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第28話 お茶会 1
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王太子殿下の御子さまのお披露目お茶会は、王城の園庭で行われた。
季節は夏間近。
園庭の植物はとても元気で花もにぎやかに咲いている。
降り注ぐ太陽にきらめく緑は、とても綺麗で美味しそう。
食べないけどね。
だって食べ物はテーブルの上に並んでいる。
「オレたちのテーブルは、ココみたいだな」
「うん、そうだね。オズワルド」
ボクの隣にはオズワルドがいる。
世界って煌めいているよねぇ~。
うん。世界は美しい。
ボクはニコニコしてオズワルドの腕につかまる。
そろそろ椅子に座らないといけないけど、もうちょっとオズワルドの腕にぶら下がっていたい。
ボクはちょっとだけ背が伸びたけど、まだまだチビだ。
オズワルドとつり合いのとれた番になるには、あと何年かかるかな?
ちょっとだけ考えて、いずれくるその日を思い浮かべて、ニマニマする。
だってその日は絶対来るもん。
なんといってもボクはオズワルドの番なんだからさ。
お父さまとお母さまのテーブルは少し離れている。
お兄さまのテーブルは、さらに離れている。
オズワルドは王太子さまとも、そのお妃さまとも親しいから、中央に設えられたご夫妻のテーブルから近いんだ。
なぜかお父さまとお兄さまはオズワルドを睨んでいるけど平気だよ。
席が遠いから。
ボクはオズワルドの隣でニコニコ笑う。
オズワルドもニコニコ笑っている。
楽しいね。
嬉しいね。
幸せだね。
ボクはお母さまに見立ててもらった新しい服を着ている。
でもボクの服装なんてどうでもいい。
オズワルドに可愛く見えていたら、それでいいんだ。
オズワルドは入学式のときに着てきた服を今日も着ている。
よく似合っているからいいと思う。
青みがかった貴族服と白いクラバットは定番だ。
でも長い髪につける金茶色のリボンくらいは、ボクが新しいものをプレゼントしてもいいかな?
オズワルドはお金持ちじゃない。
ボクの家はお母さまが稼ぐから、伯爵家といっても資金は潤沢だ。
お父さまとお兄さまの視線が痛い。
お金はボクが稼ぐから、オズワルドを責めるような視線を向けるのはやめてくれないかな?
ボクが椅子に座ってなんとなくソワソワしていると、王太子殿下ご一家入場を告げる声が響いた。
まず最初に姿を現したのは王太子のアーサーさまだ。
アーサーさまはスラリと背が高くて、金髪碧眼。
整った顔立ちの、いかにも王子さまといった容姿をしている。
とても若いのに、もうお父さまなのだ。
すごいね。
その後ろから、お妃さまとなったリアンさまが現れた。
リアンさまは、緩くウェーブのかかった淡い茶色の髪を揺らしている。
背は成人男性としては少し低めで、とても細い。
その細い腕のなかには、おくるみにくるまれた御子さまがいた。
ブワッとオズワルドからアルファ独特の香りがして、ボクは驚いて彼のほうを見る。
見上げる顔は、今まで見たことのないような表情を浮かべていた。
オズワルドの黒い瞳はアーサーさまを鋭く見て、続いてリアンさまをなんともいえない切ない表情を浮かべて見た。
それはほんの一瞬の出来事。
オズワルドの番であるボクでなければ、見逃したかもしれない。
だけど今のは、気付かないほうが幸せだったよ。
オズワルド。
あなたはリアンさまのことが好きだったんだね――――
季節は夏間近。
園庭の植物はとても元気で花もにぎやかに咲いている。
降り注ぐ太陽にきらめく緑は、とても綺麗で美味しそう。
食べないけどね。
だって食べ物はテーブルの上に並んでいる。
「オレたちのテーブルは、ココみたいだな」
「うん、そうだね。オズワルド」
ボクの隣にはオズワルドがいる。
世界って煌めいているよねぇ~。
うん。世界は美しい。
ボクはニコニコしてオズワルドの腕につかまる。
そろそろ椅子に座らないといけないけど、もうちょっとオズワルドの腕にぶら下がっていたい。
ボクはちょっとだけ背が伸びたけど、まだまだチビだ。
オズワルドとつり合いのとれた番になるには、あと何年かかるかな?
ちょっとだけ考えて、いずれくるその日を思い浮かべて、ニマニマする。
だってその日は絶対来るもん。
なんといってもボクはオズワルドの番なんだからさ。
お父さまとお母さまのテーブルは少し離れている。
お兄さまのテーブルは、さらに離れている。
オズワルドは王太子さまとも、そのお妃さまとも親しいから、中央に設えられたご夫妻のテーブルから近いんだ。
なぜかお父さまとお兄さまはオズワルドを睨んでいるけど平気だよ。
席が遠いから。
ボクはオズワルドの隣でニコニコ笑う。
オズワルドもニコニコ笑っている。
楽しいね。
嬉しいね。
幸せだね。
ボクはお母さまに見立ててもらった新しい服を着ている。
でもボクの服装なんてどうでもいい。
オズワルドに可愛く見えていたら、それでいいんだ。
オズワルドは入学式のときに着てきた服を今日も着ている。
よく似合っているからいいと思う。
青みがかった貴族服と白いクラバットは定番だ。
でも長い髪につける金茶色のリボンくらいは、ボクが新しいものをプレゼントしてもいいかな?
オズワルドはお金持ちじゃない。
ボクの家はお母さまが稼ぐから、伯爵家といっても資金は潤沢だ。
お父さまとお兄さまの視線が痛い。
お金はボクが稼ぐから、オズワルドを責めるような視線を向けるのはやめてくれないかな?
ボクが椅子に座ってなんとなくソワソワしていると、王太子殿下ご一家入場を告げる声が響いた。
まず最初に姿を現したのは王太子のアーサーさまだ。
アーサーさまはスラリと背が高くて、金髪碧眼。
整った顔立ちの、いかにも王子さまといった容姿をしている。
とても若いのに、もうお父さまなのだ。
すごいね。
その後ろから、お妃さまとなったリアンさまが現れた。
リアンさまは、緩くウェーブのかかった淡い茶色の髪を揺らしている。
背は成人男性としては少し低めで、とても細い。
その細い腕のなかには、おくるみにくるまれた御子さまがいた。
ブワッとオズワルドからアルファ独特の香りがして、ボクは驚いて彼のほうを見る。
見上げる顔は、今まで見たことのないような表情を浮かべていた。
オズワルドの黒い瞳はアーサーさまを鋭く見て、続いてリアンさまをなんともいえない切ない表情を浮かべて見た。
それはほんの一瞬の出来事。
オズワルドの番であるボクでなければ、見逃したかもしれない。
だけど今のは、気付かないほうが幸せだったよ。
オズワルド。
あなたはリアンさまのことが好きだったんだね――――
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