18 / 49
本編
圭虎の苦悩 1 side圭虎
しおりを挟む
最近イライラと落ち着かない。
それは、お昼の時間だ。
三人掛けのソファには、真ん中に兎和が座って両サイドに獅貴と穂鷹がいた。
それを見ながら、数日前の穂鷹の報告を思い出す。
『獅貴。私も兎和とやりました』
穂鷹は、ソファに悠々と座っていた獅貴に嬉しそうに近付いてそんな事を言った。
ベッドで千鹿を組み敷いていた所だったけれど、話が聞こえてきて腰の動きが止まる。
『圭虎さん?』
『黙ってろ』
緩やかに腰を動かして千鹿を喘がせて、聞いていない振りをする。
『嘘だろ?』
『キスマーク……胸に付けましたね? 隣に増やしときました』
『勝手に手を出すなよ!』
『ふふっ。兎和の秘密……あなただけが知っているわけじゃないと言う事です』
兎和の秘密?
『僕と同じ手を使ったのか……』
『本当に最高でした……桜色の乳首に、触っただけで赤く染まる肌。恥ずかしそうな顔にイク時の気持ち良さそうに眉根を寄せる顔……』
そんなに良かったのかよ……。
『思い出すなよ。あれは僕のものなんだ』
『これからは私のものでもあります。同じ手を使ったなら、獅貴に文句は言わせません』
『共有しろって? 嫌に決まってるじゃん』
『私だって獅貴にやられるの嫌なんですよ? お互い様でしょう?』
獅貴は、悔しそうに唸る。
『兎和の事を満足させられるのは僕だ』
『ふふっ。中イキもさせらなかったくせに』
『まだ初めてだったから優しくしたんだ! まさか……イカせられたのか⁉︎』
『いいえ……私の方が先にイッてしまいました……』
『ふはっ。だっさ』
『獅貴も同じくせに……』
穂鷹が先にイッただって⁉︎
ますます兎和に興味が湧く。
『──兎和の秘密……あれだけじゃないって知ってるか?』
『もしかして、背中ですか?』
『ちっ。そこまで知ってるんだ……』
『もちろん』
兎和の背中に何かあるのか?
くそ……二人の話が気になってイケない。
『千鹿。もう終わり』
『え?』
『お前じゃもうイケない』
『圭虎さん! 僕はどんなプレイもできます! 飽きたなんて言わないで下さい』
ウルウルとする千鹿を見ても、どうもヤル気にならない。
どんなプレイをしたって兎和じゃない。
さっさと服を着て、千鹿を特別室から出した。
『おい、お前ら。俺も兎和とやらせろよ』
『『ダメ(です)』』
『だから、なんでなんだ!』
『圭虎はその辺のやつでもできる。さっきまでやってたじゃん』
それができなくなっている。
千鹿だけじゃなく、他のやつを相手にしてもそうだった。
悔しいから言わないけどな。
『圭虎はいつも通り他の人でやって下さい』
『圭虎は手を出すな。穂鷹だって他でやれよ』
『嫌です』
二人はまた言い争っていた。
納得いかない。
なんで俺だけやっちゃダメなんだ?
そんな事があって、今も三人を見ていて苛立つ。
いつからか、兎和を想像しないとイケなくなった。
ひどい時は想像してもイケない。
こいつらは、本物でやってるんだよな……。
「獅貴。もっと離れて下さい」
「穂鷹が離れろ」
「あ……これ美味しい」
兎和は、獅貴と穂鷹が睨み合っている真ん中で、普通に食事を進める。
兎和の肩に回された獅貴の腕と腰に回された穂鷹の腕が邪魔そうだ。
「面倒臭いな……」
兎和は、ため息をつくと誰も座っていない椅子に移動した。
「あ! 勝手に移動するなよ」
「そうです! こっちに来て下さい」
二人を無視しながら、黙々と箸を進めていた。
美味しそうに顔を綻ばせて笑う。
なんだ? 胸の奥が熱いような……。
「兎和……こっちも食べるか?」
そっと俺の食べていた物も目の前に移動させてやれば、嬉しそうに笑った。
こんなに美味しそうに食べるやつは俺達の周りで見た事がない。
いつも食べている食事のはずだ。
「圭虎も食べた方がいい。美味しい」
「あ、ああ……」
言われた通りに食事をすれば、いつもより美味しく感じるのは気のせいか?
チラリと兎和を見れば、美味しいよなと言うように微笑まれる。
胸の奥で何かキュッと鳴るようなこの感覚はなんだ?
恥ずかしいような、照れ臭いような……こんなの今まで感じた事がない。
「兎和。こっち来て」
「お前達の近くじゃまともに食べられない。食事が終わったら行く」
このまま食べ終わらなきゃいい……。
獅貴の所にも穂鷹の所にも行かなきゃいいのに……。
そう思っていても食事が終われば、兎和はまたソファの真ん中に戻ってしまう。
──気に入らない。
「兎和、次はいつ時間ができる?」
「明日の土曜日の午前中なら時間があるかな……」
「やった。また明日連絡するよ」
「ずるいですよ! 私も会いたいです!」
「変な事はなしだからな……」
明日の午前中……俺はどうやってこいつらを出し抜いて兎和に会おうかと考えていた。
それは、お昼の時間だ。
三人掛けのソファには、真ん中に兎和が座って両サイドに獅貴と穂鷹がいた。
それを見ながら、数日前の穂鷹の報告を思い出す。
『獅貴。私も兎和とやりました』
穂鷹は、ソファに悠々と座っていた獅貴に嬉しそうに近付いてそんな事を言った。
ベッドで千鹿を組み敷いていた所だったけれど、話が聞こえてきて腰の動きが止まる。
『圭虎さん?』
『黙ってろ』
緩やかに腰を動かして千鹿を喘がせて、聞いていない振りをする。
『嘘だろ?』
『キスマーク……胸に付けましたね? 隣に増やしときました』
『勝手に手を出すなよ!』
『ふふっ。兎和の秘密……あなただけが知っているわけじゃないと言う事です』
兎和の秘密?
『僕と同じ手を使ったのか……』
『本当に最高でした……桜色の乳首に、触っただけで赤く染まる肌。恥ずかしそうな顔にイク時の気持ち良さそうに眉根を寄せる顔……』
そんなに良かったのかよ……。
『思い出すなよ。あれは僕のものなんだ』
『これからは私のものでもあります。同じ手を使ったなら、獅貴に文句は言わせません』
『共有しろって? 嫌に決まってるじゃん』
『私だって獅貴にやられるの嫌なんですよ? お互い様でしょう?』
獅貴は、悔しそうに唸る。
『兎和の事を満足させられるのは僕だ』
『ふふっ。中イキもさせらなかったくせに』
『まだ初めてだったから優しくしたんだ! まさか……イカせられたのか⁉︎』
『いいえ……私の方が先にイッてしまいました……』
『ふはっ。だっさ』
『獅貴も同じくせに……』
穂鷹が先にイッただって⁉︎
ますます兎和に興味が湧く。
『──兎和の秘密……あれだけじゃないって知ってるか?』
『もしかして、背中ですか?』
『ちっ。そこまで知ってるんだ……』
『もちろん』
兎和の背中に何かあるのか?
くそ……二人の話が気になってイケない。
『千鹿。もう終わり』
『え?』
『お前じゃもうイケない』
『圭虎さん! 僕はどんなプレイもできます! 飽きたなんて言わないで下さい』
ウルウルとする千鹿を見ても、どうもヤル気にならない。
どんなプレイをしたって兎和じゃない。
さっさと服を着て、千鹿を特別室から出した。
『おい、お前ら。俺も兎和とやらせろよ』
『『ダメ(です)』』
『だから、なんでなんだ!』
『圭虎はその辺のやつでもできる。さっきまでやってたじゃん』
それができなくなっている。
千鹿だけじゃなく、他のやつを相手にしてもそうだった。
悔しいから言わないけどな。
『圭虎はいつも通り他の人でやって下さい』
『圭虎は手を出すな。穂鷹だって他でやれよ』
『嫌です』
二人はまた言い争っていた。
納得いかない。
なんで俺だけやっちゃダメなんだ?
そんな事があって、今も三人を見ていて苛立つ。
いつからか、兎和を想像しないとイケなくなった。
ひどい時は想像してもイケない。
こいつらは、本物でやってるんだよな……。
「獅貴。もっと離れて下さい」
「穂鷹が離れろ」
「あ……これ美味しい」
兎和は、獅貴と穂鷹が睨み合っている真ん中で、普通に食事を進める。
兎和の肩に回された獅貴の腕と腰に回された穂鷹の腕が邪魔そうだ。
「面倒臭いな……」
兎和は、ため息をつくと誰も座っていない椅子に移動した。
「あ! 勝手に移動するなよ」
「そうです! こっちに来て下さい」
二人を無視しながら、黙々と箸を進めていた。
美味しそうに顔を綻ばせて笑う。
なんだ? 胸の奥が熱いような……。
「兎和……こっちも食べるか?」
そっと俺の食べていた物も目の前に移動させてやれば、嬉しそうに笑った。
こんなに美味しそうに食べるやつは俺達の周りで見た事がない。
いつも食べている食事のはずだ。
「圭虎も食べた方がいい。美味しい」
「あ、ああ……」
言われた通りに食事をすれば、いつもより美味しく感じるのは気のせいか?
チラリと兎和を見れば、美味しいよなと言うように微笑まれる。
胸の奥で何かキュッと鳴るようなこの感覚はなんだ?
恥ずかしいような、照れ臭いような……こんなの今まで感じた事がない。
「兎和。こっち来て」
「お前達の近くじゃまともに食べられない。食事が終わったら行く」
このまま食べ終わらなきゃいい……。
獅貴の所にも穂鷹の所にも行かなきゃいいのに……。
そう思っていても食事が終われば、兎和はまたソファの真ん中に戻ってしまう。
──気に入らない。
「兎和、次はいつ時間ができる?」
「明日の土曜日の午前中なら時間があるかな……」
「やった。また明日連絡するよ」
「ずるいですよ! 私も会いたいです!」
「変な事はなしだからな……」
明日の午前中……俺はどうやってこいつらを出し抜いて兎和に会おうかと考えていた。
2
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新!
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる