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パーティと隣人②
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車で30分ほどかけて、到着したのは先日佐須杜さんとランチをしたホテルだった。おや、と思いバックミラーを見るとミラー越しに彼女と目が合い、パチリとウィンクを返された。どうも彼女の狙い通り、ということのようだ。
「さて、私は先に行きますので、お二人はゆっくり会場に来て下さい」
駐車場にて佐須杜さんはそう言い、早足で行ってしまった。おそらく忙し合間をぬって、なんとか車を出してくれたんだろう。
「人栄さん、行きましょうか?」
私は歩きにくそうにしている彼女に手を差し出す。少し気障だろうか、という不安もあったが人栄さんはパアっと表情を明るくして私の手を掴んでくれる。
「へへ、ありがとう」
そのまま私の手をギュッと握り、そんなことを言う。少しだけ付けられているグロスが艷やかに輝き、その口角の上がった表情は一層可愛らしく映えている。
彼女の手を引きながら私達はエレベータホールへと向かう。
「そういえば、ちゃんと言ってなかったけれど、受賞おめでとうございます」
彼女が新人賞とやらを受賞したということについて触れるのを忘れていた。しかし、私の言葉を聞いて彼女は少し微妙な顔をする。
「う……あ、ありがとうございます」
何故か彼女はその表情のまま謝りだす。
「え?なぜ謝罪なんですか?」
「え……っと、うんあの、まあ、はい」
特に説明はしてくれないが、みるみる彼女の顔が紅潮していき、私から目を逸らす。なんだか続きを聞いてはいけない気がして結局そこで話を打ち切った。どういうものを描いて賞をもらったのか、私も読ませてもらえないかということを話そうと思っていたのだが、出鼻をくじかれてしまった。
結局そのまま微妙な空気のままイベント用のホールに着く。受付を済ませると、コートを預ける。
「わあ、とっても素敵!おしゃれな格好だ!」
彼女ははしゃぎつつ、私の服装を褒めてくれる。照れくさいもののそれ自体は嬉しい。しかし……
「人栄さん、コートを脱がないと……」
前をしっかり締めて、ベルトまで付けているが、流石にそのままパーティというわけにはいかないだろう。私がそのように促すと「うう……」と唸りながらも、諦めたようにコートを脱いだ。
彼女の服装は、スカートとシャツが統一されたデザインのセットアップ仕様だ。少し濃い目のブルーで、パーティらしく軽く鎖骨が見えていたり、膝部だけの腕部分が軽く透けた網模様なっていたりしている。スカートは膝を越してふくらはぎくらいまであるが、柔らかなドレープ感があり、重さを感じさせない。
「とても可愛らしくて似合っていますよ」
私にしてみれば十分歯の浮くようなセリフだが、とりあえず彼女は恥ずかしそうにしつつも嬉しそうにはにかんでくれたので良しとしたい。
私達はそのまま会場に入ると、すでに結構な人数の人たちがいた。一応パーティということなのでスーツやドレスの人たちが多いものの、本当に普段着といった格好(ジーンズやパーカーなど)の人たちもそこそこ居て、これが出版業界かあ、と思ってしまう(もちろん、そういう格好が悪いという趣旨ではない)。
ちらりと隣の彼女を確認すると、かなり緊張した様子なのが明らかだった。口をぎゅっと閉じ、心なしその表情は青ざめていた。
私は駐車場でしたように、彼女に向かって再度手を差し出す。それを見た彼女はハッとした表情になり、私の方に『いいの?』と声を出さずに口の動きだけで伝えてくる。
もちろん、ということを伝えるべく、私はニコリとした笑顔を作り、ゆっくり頷く。人栄さんは少しだけ震える手を私の手に重ね、軽く力を込めてくれる。少しうつむきがちになっているが、安心したような雰囲気が伝わってきて、こちらの気遣いが間違っていないことにほっとした。
さあ、パーティはまもなく開始である。
「さて、私は先に行きますので、お二人はゆっくり会場に来て下さい」
駐車場にて佐須杜さんはそう言い、早足で行ってしまった。おそらく忙し合間をぬって、なんとか車を出してくれたんだろう。
「人栄さん、行きましょうか?」
私は歩きにくそうにしている彼女に手を差し出す。少し気障だろうか、という不安もあったが人栄さんはパアっと表情を明るくして私の手を掴んでくれる。
「へへ、ありがとう」
そのまま私の手をギュッと握り、そんなことを言う。少しだけ付けられているグロスが艷やかに輝き、その口角の上がった表情は一層可愛らしく映えている。
彼女の手を引きながら私達はエレベータホールへと向かう。
「そういえば、ちゃんと言ってなかったけれど、受賞おめでとうございます」
彼女が新人賞とやらを受賞したということについて触れるのを忘れていた。しかし、私の言葉を聞いて彼女は少し微妙な顔をする。
「う……あ、ありがとうございます」
何故か彼女はその表情のまま謝りだす。
「え?なぜ謝罪なんですか?」
「え……っと、うんあの、まあ、はい」
特に説明はしてくれないが、みるみる彼女の顔が紅潮していき、私から目を逸らす。なんだか続きを聞いてはいけない気がして結局そこで話を打ち切った。どういうものを描いて賞をもらったのか、私も読ませてもらえないかということを話そうと思っていたのだが、出鼻をくじかれてしまった。
結局そのまま微妙な空気のままイベント用のホールに着く。受付を済ませると、コートを預ける。
「わあ、とっても素敵!おしゃれな格好だ!」
彼女ははしゃぎつつ、私の服装を褒めてくれる。照れくさいもののそれ自体は嬉しい。しかし……
「人栄さん、コートを脱がないと……」
前をしっかり締めて、ベルトまで付けているが、流石にそのままパーティというわけにはいかないだろう。私がそのように促すと「うう……」と唸りながらも、諦めたようにコートを脱いだ。
彼女の服装は、スカートとシャツが統一されたデザインのセットアップ仕様だ。少し濃い目のブルーで、パーティらしく軽く鎖骨が見えていたり、膝部だけの腕部分が軽く透けた網模様なっていたりしている。スカートは膝を越してふくらはぎくらいまであるが、柔らかなドレープ感があり、重さを感じさせない。
「とても可愛らしくて似合っていますよ」
私にしてみれば十分歯の浮くようなセリフだが、とりあえず彼女は恥ずかしそうにしつつも嬉しそうにはにかんでくれたので良しとしたい。
私達はそのまま会場に入ると、すでに結構な人数の人たちがいた。一応パーティということなのでスーツやドレスの人たちが多いものの、本当に普段着といった格好(ジーンズやパーカーなど)の人たちもそこそこ居て、これが出版業界かあ、と思ってしまう(もちろん、そういう格好が悪いという趣旨ではない)。
ちらりと隣の彼女を確認すると、かなり緊張した様子なのが明らかだった。口をぎゅっと閉じ、心なしその表情は青ざめていた。
私は駐車場でしたように、彼女に向かって再度手を差し出す。それを見た彼女はハッとした表情になり、私の方に『いいの?』と声を出さずに口の動きだけで伝えてくる。
もちろん、ということを伝えるべく、私はニコリとした笑顔を作り、ゆっくり頷く。人栄さんは少しだけ震える手を私の手に重ね、軽く力を込めてくれる。少しうつむきがちになっているが、安心したような雰囲気が伝わってきて、こちらの気遣いが間違っていないことにほっとした。
さあ、パーティはまもなく開始である。
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