転生勇者の成れの果てー圧倒的力を持つ転生勇者とそれを見守る人たちの話ー

リン

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第1話 輪廻から外れた転生

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ーー暗い、暗い水底のような場所で意識を取り戻した俺は、自分がたった今、次の世界に向けて、転生している真っ最中であることを理解していた。

では……どうか良縁に恵まれますように。

そう思って、前の世界での最期ーー自らに対して転生の術を仕掛け、それを上手く発動させることが出来たのは……やはりで得た力、特に勇者としての力などの積み重ねが大きく関わっているだろう。


「(そもそも、何度も何度も……死んだらまた次の世界で勇者として召喚されるのがおかしいんだよ!なんだよ!いっつもいっつも、『勇者さま!勇者さま!』って……。最初の世界で勇者として生き初めてから、ホント……碌な死に方してねーよ。
頑張って魔王退けたと思ったら、倒しきれなかったこと国王に怒られるし……かと思えば、俺の手柄だけ横取りして国王がイキリ出して、終いには俺を簡単に毒殺しようとしてくるし、なんか途中でアホらしくなってそれで死んだらーーまさかの次の世界でまた勇者としてニューゲームだよ。やってられるか!こんな製作者不明のとんでもない人生ハードモードのバッドエンドゲーなんて!)」


っと、ここまで思わず愚痴ってしまったが……このクソみたいなマゾゲーでも、唯一とも言える明確な俺へのメリットは微量ながらも存在する。

それはーー前世からの記憶とそれまで得た特殊能力や身体的機能の数々を継承し続けることである。無限にも思える輪廻の転生、唯一と言っていい程のメリットはその能力引継ぎに関しての一点のみである。

もうそれがなかったら、ホントに俺は絶望に打ちひしがれていたかもしれない。(まあ前世の記憶がなければ、今世の始まりから絶望することもないんだけど……。)


とまあ、ここまで長く愚痴ってしまったが、俺は何を言いたいのかと言うと……次の世界では、絶対に勇者にならないってことだ。そのために色々準備して、勇者として召喚される輪廻の輪からの脱出を自身の転生の術によって阻止したのだから。

だから、今度こそはと思うのだ。今度こそ、勇者に関わる一切合切の悪縁を断ち切って、俺が思う理想の生活くらしを手にするのだ!そしてあわよくば、好きな女の一人でも捕まえてみせると……そう意気込んで、視界が溶けるようにして再び暗転していく。

次に目が覚めた時は、きっと次の世界に転生しているだろう。そう思った俺は、沈み行く思考に身を任せた。次の世界での生活が、これまで同様不幸続きにならないようにとそれだけを祈って……。
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