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第21話 あつまれ聖獣の森 10
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起きたと言ったな。
アレは嘘だ。
そんなナレーションを頭の中で流しながら、サラはピカードの腹の上で惰眠をむさぼっていた。
(二度寝最高!)
正確には二度ではない。
三度四度とウトウトしては目覚めてオカメちゃんを撫で、クロをモフり、ボコンボコン揺れるピカードの腹の感触を楽しんだ。
人間をダメにするソファのようなピカードの腹の上は、とても快適だ。
だがそこは生き物。
ボコンボコン揺れるお腹から「グゥゥゥゥゥ」という空腹を知らせる大きな音が響いても仕方ない。
つられるようにゴロンゴロンと転がるサラたちのお腹からも空腹を知らせる音が大きく響く。
最初の目覚めですら朝焼け終了後だったというのに、何度も寝直したのだからお腹が空いても仕方ない。
だがサラにとっては久しぶりの感覚だ。
「朝からお腹空いてるなんて、何年ぶりだろ……」
思わず呟く。
『ふふ、変なの。朝ご飯前にお腹が空いてるのなんて当たり前のことでしょ、サラ』
クロが笑いながら言うと、ピカードも緩くウフフと笑った。
サラたちが動き出したので、ほかの聖獣たちも体を起こした。
バーンズはバンビのような顔をゆっくり起こしながら言う。
『そろそろ朝ご飯にしようか?』
『なら、森に行かないと……』
シローネは真っ白な前足で赤い瞳のはまった目のあたりをモゾモゾとこすった。
(可愛いんだが? サイズ感は間違っているが)
サラは大きなウサギが身づくろいする姿をうっとりと眺めた。
「びぎゃっ」
上半身を起こしたサラの頭の上でオカメちゃんが何かを要求するかのように鳴く。
「はいはい」
サラは慣れた様子で右腕を上げ、小さな人差し指と中指を揺らした。
するとオカメちゃんは自分でスポッと指の間に顔を埋める。
もふもふとした感触を楽しみながらサラは指を動かす。
「ぴっ……ぴっ……ぴぎゃっ」
小さな鳴き声がふわふわとサラの耳に届いた。
どうやらオカメちゃんには満足いただけているようだ。
立ち上がったクロが、サラに声をかける。
『サラも朝ご飯食べに森へ行こうよ』
「んー……お腹が空いて動くのが面倒だから、わたしは無限収納庫にある物をテキトーに食べようかなぁ」
サラはそう言いながら無限収納庫の中をゴソゴソと漁り、昨日から出したままになっていた大きなテーブルに、朝食っぽい物を並べていった。
「目玉焼きにお味噌汁、焼き鮭に雑穀入りのご飯。味付け海苔に……甘い卵焼きも食べちゃおうかなぁ」
3歳児の体なら生活習慣病の心配はない。
(そもそも女神さまが加護をいっぱいくれたから、病気の心配が必要ないんだよねぇー。お金の心配も、時間の調整も必要ないし。食べたい物を食べたいだけ食べるぅ~)
そう思いながらも朝食メニューとして思いつくのは、すき焼きや寿司ではないのだ。
庶民的な日本人にとって、贅沢な朝食メニューといえば旅館の朝ご飯のようなメニューだ。
「あ、漬物もある。わたしはキュウリの浅漬けが好きだけど、大根の漬物もさっぱりするからいいよねぇ~」
3歳児らしからぬことを呟きながらテーブルの上に漬物をトンと置いて顔を上げると、視線の先には聖獣たちが揃ってサラの手元を覗き込んでいた。
鼻を動かしたりヨダレを垂らしたりして、興味津々といった様子で料理を見ている。
「和食なんだけど……みんなも、一緒に食べる?」
サラが首を傾げて聞けば、聖獣たちはウンウンと無言で頷いた。
「なら、人数分用意するねー」
無限収納庫は便利だ。
ホカホカのご飯やお味噌汁が器に入った状態で取り出せる。
それにサラの体には女神の加護が厚くかかっているので、あつあつの汁がちょっと飛んだくらいではアチッとはならない。
サクサクと人数分の食事を用意してテーブルに並べた。
(いったん無限収納庫を閉じて、と)
サラは戻ってきたピカードの膝の上にキチンと正座すると両手を合わせる。
「いただきますっ!」
元気に言うと、サラは箸をもって勢いよく朝食を食べ始めた。
(あー美味しい~。ご飯に生卵かけたくなっちゃうな~)
ニマニマと上機嫌で食べているサラを、ジッと見ていた聖獣たちも見よう見まねで食べ始めた。
『あっ、これ美味しい!』
「ご飯だよ。お米を炊いた物。雑穀も入ってるけど。ご飯はねぇ、昨日のおにぎりの外側と一緒だよ」
『えー。温かいだけで味が全然違うぅ~』
「ご飯美味しいよねぇ」
『うん、美味しい~』
クロの目がキラキラとしている。
『このスープも美味しいわ』
「それはお味噌汁だよ。野菜とか煮たなかにお味噌が入ってるの。お味噌は他の料理の味付けに使ったりもするよ」
『あー、ワタシこの味好きかもぉ~』
(あ、疑問形なんだ)
「お味噌は発酵食品だから、美容にいいんだよぉ」
サラが何気なく言うと、シローネの赤い瞳がギラリと光った。
『その話、後で詳しく教えて』
「おっけぇ~」
サラは緩く了解して、味噌汁をすすった。
『この黒くて薄っぺらいのも美味しいな?』
「そうでしょ。味付け海苔だよ。海苔に味もついているから最強!」
バーンズがもきゅもきゅと味付け海苔を食べてるのを見ながら、サラはテキトーに答えた。
(味が強いから一度に沢山食べると体によくないけど……聖獣ってそういうの関係なさそう)
『この和食っていうの、全部美味しいねぇ、サラ』
ピカードはそう言いながらワシワシと次から次へと食べている。
(足りなくなりそうだねぇ。追加、追加)
サラは無限収納庫を開けて、追加の味噌汁や味付け海苔、ご飯などを出していく。
納豆もあったので出してみたら、シローネ以外は気に入ったようだ。
(シローネは毛が汚れるような食べ物が苦手? 匂いがダメなのかな?)
「シローネ、コレも発酵食品で美容にいいよ?」
『え……』
再びクンクンと納豆の匂いを嗅ぐ様子を見せたシローネだったが、プイッと横を向いた。
納豆はお気に召さなかったようだ。
サラは更に追加で西京漬けの銀鱈を焼いた物とか、タクワンや冷ややっこなどもだしてみた。
銀色オオカミは黙々と食べているが、和食は気に入ったようでサラが追加で出した料理に手を伸ばしている。
(聖獣って意外と和食好き?)
サラはコテンと左側に頭を倒してガツガツと和食を食べている聖獣たちを眺めた。
アレは嘘だ。
そんなナレーションを頭の中で流しながら、サラはピカードの腹の上で惰眠をむさぼっていた。
(二度寝最高!)
正確には二度ではない。
三度四度とウトウトしては目覚めてオカメちゃんを撫で、クロをモフり、ボコンボコン揺れるピカードの腹の感触を楽しんだ。
人間をダメにするソファのようなピカードの腹の上は、とても快適だ。
だがそこは生き物。
ボコンボコン揺れるお腹から「グゥゥゥゥゥ」という空腹を知らせる大きな音が響いても仕方ない。
つられるようにゴロンゴロンと転がるサラたちのお腹からも空腹を知らせる音が大きく響く。
最初の目覚めですら朝焼け終了後だったというのに、何度も寝直したのだからお腹が空いても仕方ない。
だがサラにとっては久しぶりの感覚だ。
「朝からお腹空いてるなんて、何年ぶりだろ……」
思わず呟く。
『ふふ、変なの。朝ご飯前にお腹が空いてるのなんて当たり前のことでしょ、サラ』
クロが笑いながら言うと、ピカードも緩くウフフと笑った。
サラたちが動き出したので、ほかの聖獣たちも体を起こした。
バーンズはバンビのような顔をゆっくり起こしながら言う。
『そろそろ朝ご飯にしようか?』
『なら、森に行かないと……』
シローネは真っ白な前足で赤い瞳のはまった目のあたりをモゾモゾとこすった。
(可愛いんだが? サイズ感は間違っているが)
サラは大きなウサギが身づくろいする姿をうっとりと眺めた。
「びぎゃっ」
上半身を起こしたサラの頭の上でオカメちゃんが何かを要求するかのように鳴く。
「はいはい」
サラは慣れた様子で右腕を上げ、小さな人差し指と中指を揺らした。
するとオカメちゃんは自分でスポッと指の間に顔を埋める。
もふもふとした感触を楽しみながらサラは指を動かす。
「ぴっ……ぴっ……ぴぎゃっ」
小さな鳴き声がふわふわとサラの耳に届いた。
どうやらオカメちゃんには満足いただけているようだ。
立ち上がったクロが、サラに声をかける。
『サラも朝ご飯食べに森へ行こうよ』
「んー……お腹が空いて動くのが面倒だから、わたしは無限収納庫にある物をテキトーに食べようかなぁ」
サラはそう言いながら無限収納庫の中をゴソゴソと漁り、昨日から出したままになっていた大きなテーブルに、朝食っぽい物を並べていった。
「目玉焼きにお味噌汁、焼き鮭に雑穀入りのご飯。味付け海苔に……甘い卵焼きも食べちゃおうかなぁ」
3歳児の体なら生活習慣病の心配はない。
(そもそも女神さまが加護をいっぱいくれたから、病気の心配が必要ないんだよねぇー。お金の心配も、時間の調整も必要ないし。食べたい物を食べたいだけ食べるぅ~)
そう思いながらも朝食メニューとして思いつくのは、すき焼きや寿司ではないのだ。
庶民的な日本人にとって、贅沢な朝食メニューといえば旅館の朝ご飯のようなメニューだ。
「あ、漬物もある。わたしはキュウリの浅漬けが好きだけど、大根の漬物もさっぱりするからいいよねぇ~」
3歳児らしからぬことを呟きながらテーブルの上に漬物をトンと置いて顔を上げると、視線の先には聖獣たちが揃ってサラの手元を覗き込んでいた。
鼻を動かしたりヨダレを垂らしたりして、興味津々といった様子で料理を見ている。
「和食なんだけど……みんなも、一緒に食べる?」
サラが首を傾げて聞けば、聖獣たちはウンウンと無言で頷いた。
「なら、人数分用意するねー」
無限収納庫は便利だ。
ホカホカのご飯やお味噌汁が器に入った状態で取り出せる。
それにサラの体には女神の加護が厚くかかっているので、あつあつの汁がちょっと飛んだくらいではアチッとはならない。
サクサクと人数分の食事を用意してテーブルに並べた。
(いったん無限収納庫を閉じて、と)
サラは戻ってきたピカードの膝の上にキチンと正座すると両手を合わせる。
「いただきますっ!」
元気に言うと、サラは箸をもって勢いよく朝食を食べ始めた。
(あー美味しい~。ご飯に生卵かけたくなっちゃうな~)
ニマニマと上機嫌で食べているサラを、ジッと見ていた聖獣たちも見よう見まねで食べ始めた。
『あっ、これ美味しい!』
「ご飯だよ。お米を炊いた物。雑穀も入ってるけど。ご飯はねぇ、昨日のおにぎりの外側と一緒だよ」
『えー。温かいだけで味が全然違うぅ~』
「ご飯美味しいよねぇ」
『うん、美味しい~』
クロの目がキラキラとしている。
『このスープも美味しいわ』
「それはお味噌汁だよ。野菜とか煮たなかにお味噌が入ってるの。お味噌は他の料理の味付けに使ったりもするよ」
『あー、ワタシこの味好きかもぉ~』
(あ、疑問形なんだ)
「お味噌は発酵食品だから、美容にいいんだよぉ」
サラが何気なく言うと、シローネの赤い瞳がギラリと光った。
『その話、後で詳しく教えて』
「おっけぇ~」
サラは緩く了解して、味噌汁をすすった。
『この黒くて薄っぺらいのも美味しいな?』
「そうでしょ。味付け海苔だよ。海苔に味もついているから最強!」
バーンズがもきゅもきゅと味付け海苔を食べてるのを見ながら、サラはテキトーに答えた。
(味が強いから一度に沢山食べると体によくないけど……聖獣ってそういうの関係なさそう)
『この和食っていうの、全部美味しいねぇ、サラ』
ピカードはそう言いながらワシワシと次から次へと食べている。
(足りなくなりそうだねぇ。追加、追加)
サラは無限収納庫を開けて、追加の味噌汁や味付け海苔、ご飯などを出していく。
納豆もあったので出してみたら、シローネ以外は気に入ったようだ。
(シローネは毛が汚れるような食べ物が苦手? 匂いがダメなのかな?)
「シローネ、コレも発酵食品で美容にいいよ?」
『え……』
再びクンクンと納豆の匂いを嗅ぐ様子を見せたシローネだったが、プイッと横を向いた。
納豆はお気に召さなかったようだ。
サラは更に追加で西京漬けの銀鱈を焼いた物とか、タクワンや冷ややっこなどもだしてみた。
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