乙女な女王様

慧野翔

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女王様との思い出・3 ※

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「ほら、俺のことも気持ち良くしてよ。深海の手で」

 そう言いながら、優弥自身に自分のを押し付けるように千歳は腰を密着させる。
 そして、そこに添えられている優弥の手の上から一緒に揉むと、優弥が甘い声で喘ぐ。

「あっ、ん……高瀬の、熱っ……」
「深海のだって……熱いよ。それに、もう濡れてる」

 お互いのモノを重ね合わせることに、最初は恥ずかしがっていた優弥だったが、想像以上に気持ちよかったらしく自分で腰を動かしている。
 下は優弥に任せて、千歳は素直なご褒美とでもいうように、優弥の胸を可愛がることにした。

「ひゃぁ……あっ、んっ……」
「深海、手……お休みになってるよ」

 千歳が舌と指で左右の胸を弄ると、優弥は自分と千歳自身を握り締めたまま、快感を堪えていた。
 千歳の言葉にゆっくり手を動かそうとするが、すぐにまた止まってしまう。

「やぁ、高瀬っ……もう無理……」
「イきたい?」

 優弥は何度も頷く。

「じゃあ……」

 胸から唇を離して、手は自身を握り締めている優弥の手へ、唇は可愛く喘いでいる優弥の唇へと千歳はそれぞれ重ね合わせた。

「んんっ……ん……」

 優弥の手の上から一緒に絞り込むと、それに合わせて優弥は腰を揺らす。
 二人の溢れた雫で、そこはさっきよりも滑りがよく、湿った音を響かせている。

「んっ、高瀬……イイっ、もう」
「いいよ、一緒に……ね?」

 千歳が優弥の両手ごと激しく動かすと、もう何も出来ずに優弥は喘いでいる。

「あっ、ん……ん、あぅっ、ああーっ!」
「……っ……!」

 そして、千歳と優弥は同時に白濁したものを手の中に放っていた。

「はぁ……はぁ……」

 優弥はベッドに倒れ込み、荒い呼吸を繰り返している。
 千歳はそんな優弥の身体と、今自分達が放ったものを軽く綺麗にすると、優弥の服を直してやった。
 そして、枕の横へと手を伸ばし、外しておいた眼鏡をかけ直す。

「高瀬……?」

 いつもなら、これから脱がしていく制服を着させられた優弥が、不思議そうに千歳の名前を呼ぶ。

「今日は……ここまでにしよう」
「……なんだよ、それ?」

 千歳の言葉に優弥はゆっくりと上半身を起こし、聞き返してきた。

「いや、最近の俺達、頻繁にこうしてるでしょ。毎回、毎回最後までってのは……」
「……俺に飽きたのか?」

 予想もしていなかった言葉を優弥に言われて千歳は驚いた。

(俺が深海に飽きる?)

 逆ならともかく、そんなこと絶対にありえない。

「そうじゃなくて……」
「ヤりたくないなら、最初から言えばいいだろ! 悪かったな、無理に誘って」

 千歳の言葉を遮って、優弥がベッドから立ち上がり部屋から出て行こうとする。
 慌てて千歳は、優弥の腕を掴み引き止める。
 振りほどこうと、優弥が暴れたが千歳は離すつもりはなかった。

「離せよ! どうせ、嫌々相手してたんだろ、今まで……」
「だから違うって!」

 千歳が怒鳴ると、優弥はビクッと身体を震わせ抵抗をやめた。
 そして、小さく呟く。

「……馬鹿みたいだ。ずっと……お前も望んでくれてるって思ってたのに……」

 とりあえず、優弥が逃げないことを確認して、千歳は優弥の腕を離した。
 そして、誤解を解くための説明をしようと口を開く。

「違うんだよ。飽きたとか、嫌だとかじゃなくて……毎回、最後までやってたら深海の身体に負担かかるだろ?」

 千歳の説明を、優弥は俯いたまま黙って聞いている。

「俺だけの相手してるわけじゃないんだしさ」
「え……?」

 それまで黙っていた優弥が、驚いたような表情で千歳を見てきた。

(あれ? 他のセフレのこと、俺が知らないと思ってたのかな)

 そんな疑問を抱きつつ、千歳は言葉を続ける。

「俺だけでこのペースってことは、他のやつもいれたら深海、毎日……」

 言葉の途中で、大きな乾いた音と千歳の眼鏡が床へと落ちた音が、室内に響いた。
 千歳は一瞬、何が起こったのかわからなかったが、触れた自分の左頬が熱を持ち熱くなっていることで、自分が優弥に頬を叩かれたのだと気づく。

「深海……」

 顔をあげた千歳と目が合った優弥は、一言だけ言った。

「お前……最低っ!」

 それだけ言うと、優弥は保健室から逃げるように出て行ってしまった。

「深海っ!」

 伸ばした千歳の手が、優弥に届くことはなかった。
 すぐに追いかけたいのに、千歳は足がそこから動けずにいた。
 今の目の前の光景が、あまりにも衝撃的だったのだ。

『お前……最低っ!』

 そう言い放った優弥は、叩いた本人の方が辛そうな顔で………泣いていた。





     俺があの深海を……

     泣かせてしまったのか?




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