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~ 告白編 ~
雪乃の決断
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俺が恐る恐る目を開くと、複雑そうな表情の陽愛くんが俺の顔を覗きこんでいて困ったように言った。
「そんなに怯えないでよ」
いつもの穏やかな陽愛くんのその声に、俺は戸惑いを隠せなかった。
「……だって……殴られると思ったから……」
「えっ……?」
小さく呟いた俺の言葉に、陽愛くん本人が驚いた声をあげた。
すると、春樹がベッドに腰を下ろして俺の身体をギュッと抱き締めると陽愛くんに向かって注意する。
「山ちゃんが無駄に怒るからだよ!」
その春樹の言葉を援護するかのように涼介とオキも陽愛くんへと言葉をぶつける。
「いきなり部屋に乱入されてあんなことされたら、誰だって恐がるって」
「普段、滅多に怒らない人が怒ると、普通の人より威力あるって……あんた、いい加減自覚しなさいよ」
みんなから一斉に責められ、陽愛くんが居心地悪そうに頭を掻く。
そして、俺のそばへと腰をおろすと、同じ顔の高さで喋りだす。
「雪くん、恐がらせてごめんな」
言いながら優しく頬を撫でられて、俺が首を横へと振ると、それを見た陽愛くんが安心したように笑みを見せて言葉を続ける。
「確かに、雪くんの気持ちを考えたら冷静でいられないのはわかる。でも、あんな風に一方的に雪くんの口から『嫌い』って言われるのは……正直、辛いよ」
そう言って目を伏せた陽愛くんに俺は申し訳なさで胸が痛くなった。いくら勢いでとはいえ、やっぱりあれは言うべき言葉ではなかった。
「……それに関しては、俺もごめん。完全な八つ当たりだった……それに、あんなみっともない姿も見られちゃうし……みんな、俺のこと嫌いになったでしょ?」
そうみんなに問いかけながら、俺の目からはまた涙が勝手に溢れてくる。
いい歳した男が泣いてばっかりで……みんなもきっと呆れているはずだ。
すると、みんなからは意外な答えが返ってくる。
「何で、僕達が雪くんを嫌いになるんだ?」
「あの状況なら、八つ当たりしたくなる雪乃くんの気持ちもわかるし……」
「雪ちゃん、全然みっともなくないじゃん! 一人エッチしてる可愛い雪ちゃん、俺だってもっと近くで見たかったよ」
「そうですね。俺達が雪ちゃんを嫌いになる要素が全くないですけど」
……嘘。今のって俺の聞き間違いじゃないよね?
散々、告白の返事を誤魔化して先延ばしにして、何日も無視したあげくに、恥ずかしい姿見られて勝手に拗ねて引きこもって、八つ当たりでひどいこと言うような俺のことを、まだ、みんな好きでいてくれるの?
「……さっき、みんなにあんな所見られて、すっごく恥ずかしくて、ついひどいこと言っちゃったけど……みんなが怒ってる、もう嫌われたって思ったら恐くて鍵開けられなかった……」
ポツポツと話し始めた俺の言葉をみんなは黙って聞いていてくれて、陽愛くんは怒ってないよ、と俺を安心させるために優しく頭を撫でてくれる。
「俺、みんなから告白されたのに、今までずっと答えを出すのが恐くて……卑怯だったと思う。でも、みんなが俺のために犯人を捕まえようとしてくれたのもすごく嬉しかったし、かっこよかった」
自分で話していても、あまり要点がはっきりしていないとわかっていたが、それでも俺は自分の気持ちをみんなに伝えようと必死に言葉を探す。
「だからこそ、俺は四人とも大好きで……誰か一人なんて選べなくて……」
「ちょっと待った!」
俺の言葉を涼介が勢いよく遮ったので、俺が涼介へと顔を向けると、驚いたような表情で涼介が遠慮気味に聞いてきた。
「雪乃くん、今……四人とも大好きって……それって……?」
涼介の問いは、みんなも知りたいことなのだろう。
期待と不安が混じったような表情でみんなに見つめられ、俺は覚悟を決めて想いを伝える。
「みんなと同じ『好き』だよ。ごめん、嫌いなんて嘘……本当は、誰一人失いたくないくらい四人のことが俺は好き」
そう言った途端に、いきなり四人に飛びつかれて、みんなで揉みくちゃになってベッドへと倒れこんだ。
「雪ちゃん、俺も大好きだよ!」
「雪ちゃん……俺、すっげぇ嬉しい」
よほど嬉しかったのか、二人して涙ぐみながら幸せそうに俺に擦り寄る春樹と涼介の頭を撫でながら俺は謝る。
「今まで言えなくて、ごめん」
それからオキと陽愛くんの顔を見つめながら俺の気持ちを伝えた。
「俺が答えを出してしまったら、五人で一緒にいられないんじゃないかって思って、恐くて受け止められなかった……でも、選ばなくていいんでしょ?」
「当たり前じゃないですか」
オキが笑って答えてくれる。
「俺は四人とも好きでいていいんだよね?」
しつこく確認すると、陽愛くんもいつもの大好きな笑顔を見せてくれた。
「その代わり、僕達四人分の愛情を受け止めなきゃいけないんだから、雪くんも覚悟しとけよ~」
「そんなの、とっくに覚悟出来てるよ」
俺が笑いながら返事を返すと、みんながじゃれ合うかのように順番にキスをしてきた。
何度も繰り返されると、四人を相手にする俺は休む暇が全くないけれど、その苦しさもみんなに愛されている証だから今は心地よい。
「実を言うとね……さっきも、みんなにされた時のことを思い出して我慢出来なかったの」
幸せ過ぎて余計なことまで説明してしまうと、いきなり涼介に身体を抱きかかえられた。
「うわっ!」
突然のことに俺が驚いた声をあげると、涼介がボソッと呟いた。
「そんなこと言われたら……我慢出来るわけないだろ」
「へ……?」
少し耳が赤くなっている涼介をのん気に可愛いな~、なんて思って見ていると他のみんなもベッドから立ち上がる。
「それじゃ、広い下に移動するか~」
「一週間ぶりに、俺頑張っちゃうからね♪」
「ちょっとの間に、ずいぶんと雪ちゃんの色気が増しましたね」
え……? えっ……?
いきなり張り切りだす四人に俺が戸惑っていると、涼介が男らしく言った。
「好きって言わせまくるから……覚悟してよ」
そんなカッコイイこと言われたら、余計好きになっちゃうじゃないか……。
どうやら俺達の愛の確認の時間はこれから始まるようだった。
「そんなに怯えないでよ」
いつもの穏やかな陽愛くんのその声に、俺は戸惑いを隠せなかった。
「……だって……殴られると思ったから……」
「えっ……?」
小さく呟いた俺の言葉に、陽愛くん本人が驚いた声をあげた。
すると、春樹がベッドに腰を下ろして俺の身体をギュッと抱き締めると陽愛くんに向かって注意する。
「山ちゃんが無駄に怒るからだよ!」
その春樹の言葉を援護するかのように涼介とオキも陽愛くんへと言葉をぶつける。
「いきなり部屋に乱入されてあんなことされたら、誰だって恐がるって」
「普段、滅多に怒らない人が怒ると、普通の人より威力あるって……あんた、いい加減自覚しなさいよ」
みんなから一斉に責められ、陽愛くんが居心地悪そうに頭を掻く。
そして、俺のそばへと腰をおろすと、同じ顔の高さで喋りだす。
「雪くん、恐がらせてごめんな」
言いながら優しく頬を撫でられて、俺が首を横へと振ると、それを見た陽愛くんが安心したように笑みを見せて言葉を続ける。
「確かに、雪くんの気持ちを考えたら冷静でいられないのはわかる。でも、あんな風に一方的に雪くんの口から『嫌い』って言われるのは……正直、辛いよ」
そう言って目を伏せた陽愛くんに俺は申し訳なさで胸が痛くなった。いくら勢いでとはいえ、やっぱりあれは言うべき言葉ではなかった。
「……それに関しては、俺もごめん。完全な八つ当たりだった……それに、あんなみっともない姿も見られちゃうし……みんな、俺のこと嫌いになったでしょ?」
そうみんなに問いかけながら、俺の目からはまた涙が勝手に溢れてくる。
いい歳した男が泣いてばっかりで……みんなもきっと呆れているはずだ。
すると、みんなからは意外な答えが返ってくる。
「何で、僕達が雪くんを嫌いになるんだ?」
「あの状況なら、八つ当たりしたくなる雪乃くんの気持ちもわかるし……」
「雪ちゃん、全然みっともなくないじゃん! 一人エッチしてる可愛い雪ちゃん、俺だってもっと近くで見たかったよ」
「そうですね。俺達が雪ちゃんを嫌いになる要素が全くないですけど」
……嘘。今のって俺の聞き間違いじゃないよね?
散々、告白の返事を誤魔化して先延ばしにして、何日も無視したあげくに、恥ずかしい姿見られて勝手に拗ねて引きこもって、八つ当たりでひどいこと言うような俺のことを、まだ、みんな好きでいてくれるの?
「……さっき、みんなにあんな所見られて、すっごく恥ずかしくて、ついひどいこと言っちゃったけど……みんなが怒ってる、もう嫌われたって思ったら恐くて鍵開けられなかった……」
ポツポツと話し始めた俺の言葉をみんなは黙って聞いていてくれて、陽愛くんは怒ってないよ、と俺を安心させるために優しく頭を撫でてくれる。
「俺、みんなから告白されたのに、今までずっと答えを出すのが恐くて……卑怯だったと思う。でも、みんなが俺のために犯人を捕まえようとしてくれたのもすごく嬉しかったし、かっこよかった」
自分で話していても、あまり要点がはっきりしていないとわかっていたが、それでも俺は自分の気持ちをみんなに伝えようと必死に言葉を探す。
「だからこそ、俺は四人とも大好きで……誰か一人なんて選べなくて……」
「ちょっと待った!」
俺の言葉を涼介が勢いよく遮ったので、俺が涼介へと顔を向けると、驚いたような表情で涼介が遠慮気味に聞いてきた。
「雪乃くん、今……四人とも大好きって……それって……?」
涼介の問いは、みんなも知りたいことなのだろう。
期待と不安が混じったような表情でみんなに見つめられ、俺は覚悟を決めて想いを伝える。
「みんなと同じ『好き』だよ。ごめん、嫌いなんて嘘……本当は、誰一人失いたくないくらい四人のことが俺は好き」
そう言った途端に、いきなり四人に飛びつかれて、みんなで揉みくちゃになってベッドへと倒れこんだ。
「雪ちゃん、俺も大好きだよ!」
「雪ちゃん……俺、すっげぇ嬉しい」
よほど嬉しかったのか、二人して涙ぐみながら幸せそうに俺に擦り寄る春樹と涼介の頭を撫でながら俺は謝る。
「今まで言えなくて、ごめん」
それからオキと陽愛くんの顔を見つめながら俺の気持ちを伝えた。
「俺が答えを出してしまったら、五人で一緒にいられないんじゃないかって思って、恐くて受け止められなかった……でも、選ばなくていいんでしょ?」
「当たり前じゃないですか」
オキが笑って答えてくれる。
「俺は四人とも好きでいていいんだよね?」
しつこく確認すると、陽愛くんもいつもの大好きな笑顔を見せてくれた。
「その代わり、僕達四人分の愛情を受け止めなきゃいけないんだから、雪くんも覚悟しとけよ~」
「そんなの、とっくに覚悟出来てるよ」
俺が笑いながら返事を返すと、みんながじゃれ合うかのように順番にキスをしてきた。
何度も繰り返されると、四人を相手にする俺は休む暇が全くないけれど、その苦しさもみんなに愛されている証だから今は心地よい。
「実を言うとね……さっきも、みんなにされた時のことを思い出して我慢出来なかったの」
幸せ過ぎて余計なことまで説明してしまうと、いきなり涼介に身体を抱きかかえられた。
「うわっ!」
突然のことに俺が驚いた声をあげると、涼介がボソッと呟いた。
「そんなこと言われたら……我慢出来るわけないだろ」
「へ……?」
少し耳が赤くなっている涼介をのん気に可愛いな~、なんて思って見ていると他のみんなもベッドから立ち上がる。
「それじゃ、広い下に移動するか~」
「一週間ぶりに、俺頑張っちゃうからね♪」
「ちょっとの間に、ずいぶんと雪ちゃんの色気が増しましたね」
え……? えっ……?
いきなり張り切りだす四人に俺が戸惑っていると、涼介が男らしく言った。
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