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番外 ※ 時間軸はランダムです。結婚後の話もあります。

イオリ、がんばる 4―1 ※

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※本編完結直後くらいの話です。




今、イルファンの膝の上で、まったり水分補給中です。風呂上がりの果実水は美味しいし、イルファンの膝抱っこは安心と心地よさが堪らない。

・・・そんな、躰はこれ以上ないリラックス状態なのに、いや、リラックス状態だから、かもしれないけど・・・俺、その・・っと、あの、~~~っっ・・・すっごく、イルファンが、欲しくて。
その、抱っこも良いし、髪にキスしてくれるのも、すっごく嬉しいんだけど・・・えっち、したい・・・ん、だ。
むらむらする、とかじゃなくて、その、ぎゅって抱き合って、肌を合わせて隙間無く・・くっつきたい。イルファンを、いっぱい感じたい・・んだ。

でも、そんな時にイルファンものんびりモードで、俺をゆったりと抱き締めて同じように果実水のグラスを傾けている。

いつも俺がしたくなる前に、あっとえっと・・あれだ、イルファンがその、キスして優しく触れて、えっちに・・えろえろに触り始めて。あれよあれよと云う間に、そういう展開になっちゃってるから、俺は自分がしたくて・・・そわそわした事って無かったんだ。

・・・これ、もしかして欲求不満とか云う・・・?!
んん、そんなわけない。だって、欲求以上にいつもいっぱいシテ・・くれてるし、気持ち善すぎて意識が飛んじゃうくらい・・・満たされまくってる、うん。

昨夜はいっぱいキスして、ぎゅって抱っこして一緒に寝たし、朝もいっぱいキスして・・・ぅぅっ・・ちゅうも今いっぱいしたい・・・っ・・でも、それじゃ足りない・・もっと。

~~っっ・・なにこれなにこれっ・・・俺、どうしちゃたんだろう・・・
緩く羽織ったバスローブから覗く、胸筋の逞しい肌に頬を付けているだけで、どきどきしてオカシクなりそう・・・えっちしたいって、一人で欲情しているのが恥ずかしくて、キスしたいのに顔を上げられないし。

自分で、言っちゃう・・・?“えっちしたい”って・・・言う・・い、言え・・ない・・・だって、恥ずかしい・・・で・・なんか怖い。イルファンに“はしたない”とか“いやらしい”って思われたら・・・やだ。

う~・・・ん、甘えてみよう。
いつも、そんなつもりじゃなくても、甘えてるとイルファンが可愛くて我慢出来ないって、したいってそういう展開になるもん。

俺は、イルファンの胸元に額をぐりぐりってしてみる。両腕でぎゅって抱き付いて、肩にぺたりと頭をくっつけてイルファンの香りを堪能(ヘンタイじゃないから・・・!)したり。覗いている素肌の胸元が、広い胸板が格好良くてセクシーで、唇をくっつけてみたいけど・・・まだ、ちょっとハードル高くて頬をくっつけるので精一杯だ。

俺の精一杯のアピール(?)に、グラスから手を離したイルファンの掌が、ゆっくり・・・俺の頭にポンって乗って、さらさらと洗い立ての髪をといて優しく撫でてくれる。

「どうした?疲れたのか・・・いや、朝の挨拶を交わしてから共に居られず、1日離れていたのが・・・寂しかった、か?」

「ん・・・え?あ・・・あ、そっか・・」

・・・そっか、俺、イルファンと離れていて寂しかったのか。だから、ぴったりくっつきたくて、彼をいっぱい感じたいって・・・

・・・うわっぁぁぁ~・・!!恥ずかしい・・!
俺、寂しいのとセックスえっちしたいのを混同してたって事?!
やだやだ、うそっ・・・ん・・?でも、寂しいのも、えっちしたいのも・・・当たり、だ。
だって、くっついていても足りなくて、もっと欲しくて・・・心も躰も、じくじく疼くから。

そんなイルファンが欲しくて、どうしようもない俺に、優しく触れる彼が切なそうで、どこか嬉しそうに頬を寄せる。
それから、“そうか・・・寂しい想いをさせたな、すまない”って、ぎゅうって抱き締めて耳元に大好きなテノールが、甘く優しく囁く。

「寂しい想いをさせたが・・・イオリが甘えて私を求めてくれるのが、可愛らしくて私はどうしようもなく歓喜し・・・愛らしく甘いイオリを、抱きたくて堪らぬのだ。・・・私は、後どれくらいの忍耐が必要だろうか。イオリの気持ちが満ちて寂しさが癒えるまで、こうしていたいのだ。しかし・・・」

「・・・っっ!・・」

だっ・・抱きたいって・・・ちゃんと、ユウワク出来てたって事?・・・でも、俺が甘えたそうだからって、我慢・・してるって事?

・・・なんだよぅ・・っ・・我慢なんてしなくていいのに。寂しかった気持ちごと、全部イルファンでいっぱいにして欲しいのに。


「あの様に可愛らしく甘えられ、色の香り立つ貌と躰を無防備に預けられては・・・すまぬ、もう待ってやれそうにない・・っ」

あって思った時には、くるりと躰を反転させられてソファーに押し倒されていた。咄嗟にイルファンの貌を見上げれば、目の前には大好きな翠色とブラウンゴールドがさらりと揺れる。
待ち焦がれた唇は、ちゅっちゅって可愛いキスが繰り返されて、“もっと”って俺の唇が開いた途端、ちゅうって舌を吸い上げられて熱い口内に絡め取られて、背をぞくぞくって快感が走る。
すごく気持ちが善くて、俺もイルファンの舌に夢中で吸い付いてて・・・とっくに焦れた躰が彼を求めて、どんどん熱を上げていく。

ーー気持ちいい・・っ・・んんっ・・もっと・・っ・・ーー

俺が、もっと欲しいってぎゅうって抱き付くと、深いキスと狂おしく抱き締めてくれる腕をそっと解いて、翠色の瞳を苦しげに細めたイルファンが俺を見つめる。

「イオリ、私もイオリの傍に居られず、長い時間その姿をこの目に映す事も出来ず・・・空虚で耐えがたかった。それでも務めを果たせるのは、イオリをこうしてこの腕の中に、抱き締められるからこそだ。その漆黒の瞳が私を映して、こうして可愛らしく私を求めてくれるだけで僥倖であるのに・・・それだけでは、満たされぬ程に貪欲な私を赦せ・・・」

そんな・・・の、嬉しいだけなのに。俺だって、ぎゅってするだけじゃ足りないよ?・・・好きで、大好きで・・・アイシテルんだもんっ・・離れたくないのも、心も躰も欲しいのも、当たり前なのに。

俺は、イルファンの頬と頭に腕を伸ばしてぎゅっと抱き締めると、耳元に唇を寄せてちゃんと伝えると決める。

「俺っ・・俺も、イルファンが居なくて寂しくて。くっついてて、しあわせだけど・・足りない、から。いっぱいキス、したいし・・っ、イルファンが、いっぱい・・欲しい・・えっちしたい・・っ・・して・・?」

「っ・・!!・・ああ、イオリ・・“いっぱい”だな・・イオリの希むままに」

一度、離れてしまった唇と腕が戻ってきて、また優しく俺に触れてくれる。
顔中に降る優しいキスに、優しいのに・・触れられると背がぞくぞくする掌に躰を撫でられて、肌が粟立つ。




ちゅぷんって濡れた音をたてて唇が離れる。
さっきから、唇が離れる度に俺が“もっと”って唇を追うから、ずっとキスして抱き合って。
こんなに長くキスしたの・・・初めて、かも。

さっきまで、あんなに、えっちしたかったのに。今はぎゅぅって抱き合ってキスをするのが、すごく気持ち良くて止めたくなくて。
・・・その、したいのはそのままなんだけど、キスもしていたいんだ・・・どうしようっ・・?


俺がどうしようもない欲求に、キスの気持ち良さにぼやける目でイルファンを見つめると、俺のイルファンすぱだりは目尻にキスを落としてふわりと笑って・・・ぐっと腰を抱き寄せた。

「ふぁ・・っん・・」

「・・・これ以上イオリの唇が愛らしく紅く色付けば、私は一時も離してやれなくなるな。それに口付けはもとより・・私はイオリに深く沈んでしまいたいのだが・・・」

“ダメだろうか・・?”って、少し首をコテンってして深くなった翠色の瞳で切なげに見たら、もう・・っ。
あざと可愛いっ・・翠色の瞳も・・美貌が可愛くて、大好きなイルファンに求められたら、答えなんて決まってるよ。



「うん・・・俺も、したい。深く、奥まで・・いっぱい、イルファンと、くっつきたい」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まだまだ、続きます。次はR注意です(^_^;)


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