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『ベッドは一つでいいだろ、夫婦は二人で寝るもんだ』
まさかシングルベッドで二人とは考えが及ばなかった。しかも独身時代に使用していた夫のパイプベッド。
ど真ん中でいびきをかいて眠る夫を見ても何も感じなくなった。毛布を持ってリビングのソファで丸くなって眠った。
夫よりも遅く寝て、夫よりも早く起きてお弁当と朝食の準備をする。
不機嫌そうに寝室から出てきた夫はダイニングテーブルにならんだ朝食、スクランブルエッグにトースト、サラダと珈琲を見て一言。
「味噌汁飲みてえ」
それだけ言って風呂場に向かった。珍しいことじゃ無いから私は慌てない。
すぐに冷凍してある鮭をグリルに入れる。お湯を沸かして出汁を素早くとると、賽の目にカットした豆腐と刻んだネギ、生ゴミを絞って出た液体を入れた。ふふふ、隠し味。
味付けのりにキムチ、冷凍ご飯をチンすればあっという間に和定食。
「おっ! いいね、いいね。朝はやっぱ米だよな」
濡れた頭を拭きながらどっかりと座る、味噌汁を飲んで「うまいっ!」。とても満足そうだ。
自分の言いなりになる従順な妻、それが喜びなのだろう。令和にもなって夫の頭の中は昭和で止まっていた。
「そんじゃあ行ってくる、帰りは遅くなるから飯はいいや、いや、分かんないな、連絡するわ」
なるべく早く連絡しろ、こっちも働いてるんだよ馬鹿。思うだけでもちろん口には出さない。
夫を見送るとやっと自分の準備に入る、幸い時間は十分に間に合う。
ダイニングテーブルに置きっぱなしの腕時計を見てため息が出た。戻ってくるだろうか。
『ガチャガチャ!』
慌ただしく玄関の鍵が開いた。
「えりこー! 時計とってくれー!」
「はーい」
バタバタと小走りで玄関に向かい時計を手渡した。
「サンキュー!」
夫は機嫌よく私の頬にキスをすると鼻歌混じりに出て行った。
「誰だよ、えりこ……」
まさかシングルベッドで二人とは考えが及ばなかった。しかも独身時代に使用していた夫のパイプベッド。
ど真ん中でいびきをかいて眠る夫を見ても何も感じなくなった。毛布を持ってリビングのソファで丸くなって眠った。
夫よりも遅く寝て、夫よりも早く起きてお弁当と朝食の準備をする。
不機嫌そうに寝室から出てきた夫はダイニングテーブルにならんだ朝食、スクランブルエッグにトースト、サラダと珈琲を見て一言。
「味噌汁飲みてえ」
それだけ言って風呂場に向かった。珍しいことじゃ無いから私は慌てない。
すぐに冷凍してある鮭をグリルに入れる。お湯を沸かして出汁を素早くとると、賽の目にカットした豆腐と刻んだネギ、生ゴミを絞って出た液体を入れた。ふふふ、隠し味。
味付けのりにキムチ、冷凍ご飯をチンすればあっという間に和定食。
「おっ! いいね、いいね。朝はやっぱ米だよな」
濡れた頭を拭きながらどっかりと座る、味噌汁を飲んで「うまいっ!」。とても満足そうだ。
自分の言いなりになる従順な妻、それが喜びなのだろう。令和にもなって夫の頭の中は昭和で止まっていた。
「そんじゃあ行ってくる、帰りは遅くなるから飯はいいや、いや、分かんないな、連絡するわ」
なるべく早く連絡しろ、こっちも働いてるんだよ馬鹿。思うだけでもちろん口には出さない。
夫を見送るとやっと自分の準備に入る、幸い時間は十分に間に合う。
ダイニングテーブルに置きっぱなしの腕時計を見てため息が出た。戻ってくるだろうか。
『ガチャガチャ!』
慌ただしく玄関の鍵が開いた。
「えりこー! 時計とってくれー!」
「はーい」
バタバタと小走りで玄関に向かい時計を手渡した。
「サンキュー!」
夫は機嫌よく私の頬にキスをすると鼻歌混じりに出て行った。
「誰だよ、えりこ……」
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