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第6話 サービス過剰な女神
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「大丈夫よ、沙羅ちゃん。こちらの世界では幸せになれるようにしてあげるわ。ふぁいとぉ~」
泣きながら両腕の肘を曲げて両手を握りこぶしにして胸のあたりで揺らす女神につられて、沙羅も同じように握りこぶしを胸のあたりでブンブンと揺らした。
随分と人間的な温かみがある女神だ。
綺麗なのに面白い女の人、という印象もある。
(親しみやすすぎて、ちょっと心配になるくらいの女神さまだなぁ。頼り甲斐があるのか、危なっかしいのか分からない……)
複雑な思いを抱きながら沙羅が眺めている前では、女神が椅子の右側にある鏡のようなものを覗き込んでいる。
「沙羅ちゃんによさそうな転生先は、と……」
鏡のような物には情報が表示されているようだ。
(ゲームの画面みたいなものが映っているのかなぁ。わたしからは見えないから気になるぅ~)
ちょっとソワソワしている沙羅へ、女神がクルンと顔だけ向けて聞く。
「ちょうど聖女召喚している王国があるわ。転生して聖女というのはどうかしら?」
「聖女⁉ なりたいっ! なりたいですっ!」
沙羅は両手を握って拳にしてブンブン振り回しながらコクコクと頷いた。
(聖女というと、異世界転生ファンタジーの定番のアレですね? 聖力使って無双するアレの)
冒険の匂いがする。
沙羅の心はワクワクして高揚し、表情が緩んでニマニマしているのが自分でも分かった。
女神は沙羅の反応に気をよくしたのか、ニコニコしながら呟く。
「ん、まずは容姿ね。せっかく転生するのだから、容姿変えちゃいましょ。えっと……髪色は、コレで……目の色はこうでしょ? あと年齢も……」
キラキラと輝きだした女神が右手をクルンと振ると、キラキラが沙羅へと向かって飛んできた。
「わっ⁉」
キラキラは沙羅を包んだ。
(目の前が眩しくて何も見えないっ! 何が起こってるの?)
しばらく目も開けられない状態が続いた沙羅の耳に、女神がうふふと笑う声が届いた。
「可愛いわぁ。沙羅ちゃん」
沙羅が目を開けると、さっきよりも高い位置に女神の顔が見えた。
「ん? どゆこと?」
沙羅は目をぱちくりさせた。
「うふふ。こっちに来て見てごらんなさいな」
沙羅は手招きされて、女神がさっき覗いてた鏡の前に立った。
「ふわっ⁉」
後光がさして見えるファンタジックな光景に、沙羅は思わず叫んだ。
「なんとメルヘンチック!」
「メルヘン? まぁ確かにメルヘンチックかもしれないわね」
女神はドヤ顔を浮かべ、沙羅の顔には当惑の表情が浮かぶ。
「こっ……これが、わたし?」
鏡の中には整った顔立ちをした銀髪に青い目の幼女が映っていた。
背後には女神の放った魔法か何かがキラキラしている。
「そうよぉ。うふふ。わたくしってば天才」
女神はご満悦だ。
「えっ……これが……」
沙羅はまじまじと鏡を覗き込んだ。
パッツン前髪に長いサラサラの銀髪。
体はちっこくて3歳児くらいだ。
女神が着ている服を子ども服にしたような白いドレスを着ている。
ドレスの裾は短くて袖も肩のあたりまでしかないから、白くて細い手足がむき出しになっていた。
「幼児だ……」
沙羅は呆然と呟いた。
「ふふ。新生活に馴染みやすいように幼児にしてみました」
女神はニコニコしながら続ける。
「過去の転生者には、赤ちゃんで生まれることを推奨していたのよね。でも転生者って前世の記憶が残るものでしょう? オッパイ飲んだり、オムツしたりするのがメンタルに来るみたいなので、3歳児相当を目指してみました」
「はぁ」
(確かに前世の記憶が残ったまま、オッパイ飲んだりするのは嫌だな。でも3歳児かぁ……)
「おねしょは自己責任よ。頑張ってね。うふっ」
「うっ」
沙羅の心配はそこではなかったが、改めて言われるとアレコレ気になることはある。
(でもまぁ、そこも含めてモロモロ頑張るしかないっ)
沙羅は両手をグーにして両腕をブンブン回し、改めて鏡を見た。
「これがっ。新しい、わたし!」
沙羅は鏡を覗き込むと、小さな手で顔をペチペチと触った。
(かなり可愛い。銀髪に青い瞳。白い肌。細くて手足から察するに、スタイルよく育つことが考えられる。わたしってば、かなり美人さんになっちゃうんじゃない?)
沙羅は浮かれた。
そしてすぐに不安になった。
「わたし、こんなに可愛かったら攫われてしまうのでは?」
沙羅のかなり自惚れの強い発言に突っ込むことなく、女神はにこやかに言う。
「うふふ。そこは心配無用よ。いっぱい加護をつけてあげますからね。沙羅ちゃんに悪いことをした人たちには、わたくしがメッしてあげますから大丈夫ですよ」
女神は、女神の加護とか、身体強化とか呟きながら、沙羅のステータスをいじっている。
「はっ⁉ いつの間にステータス画面が⁉」
「沙羅ちゃんが鏡を見てうっとりしている隙に出してみました。あ、お名前……漢字は面倒だからカタカナで『サラ』にしときましょうねぇ。言葉は新しい世界でも問題なく喋ったり、読み書きできますからね。安心して」
「いや、3歳児が読み書きできたら目立ちすぎるのでは?」
サラが突っ込みを入れたが、女神は笑ってスルーした。
女神はポンッと手元に剣を出すと、それとサラとを見比べている。
サラの身長くらいありそうな長い剣だ。
「装備は持っていればいるほどいいけど……ん、これは邪魔になるわね。ケースに入れて、無限収納庫に詰めましょう」
「無限収納庫⁉ 詰める⁉」
女神がキラキラした光を右手から出すと、ポンッと安っぽいが可愛らしいケースが飛び出した。
「装備は、このケースに詰めておきますからね。必要になったら取り出してね」
女神は嬉々として子ども用玩具のメイクボックスみたいなケースに、小型化した剣やらカラフルな薬瓶、虫眼鏡のようなものなど、様々なちっこいものを詰め合わせている。
「あの……いちいち取り出さないと使えないものは、かえって不便なのでは?」
ステータス画面からチャッチャッと選択してポンと出すわけにはいかないのだろうか? とサラは思ったのだ。
だが女神の答えは斜め上へといっていた。
「ん、サラちゃんのレベルとか、スタミナとか、防御力とか、いろいろとマックスにしてあるし。前にいた世界と違って、魔法も使えますからね。特に生活魔法は完璧だから日常生活で困ることはないわ。あと女神の加護とか寵愛なんかも付けたから、皆から大事にしてもらえるはずよ。だからこの辺の装備は、殆ど必要ないと思うわ」
「え? ならなぜ、そんなものをくれるのですか?」
「だってぇ。女の子って好きでしょ。こーゆーの」
女神はキラキラした笑顔を浮かべると、子ども用のカラフルでなメイクボックスみたいなケースを、自分の顔の横に掲げた。
持ち手がついているからバッグみたいに持ち運びできるタイプだ。
プラスチック製らしきケースは中身が薄っすら見える半透明で、蓋の部分は透明で下の部分はラベンダーピンクになっている。
おまけに蓋の部分には大きなピンクの布製リボンがついていた。
サラはゴクリと生唾を呑み込む。
(子どもの頃に欲しかったけど買ってもらえなかった玩具に似てるっ)
サラは誘惑に負けた。
「確かに……欲しいですけど……」
「でしょー? うふふ。喜んでもらえて嬉しいわ。はいっ」
「あ、どうも」
女神が渡してくれたケースをサラは素直に受け取った。
「このケースを無限収納庫に入れておけば、いつでも取り出せて楽しいわよ。ワクワクするでしょ?」
「そうですね」
サラは受け取ったケースを素直に無限収納庫へと入れた。
「あ、無限収納庫には食べ物も入っているから。お腹が空いて食べ物がなかったら、適当に食べてね。補充は自動的にされるから飢え死にすることはないわ。他にも色々と入ってるのよ。だから向こうの世界では死んでしまったけれど、こっちの世界では生きていくのに何の心配は要らないわ」
ウンウンと頷きながら言う女神はとても優しいが、少々デリカシーに欠けた言葉選びをする。
(そーかー。本当に死んじゃったんだなー)
サラは改めて自分が死んだことを実感して、ちょっとだけしんみりした気分になった。
泣きながら両腕の肘を曲げて両手を握りこぶしにして胸のあたりで揺らす女神につられて、沙羅も同じように握りこぶしを胸のあたりでブンブンと揺らした。
随分と人間的な温かみがある女神だ。
綺麗なのに面白い女の人、という印象もある。
(親しみやすすぎて、ちょっと心配になるくらいの女神さまだなぁ。頼り甲斐があるのか、危なっかしいのか分からない……)
複雑な思いを抱きながら沙羅が眺めている前では、女神が椅子の右側にある鏡のようなものを覗き込んでいる。
「沙羅ちゃんによさそうな転生先は、と……」
鏡のような物には情報が表示されているようだ。
(ゲームの画面みたいなものが映っているのかなぁ。わたしからは見えないから気になるぅ~)
ちょっとソワソワしている沙羅へ、女神がクルンと顔だけ向けて聞く。
「ちょうど聖女召喚している王国があるわ。転生して聖女というのはどうかしら?」
「聖女⁉ なりたいっ! なりたいですっ!」
沙羅は両手を握って拳にしてブンブン振り回しながらコクコクと頷いた。
(聖女というと、異世界転生ファンタジーの定番のアレですね? 聖力使って無双するアレの)
冒険の匂いがする。
沙羅の心はワクワクして高揚し、表情が緩んでニマニマしているのが自分でも分かった。
女神は沙羅の反応に気をよくしたのか、ニコニコしながら呟く。
「ん、まずは容姿ね。せっかく転生するのだから、容姿変えちゃいましょ。えっと……髪色は、コレで……目の色はこうでしょ? あと年齢も……」
キラキラと輝きだした女神が右手をクルンと振ると、キラキラが沙羅へと向かって飛んできた。
「わっ⁉」
キラキラは沙羅を包んだ。
(目の前が眩しくて何も見えないっ! 何が起こってるの?)
しばらく目も開けられない状態が続いた沙羅の耳に、女神がうふふと笑う声が届いた。
「可愛いわぁ。沙羅ちゃん」
沙羅が目を開けると、さっきよりも高い位置に女神の顔が見えた。
「ん? どゆこと?」
沙羅は目をぱちくりさせた。
「うふふ。こっちに来て見てごらんなさいな」
沙羅は手招きされて、女神がさっき覗いてた鏡の前に立った。
「ふわっ⁉」
後光がさして見えるファンタジックな光景に、沙羅は思わず叫んだ。
「なんとメルヘンチック!」
「メルヘン? まぁ確かにメルヘンチックかもしれないわね」
女神はドヤ顔を浮かべ、沙羅の顔には当惑の表情が浮かぶ。
「こっ……これが、わたし?」
鏡の中には整った顔立ちをした銀髪に青い目の幼女が映っていた。
背後には女神の放った魔法か何かがキラキラしている。
「そうよぉ。うふふ。わたくしってば天才」
女神はご満悦だ。
「えっ……これが……」
沙羅はまじまじと鏡を覗き込んだ。
パッツン前髪に長いサラサラの銀髪。
体はちっこくて3歳児くらいだ。
女神が着ている服を子ども服にしたような白いドレスを着ている。
ドレスの裾は短くて袖も肩のあたりまでしかないから、白くて細い手足がむき出しになっていた。
「幼児だ……」
沙羅は呆然と呟いた。
「ふふ。新生活に馴染みやすいように幼児にしてみました」
女神はニコニコしながら続ける。
「過去の転生者には、赤ちゃんで生まれることを推奨していたのよね。でも転生者って前世の記憶が残るものでしょう? オッパイ飲んだり、オムツしたりするのがメンタルに来るみたいなので、3歳児相当を目指してみました」
「はぁ」
(確かに前世の記憶が残ったまま、オッパイ飲んだりするのは嫌だな。でも3歳児かぁ……)
「おねしょは自己責任よ。頑張ってね。うふっ」
「うっ」
沙羅の心配はそこではなかったが、改めて言われるとアレコレ気になることはある。
(でもまぁ、そこも含めてモロモロ頑張るしかないっ)
沙羅は両手をグーにして両腕をブンブン回し、改めて鏡を見た。
「これがっ。新しい、わたし!」
沙羅は鏡を覗き込むと、小さな手で顔をペチペチと触った。
(かなり可愛い。銀髪に青い瞳。白い肌。細くて手足から察するに、スタイルよく育つことが考えられる。わたしってば、かなり美人さんになっちゃうんじゃない?)
沙羅は浮かれた。
そしてすぐに不安になった。
「わたし、こんなに可愛かったら攫われてしまうのでは?」
沙羅のかなり自惚れの強い発言に突っ込むことなく、女神はにこやかに言う。
「うふふ。そこは心配無用よ。いっぱい加護をつけてあげますからね。沙羅ちゃんに悪いことをした人たちには、わたくしがメッしてあげますから大丈夫ですよ」
女神は、女神の加護とか、身体強化とか呟きながら、沙羅のステータスをいじっている。
「はっ⁉ いつの間にステータス画面が⁉」
「沙羅ちゃんが鏡を見てうっとりしている隙に出してみました。あ、お名前……漢字は面倒だからカタカナで『サラ』にしときましょうねぇ。言葉は新しい世界でも問題なく喋ったり、読み書きできますからね。安心して」
「いや、3歳児が読み書きできたら目立ちすぎるのでは?」
サラが突っ込みを入れたが、女神は笑ってスルーした。
女神はポンッと手元に剣を出すと、それとサラとを見比べている。
サラの身長くらいありそうな長い剣だ。
「装備は持っていればいるほどいいけど……ん、これは邪魔になるわね。ケースに入れて、無限収納庫に詰めましょう」
「無限収納庫⁉ 詰める⁉」
女神がキラキラした光を右手から出すと、ポンッと安っぽいが可愛らしいケースが飛び出した。
「装備は、このケースに詰めておきますからね。必要になったら取り出してね」
女神は嬉々として子ども用玩具のメイクボックスみたいなケースに、小型化した剣やらカラフルな薬瓶、虫眼鏡のようなものなど、様々なちっこいものを詰め合わせている。
「あの……いちいち取り出さないと使えないものは、かえって不便なのでは?」
ステータス画面からチャッチャッと選択してポンと出すわけにはいかないのだろうか? とサラは思ったのだ。
だが女神の答えは斜め上へといっていた。
「ん、サラちゃんのレベルとか、スタミナとか、防御力とか、いろいろとマックスにしてあるし。前にいた世界と違って、魔法も使えますからね。特に生活魔法は完璧だから日常生活で困ることはないわ。あと女神の加護とか寵愛なんかも付けたから、皆から大事にしてもらえるはずよ。だからこの辺の装備は、殆ど必要ないと思うわ」
「え? ならなぜ、そんなものをくれるのですか?」
「だってぇ。女の子って好きでしょ。こーゆーの」
女神はキラキラした笑顔を浮かべると、子ども用のカラフルでなメイクボックスみたいなケースを、自分の顔の横に掲げた。
持ち手がついているからバッグみたいに持ち運びできるタイプだ。
プラスチック製らしきケースは中身が薄っすら見える半透明で、蓋の部分は透明で下の部分はラベンダーピンクになっている。
おまけに蓋の部分には大きなピンクの布製リボンがついていた。
サラはゴクリと生唾を呑み込む。
(子どもの頃に欲しかったけど買ってもらえなかった玩具に似てるっ)
サラは誘惑に負けた。
「確かに……欲しいですけど……」
「でしょー? うふふ。喜んでもらえて嬉しいわ。はいっ」
「あ、どうも」
女神が渡してくれたケースをサラは素直に受け取った。
「このケースを無限収納庫に入れておけば、いつでも取り出せて楽しいわよ。ワクワクするでしょ?」
「そうですね」
サラは受け取ったケースを素直に無限収納庫へと入れた。
「あ、無限収納庫には食べ物も入っているから。お腹が空いて食べ物がなかったら、適当に食べてね。補充は自動的にされるから飢え死にすることはないわ。他にも色々と入ってるのよ。だから向こうの世界では死んでしまったけれど、こっちの世界では生きていくのに何の心配は要らないわ」
ウンウンと頷きながら言う女神はとても優しいが、少々デリカシーに欠けた言葉選びをする。
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