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「ただいまぁ~」

そして、小人達が帰ってきました。

全員真っ黒な姿で部屋に入ってきた小人たちに白雪姫は外に出るように言いました。
せっかく掃除した部屋をもう一度汚されたらたまったもんじゃないですよね。外にお風呂があるので、そこで汚れを落とすように言います。その勢いは凄まじく、小人たちが白雪姫の髪に突っ込む暇なんてありませんでした。

お風呂に入り汚れを落とし一息ついた小人たちを待っていたのはいい匂いのするご飯でした。

トマトのスープに焼いたチキン。焼きたてのふわふわのパン。

グゥ~。と小人たちのお腹からいい音が聞こえてきます。

「召し上がれ!」

その一言で小人たちはいっせいに食卓に向かい、ご飯をかきこみました。
あっという間にお皿は空っぽ。小人たちの満足そうな声が聞こえます。

「それで、スノウその髪どうしたの?」

ほっと一息ついた小人が聞きました。
その問いに白雪姫はどう話そうか悩みます。正直に狩人が来たと言っていいんでしょうか?お后様に殺されそうだと言っていいんでしょうか?
白雪姫は小人たちに心配をかけたくなかったのです。

悩んだ結果、掃除をしていたら髪を引っ掛けてしまいやむなく切ったと説明しました。

小人は腑に落ちない表情になりましたが、その説明に納得しました。
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