで、毛づくろいもしてあげたのに。
「ごめんね? 触るよ」
「あっ」
敏感な鈴口を指の腹で抉られ、脳天まで甘く痺れていく。
(タクトくん……? なんで、謝ったの?)
瞳と同じ色の鋭い爪があるのに、俺は全く傷ついていない。
思い出すのは赤いマニキュアの爪。丸っこい人間の爪はあれほど俺を傷つけたのに。鉄すらも両断しそうな爪を持つ彼の指は、器用に俺の先端を攻めてくる。
同時にゆるゆると真下から突き上げられ、苦しさを忘れた。
「は……う、うう」
彼の膝の上で。勝手に、腰が揺らめき出す。
「くっ、ああ……あ、ああ」
輪にした指で手早く扱かれ、快感を貪るように腰の動きが速くなっていく。
「あはっ。自分で振ってくれてる。可愛いなぁ」
「……っ」
無邪気な声が、火照る耳を掠めていく。
「あ、イく……。タクトくん……俺。イっちゃう……」
「はいはい。せっかくだし、一緒にイこうか」
タクトくんも大きく腰を動かしてくる。
「あ、あ……ッあ―――……」
快楽の奔流に、極まった声が出る。
彼のふかふかの毛に薄まった白い液を放ってしまう。
「ぐっ、うう、ぅ……!」
タクトくんの動きが止まり、内側に熱いものを注がれる。けっして子を孕んだりすることはないというのに。彼は恋人でも扱うかのように優しかった。
はらっと頭からフードが落ち、頭が真っ白になる。
「はあっ……はあ。あ、ああ……」
「気持ち良かったね。ベリちゃん大丈夫そう? 俺、もう一回イきたいんだけど。動かしてもいい?」
無邪気な笑みが悪魔に思えた。
「……し、ぬ」
「駄目ですか。はい」
両脇の下に手を入れ、俺の身体を持ち上げる。
「あっ、そんな……」
ずるずると繋がりが解かれる。まだまだ衰えていない彼のペニスに柔壁を擦られ、快感と不快感に眉根を寄せた。
ずりゅっと繋がりがなくなり、圧迫感が消える。
「うっ。そん、な」
「辛かった? 早く横にしてあげようと思って」
「もう……」
脱力している俺を寝台に寝かせた。身体の向きを変えると、後ろからどろっと液が溢れてくる。
「うわ。エロい」
「ばか……」
後ろの穴を覗き込んでくるタクトくんの頭上にチョップを落とす。
「ごめんごめん。ちゃんときれいにしておくから」
一瞬で眠りに落ちることができるほど頭はぼーっとしていたが、彼は遠慮なく俺の片足を持ち上げた。
「え? なに?」
「ん? きれいにしておくって言ったでしょ?」
だらりと舌を出して指差す。
待て! まて、待って‼
「な、舐めてきれいに、するの……?」
いま、二回もイった直後なのに……ナカを舐められたら――
足を掴んだまま、頭部を股にねじ込んでくる。ピンクの舌が精液で汚れた肌を抜くように舐め取っていく。
イく前以上の刺激に飛び跳ねかけた。
「ひゃあ! あ、あ、ああ」
イったばかりの性器を舐められ、顎を殴られたような衝撃が走る。
「あ、ああっ! や、そこ! ……っん、ぁ」
「可愛い声」
タクトくんが小さく笑っている。かわいいって、言うなって……ッ!
くすぐったさと快楽が混ざり合い、ぞわぞわと痺れる。
舌が乾いてくると口内に戻し、唾液を纏わせると再び舌で転がしてくる。
「いや! あっ、あ。ああ。ひっ、あ」
片足で蹴ろうとするが、すんなり掴まれた。ちょうどいいやとばかりに、大きく開かれる。
「やだ、そんな……」
「んー? 何が嫌なの?」
「ひゃあ、あ!」
腹部に力が入るたびに、注ぎ込まれた白濁液が溢れ出るのを感じる。なんだか粗相をしているようで、耳まで朱に染まる。
「きれいに掻き出してあげるからね」
「んっ、う」
白い液を垂れ流す穴に、再び舌が押し込まれる。ぐぷ、こぽ、っと泡が混じった水音に力なく首を振る。
「あ、あ、あ。駄目! イっちゃ……。ああ」
「ふふっ」
ビクビクと大きく震えたあたりから、よく覚えていない。
首輪に「十四」の数字が刻まれ、腹いせに十四回小突いておいた。
「ベリちゃんの精液はおいしいのに、自分のはまっずいわ。でも計十回以上もイってくれるなんて、嬉しいなぁ」
ほくほく顔のタクトくん。
絞り尽くされ、俺はもう何も出ない。
「……ばがあぁぁ」
タクトくんにはもっと「人間の弱さ」を教え込まないと駄目かも知れない。持たない、俺の身体が……腰も……
【おしまい】
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