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お気楽・極楽・こどもの日

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 雨降って地固まる。

 ことわざにある通りになるかどうか分からないが、次の日は雨だった。その次の日はくもったり、雨が降ったりを繰り返した。また、その次の日は雨が降ったり、くもったりの繰り返しだった。気持ち良く晴れたなぁ、と、思ったころには、五月五日、子供の日だったのだ。

「ゴールデンウイーク最終日だけど、陽気にやろうぜ。イェーイ!」

 ハルカの掛け声と共に、ハルカの家の庭で、パーティは始まった。小さな花壇のある脇の、玄関前からすぐの場所ではあるが、庭であることには変わりない。そのスペースにテーブルと椅子を並べて、子供の好きそうな料理を所狭しと並べてあった。

「私が作ったモノばかりだから。口に合うといいけど」
「いえ、パパさんの作ったモノにハズレなし、です」
「そうです。いつもパパさんのお料理は美味しいわ」

 マスミとリオに褒め称えられ、パパさんは嬉しそうに笑った。

「こんにちは」
「お言葉に甘えて来ちゃいました」
「あ、いらっしゃい。スミスさん」

 ハルカは急いで門扉を開けに行き、お客さん達を招き入れた。

「いらっしゃい。これから、よろしくおねがいします」
「こちらこそ」

 お隣に越してくるスミスさん一家が、黒猫とコーギー犬を連れて入ってきた。

「それにしても、お隣さんになる方にペットを保護して貰えるなんて奇遇ですね」
「これも縁ですね。仲良くしましょう」

 スミス夫妻は、タコ足宇宙人のパパとママが変身した姿だ。タコ足宇宙人の子供も、しっかり人間の子供へと変身している。ただ、白人と、スパニッシュと、黒人の組み合わせで、日本人という設定はオカシイ、と、何度も言ったが聞き入れて貰えなかった。

 でも、そんなことは些末なことだ。

 ハルカはミュルをモフモフし、リオとマスミはクロをモフモフした。こんなことが、毎日のように出来るようになるなら、楽しくならないわけがない。ハルカたちは、楽しい今日を味わいながら、楽しい明日に期待した。
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