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宣言と祭り(フィエスタ)
ヤクロウさんの告白にびっくりです
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ヤクロウさんはバツ悪そうにハルさんを見つめます。圧倒的にハルさんが、正しいですよ。でも、ここまで言葉を濁すヤクロウさんにも何かあるのでしょうか? ここに来た時点で覚悟は出来ていると思ったのですが⋯⋯。ここに来てまで言い辛い何か、心の中に鎮座する重石みたいな物でもあるのでしょうか。
何度か言い淀み、ヤクロウさんは重い口を開きます。
「⋯⋯何から話せばいいのか⋯⋯」
言い淀む言葉は、言ったそばから客間に吸い込まれてしまいます。ハルさんは、黙ってその様子を見つめていましたが、そっと助け船を出されました。
「それじゃあまず、どうしてあんたの家がバレなかったのか? 住人達があんたを匿う理由が、知りたいわね。あれだけの人間が居て、誰も言わないって相当な事よ」
「そうか⋯⋯。なんでバレなかったのか。それは、みんながオレなんかをかばってくれた。そして、隠したかったって所かな」
「なるほど。話の筋は通るわね」
「向こうに家族や友人を残しているやつがいる。大切な人を裏通りに呼びたいと思っているやつも多い。オレが向こうに戻っちまったら、伝手がなくなっちまうからな」
心無し、ヤクロウさんは安堵した表情を見せているように感じます。逆にハルさんの表情は険しくなって、逡巡する姿を見せました。ヤクロウさんの言葉に何か引っ掛かる言葉でもあったのでしょうか? おかしな所は無いように感じるのですが⋯⋯。
「手引きをしてくれたから、隠したかった⋯⋯。あんたに恩を感じたから? でも、待って。あの人数をあんたがひとりで手引きしたわけじゃないよね? そうだとしたら、あんたがひとり戻ったとしても、今度は別の人間が、手引きをすればいいだけじゃないの? どうして出来ないの? なんであんたじゃないといけないの?」
ヤクロウさんピクリとも表情を動かさず、黙ってハルさんの言葉を聞いていました。ハルさんは、ヤクロウさんの言葉に引っ掛かりを覚えていたのですね。言われてみれば確かに、あの人数をひとりで⋯⋯って考えると無理はありますよね。なるほど。
ヤクロウさんの表情は固く、何か思い詰めている様にも見えます。なかなか次の言葉が出て来ないのか、何度か口を開こうとしては躊躇を見せました。
ハルさんは静かに待っています。ヤクロウさんの重い口が開くのを、ただ待っていました。
「⋯⋯オレは、オーカで地位の高いヤツらのすぐ側に居た。それが意味する所は分かるだろう? オレもある程度の地位と権力を持っていた。その影響力は、今でもある程度は使える。そいつを使って、オレはオーカから裏通りに移住を進めているんだ。そいつがカラクリだ。だから、あそこの連中に取っては、オレはまだ『地位の高い人』って認識なんだよ。だから、みんが必死に守り、隠してくれる。蓋を開けちまえば何て事無い話だ」
え?
ええ??
ええええええっー!!!
何て事ある話ですよ!
ヤクロウさんが国の偉い人?? え? どういう事ですか?? 薬剤師で⋯⋯ええー!!??
私がびっくりし過ぎている横で、ハルさんはすこぶる冷静です。
な、な、何故そんなに冷静なのですか?
ハルさんはまた逡巡の素振りを見せます。私はもう話を聞いているだけで、頭がパンパンなのですけど。
「エレナ、随分とびっくりしているわね」
「は⋯⋯い⋯⋯びっくりです」
ハルさんは、私のびっくりに苦笑いを浮かべ、ヤクロウさんに続けます。
「ヤクロウ・アキ。地位が高かったのに何でオーカを捨てたの? 不自由な裏通りにあんたが移住する理由が分からない。移住させるだけなら、オーカから秘密裡に動けばいいだけの話。まだ、何かあるのでしょう? オーカのヤツらは、あんたを返せと言っている。あんたに命を狙われている危機感は感じられない。ヤツらに取って、あんたは必要な人材。ヤツらが、そこまであんたに固執する理由は何なの?」
ハルさんの鋭い質問に、ヤクロウさんは諦めの深い溜め息をつきながら答えます。
「まったく⋯⋯これだから優秀なやつは⋯⋯。あんたの言う通りだ。ヤツらにオレは必要だ。だが、何故必要かまでは聞かないでくれ。頼む。オーカに居ながら、移住を進める事も出来なくはない。自分で言うのも何だが、それなりの権力ってやつを持っていたからな。でも、オレがイヤだったんだ。そこから出たかったんだよ。これは本当だ。本当にそれだけなんだよ」
「分かったわ。その言えない何かをヤツらが必要としているのね。取り調べでは無いし、この辺にしておくわ」
「ああ、助かるよ」
ハルさんに言及されなくて、ヤクロウさんはホッとしていました。とても言い辛い事だと分かっただけです。私的に気にはなりますが、ハルさんにさえ言えない事を私に話す事は無いですよね。一体ヤクロウさんの何を必要とされているのでしょう?
「少し話題を変えましょう。どうして裕福な国から、何も無い裏通りに移住する人が後を絶たないのか教えて欲しいわ」
「そうだよな」
ヤクロウさんは肩を落とし、一瞬遠くを見つめました。故郷を憂う悲しい瞳。そんな印象を受けます。
ヤクロウさんは、ハルさんに向き直し続けました。
「あんたの言った通り、オーカは裕福な国だ。富が集中してしまっている話はしたが、どこの国だって大なり小なり富の集中ってのはあるものだ。ただ、オーカという国は極端というか歪んでいる。地位の高いヤツらに、もちろん金は流れている。莫大な金額がな。でも、それをした所で、国の金が無くなるわけではない。並みかそれよりちょっと贅沢な生活を送るくらい、オーカではわけないんだ」
「うん? それじゃあ移住なんてする意味が益々無いじゃない」
確かに。ハルさんの言う通り、何も無い裏通りに住む意味が分かりませんね。
「そうだ。並みの生活を送れるヤツらは移住なんかしない。そんな生活を送りたくとも送れない連中が移住するんだ。どう頑張っても、足掻いてもその生活にたどり着けない人間が一定数存在するんだよ」
「どういう事? どう頑張っても普通の生活が送れない??」
「そうだ、どう頑張ってもだ。もし、あんたならどうする?」
「それは⋯⋯そこから抜け出したくなるわよね」
「だろう。だから出る。それだけの話だ」
「でも、だとしたらさ、自力でそこから抜け出ればいいだけの話じゃないの? なんであんたが地位を使ってまで手助けしなくちゃならないの??」
ヤクロウさんの弱い笑み共に零した言葉。その言葉が腑に落ちないのか、ハルさんは厳しい表情で逡巡していました。
ヤクロウさんは逡巡するハルさんを見つめます。その瞳は悲しさ、寂しさを映していました。重い唇を開くヤクロウさんから、後悔や懺悔や不安、そしてそれと同時に淡い希望を感じます。今までひとりで背負っていた物を、少しだけ下ろしたのかも知れませんね。
「その一定数の人間には自由が無い。自由だけじゃない、普通に働きたくとも働けない。動きたくとも動けない。希望もない。絶望もない。何もないし、何も知らないんだよ」
「どういう事? 何もない? 知らない? そんな事あるの??」
ハルさんは予想外の答えだったのか、深い困惑を見せます。ヤクロウさんの言葉を飲み込む事が出来ず、ただただ表情を曇らせていらっしゃいました。
私には分かります。
何もない。何も知らない。だから、何も出来ない。しない。ただただ、何も感じない日々が過ぎて行く⋯⋯。
ハルさんと出会う前の私の事です。住人の方々の気持ちは、痛いほど分かりますよ。
「それ、分かります。何もなく、ただ生きているだけ。希望を知らないから、絶望も知らない。何も知らないから、知る術すら知らない⋯⋯」
ポツリと漏れてしまった言葉に、おふたりとも少し驚いた顔をこちらに向けていました。
私は何だかバツが悪くて、椅子の上で小さくなって行きます。
「す、すいません」
私が頭を下げると、コツっとハルさんが肩を優しく小突いて来ました。私の言葉でヤクロウさんの言葉を理解出来たのか、悩む姿は消えています。でも、今度はこの様子にヤクロウさんが更に驚いた顔を見せていました。そんなに驚かなくともいいと思うのですが。
「お嬢は昔そんな生活を送っていたのか?」
「昔じゃないですよ。つい最近の話です。私はハルさん達と出会えて、今ここに居られるのです。私はラッキーでした。住人の方々もヤクロウさんに出会えて、ラッキーだと思っていますよ」
「私は何もしてないわ。あいつ、あいつのせいよ。本当に後先考えずに動くんだもの⋯⋯でもまぁ、エレナと出会えたのは私達もラッキーね」
いやぁ~そんな風に言って貰えるなんて、頬がポッポとして熱いです。なんだか気恥ずかしくてハルさんを見られません。嬉しい言葉に照れまくりですよ。
気恥ずかしくて俯いてしまいましたが、顔を上げるとヤクロウさんが優しい顔で私達を見つめていました。憑き物が取れたみたいに優しい笑顔です。
「そうか⋯⋯お嬢はツイていたのか⋯⋯そうか⋯⋯。なぁ、あそこの住人ってヒューマンばかりだと思わなかったか?」
私はすぐに頷きます。ハルさんも少し遅れて頷いて見せました。
「だろう。オーカでは、ヒューマンはただ働く生き物としか扱われていない」
「どういう事? 働くなんて普通の事じゃない。金持ちは働かないとか? まぁ、それは他でもあるか⋯⋯。肉体労働しかしない⋯⋯とか? いや、ドワーフの方が力はあるわよね⋯⋯どういう事??」
ハルさんの困惑に、ヤクロウさんの笑顔は消え、厳しい表情を見せていました。
何度か言い淀み、ヤクロウさんは重い口を開きます。
「⋯⋯何から話せばいいのか⋯⋯」
言い淀む言葉は、言ったそばから客間に吸い込まれてしまいます。ハルさんは、黙ってその様子を見つめていましたが、そっと助け船を出されました。
「それじゃあまず、どうしてあんたの家がバレなかったのか? 住人達があんたを匿う理由が、知りたいわね。あれだけの人間が居て、誰も言わないって相当な事よ」
「そうか⋯⋯。なんでバレなかったのか。それは、みんながオレなんかをかばってくれた。そして、隠したかったって所かな」
「なるほど。話の筋は通るわね」
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心無し、ヤクロウさんは安堵した表情を見せているように感じます。逆にハルさんの表情は険しくなって、逡巡する姿を見せました。ヤクロウさんの言葉に何か引っ掛かる言葉でもあったのでしょうか? おかしな所は無いように感じるのですが⋯⋯。
「手引きをしてくれたから、隠したかった⋯⋯。あんたに恩を感じたから? でも、待って。あの人数をあんたがひとりで手引きしたわけじゃないよね? そうだとしたら、あんたがひとり戻ったとしても、今度は別の人間が、手引きをすればいいだけじゃないの? どうして出来ないの? なんであんたじゃないといけないの?」
ヤクロウさんピクリとも表情を動かさず、黙ってハルさんの言葉を聞いていました。ハルさんは、ヤクロウさんの言葉に引っ掛かりを覚えていたのですね。言われてみれば確かに、あの人数をひとりで⋯⋯って考えると無理はありますよね。なるほど。
ヤクロウさんの表情は固く、何か思い詰めている様にも見えます。なかなか次の言葉が出て来ないのか、何度か口を開こうとしては躊躇を見せました。
ハルさんは静かに待っています。ヤクロウさんの重い口が開くのを、ただ待っていました。
「⋯⋯オレは、オーカで地位の高いヤツらのすぐ側に居た。それが意味する所は分かるだろう? オレもある程度の地位と権力を持っていた。その影響力は、今でもある程度は使える。そいつを使って、オレはオーカから裏通りに移住を進めているんだ。そいつがカラクリだ。だから、あそこの連中に取っては、オレはまだ『地位の高い人』って認識なんだよ。だから、みんが必死に守り、隠してくれる。蓋を開けちまえば何て事無い話だ」
え?
ええ??
ええええええっー!!!
何て事ある話ですよ!
ヤクロウさんが国の偉い人?? え? どういう事ですか?? 薬剤師で⋯⋯ええー!!??
私がびっくりし過ぎている横で、ハルさんはすこぶる冷静です。
な、な、何故そんなに冷静なのですか?
ハルさんはまた逡巡の素振りを見せます。私はもう話を聞いているだけで、頭がパンパンなのですけど。
「エレナ、随分とびっくりしているわね」
「は⋯⋯い⋯⋯びっくりです」
ハルさんは、私のびっくりに苦笑いを浮かべ、ヤクロウさんに続けます。
「ヤクロウ・アキ。地位が高かったのに何でオーカを捨てたの? 不自由な裏通りにあんたが移住する理由が分からない。移住させるだけなら、オーカから秘密裡に動けばいいだけの話。まだ、何かあるのでしょう? オーカのヤツらは、あんたを返せと言っている。あんたに命を狙われている危機感は感じられない。ヤツらに取って、あんたは必要な人材。ヤツらが、そこまであんたに固執する理由は何なの?」
ハルさんの鋭い質問に、ヤクロウさんは諦めの深い溜め息をつきながら答えます。
「まったく⋯⋯これだから優秀なやつは⋯⋯。あんたの言う通りだ。ヤツらにオレは必要だ。だが、何故必要かまでは聞かないでくれ。頼む。オーカに居ながら、移住を進める事も出来なくはない。自分で言うのも何だが、それなりの権力ってやつを持っていたからな。でも、オレがイヤだったんだ。そこから出たかったんだよ。これは本当だ。本当にそれだけなんだよ」
「分かったわ。その言えない何かをヤツらが必要としているのね。取り調べでは無いし、この辺にしておくわ」
「ああ、助かるよ」
ハルさんに言及されなくて、ヤクロウさんはホッとしていました。とても言い辛い事だと分かっただけです。私的に気にはなりますが、ハルさんにさえ言えない事を私に話す事は無いですよね。一体ヤクロウさんの何を必要とされているのでしょう?
「少し話題を変えましょう。どうして裕福な国から、何も無い裏通りに移住する人が後を絶たないのか教えて欲しいわ」
「そうだよな」
ヤクロウさんは肩を落とし、一瞬遠くを見つめました。故郷を憂う悲しい瞳。そんな印象を受けます。
ヤクロウさんは、ハルさんに向き直し続けました。
「あんたの言った通り、オーカは裕福な国だ。富が集中してしまっている話はしたが、どこの国だって大なり小なり富の集中ってのはあるものだ。ただ、オーカという国は極端というか歪んでいる。地位の高いヤツらに、もちろん金は流れている。莫大な金額がな。でも、それをした所で、国の金が無くなるわけではない。並みかそれよりちょっと贅沢な生活を送るくらい、オーカではわけないんだ」
「うん? それじゃあ移住なんてする意味が益々無いじゃない」
確かに。ハルさんの言う通り、何も無い裏通りに住む意味が分かりませんね。
「そうだ。並みの生活を送れるヤツらは移住なんかしない。そんな生活を送りたくとも送れない連中が移住するんだ。どう頑張っても、足掻いてもその生活にたどり着けない人間が一定数存在するんだよ」
「どういう事? どう頑張っても普通の生活が送れない??」
「そうだ、どう頑張ってもだ。もし、あんたならどうする?」
「それは⋯⋯そこから抜け出したくなるわよね」
「だろう。だから出る。それだけの話だ」
「でも、だとしたらさ、自力でそこから抜け出ればいいだけの話じゃないの? なんであんたが地位を使ってまで手助けしなくちゃならないの??」
ヤクロウさんの弱い笑み共に零した言葉。その言葉が腑に落ちないのか、ハルさんは厳しい表情で逡巡していました。
ヤクロウさんは逡巡するハルさんを見つめます。その瞳は悲しさ、寂しさを映していました。重い唇を開くヤクロウさんから、後悔や懺悔や不安、そしてそれと同時に淡い希望を感じます。今までひとりで背負っていた物を、少しだけ下ろしたのかも知れませんね。
「その一定数の人間には自由が無い。自由だけじゃない、普通に働きたくとも働けない。動きたくとも動けない。希望もない。絶望もない。何もないし、何も知らないんだよ」
「どういう事? 何もない? 知らない? そんな事あるの??」
ハルさんは予想外の答えだったのか、深い困惑を見せます。ヤクロウさんの言葉を飲み込む事が出来ず、ただただ表情を曇らせていらっしゃいました。
私には分かります。
何もない。何も知らない。だから、何も出来ない。しない。ただただ、何も感じない日々が過ぎて行く⋯⋯。
ハルさんと出会う前の私の事です。住人の方々の気持ちは、痛いほど分かりますよ。
「それ、分かります。何もなく、ただ生きているだけ。希望を知らないから、絶望も知らない。何も知らないから、知る術すら知らない⋯⋯」
ポツリと漏れてしまった言葉に、おふたりとも少し驚いた顔をこちらに向けていました。
私は何だかバツが悪くて、椅子の上で小さくなって行きます。
「す、すいません」
私が頭を下げると、コツっとハルさんが肩を優しく小突いて来ました。私の言葉でヤクロウさんの言葉を理解出来たのか、悩む姿は消えています。でも、今度はこの様子にヤクロウさんが更に驚いた顔を見せていました。そんなに驚かなくともいいと思うのですが。
「お嬢は昔そんな生活を送っていたのか?」
「昔じゃないですよ。つい最近の話です。私はハルさん達と出会えて、今ここに居られるのです。私はラッキーでした。住人の方々もヤクロウさんに出会えて、ラッキーだと思っていますよ」
「私は何もしてないわ。あいつ、あいつのせいよ。本当に後先考えずに動くんだもの⋯⋯でもまぁ、エレナと出会えたのは私達もラッキーね」
いやぁ~そんな風に言って貰えるなんて、頬がポッポとして熱いです。なんだか気恥ずかしくてハルさんを見られません。嬉しい言葉に照れまくりですよ。
気恥ずかしくて俯いてしまいましたが、顔を上げるとヤクロウさんが優しい顔で私達を見つめていました。憑き物が取れたみたいに優しい笑顔です。
「そうか⋯⋯お嬢はツイていたのか⋯⋯そうか⋯⋯。なぁ、あそこの住人ってヒューマンばかりだと思わなかったか?」
私はすぐに頷きます。ハルさんも少し遅れて頷いて見せました。
「だろう。オーカでは、ヒューマンはただ働く生き物としか扱われていない」
「どういう事? 働くなんて普通の事じゃない。金持ちは働かないとか? まぁ、それは他でもあるか⋯⋯。肉体労働しかしない⋯⋯とか? いや、ドワーフの方が力はあるわよね⋯⋯どういう事??」
ハルさんの困惑に、ヤクロウさんの笑顔は消え、厳しい表情を見せていました。
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