14 / 40
第14話 屋上リゾート
しおりを挟む
こんな暑い日の日中に屋上へ来るヤツなんて、馬鹿なんじゃなかったのか?
屋上への入り口を開けた真城、黒江、坂下の一行は、目の前へ広がる光景に目を見開いて口をあんぐりと開けた。
そこに陽気な声が響く。
「やっほー庶民の諸君。リゾートへようこそ」
そこには白いパラソルの下に白いビーチチェアを置いて寝そべるように座っている同級生、佐藤健司の姿があった。
ちなみに身に着けているのは、紺色のスクール水着のみだ。
「おまっ……正気か?」
「正気? 知らない子ですね」
黒江が呆れて突っ込むと、佐藤は澄まして答えた。
そしてビーチチェアの脇に置いた小さなテーブルの上に置いた炭酸ジュースの瓶を持つと、ストローでチューとジュースを飲む。
細い、というよりガリガリで色白な佐藤は、校内で一二を争うお調子者だ。
坂下は屋上に持ち込まれた品々をじろじろと眺めながら口を開く。
「佐藤~、お前、コレを1人で屋上へ運んだのか?」
「うん」
佐藤の周りには青や赤のビーチパラソルに白いビーチチェア、テーブルなどが並べられていた。
大きなクーラーボックスのなかにはたっぷりの氷が入っていて、そこに瓶入りの飲料が何本か突き刺すように並んでいる。
黒江はキュッと目じりを吊り上げて言う。
「ジュースは購買の中か食堂でしか飲んじゃいけないんだぞ」
「堅いぞ、黒江。男子たるもの堅くあるべきはそこじゃない」
佐藤はジュジューと音を立ててジュースを飲んだ。
「いいなー、佐藤。リゾートじゃん」
「うん、リゾートだ! おれもリゾートしたいっ!」
真城と坂下は目を輝かせて佐藤にねだる。
「ふふふ。仕方ないな。君たちもリゾートしたまえ」
佐藤が許可を出すと、真城と坂下は歓喜の声を上げてビーチチェアへと寝そべった。
「リゾートするってなんだよ」
黒江はブツブツいいながらビーチチェアに座った。
「ふふふ。黒江。お前には足りていないものがある」
「なんだよ?」
「コレだ!!!」
佐藤は自信満々にストローの刺さった炭酸ジュースの瓶を差し出す。
黒江は大人しく、支給されたジュースの瓶を受け取った。
それから数分。
その気になりやすい男子高校生たちは、屋上リゾートを楽しんでいた。
「なぁ、黒江? リゾートだと思わない?」
「ああ、そうだな真城。この熱風は、まさにリゾートだ」
黒江は、隣のビーチチェアに寝そべってご機嫌でジュースをストローでチューチュー吸っている真城を見た。
真城は反対隣りに座っている坂下と何か話している。
黒江は何となく右手を真城に向かって伸ばす。
伸ばした右手が真城の左手をそっとつかまえた。
それに気付いた真城が黒江を振り返り、ニカッと笑って黒江の手をギュッと握る。
ここは天国だな、と黒江は思った。
屋上への入り口を開けた真城、黒江、坂下の一行は、目の前へ広がる光景に目を見開いて口をあんぐりと開けた。
そこに陽気な声が響く。
「やっほー庶民の諸君。リゾートへようこそ」
そこには白いパラソルの下に白いビーチチェアを置いて寝そべるように座っている同級生、佐藤健司の姿があった。
ちなみに身に着けているのは、紺色のスクール水着のみだ。
「おまっ……正気か?」
「正気? 知らない子ですね」
黒江が呆れて突っ込むと、佐藤は澄まして答えた。
そしてビーチチェアの脇に置いた小さなテーブルの上に置いた炭酸ジュースの瓶を持つと、ストローでチューとジュースを飲む。
細い、というよりガリガリで色白な佐藤は、校内で一二を争うお調子者だ。
坂下は屋上に持ち込まれた品々をじろじろと眺めながら口を開く。
「佐藤~、お前、コレを1人で屋上へ運んだのか?」
「うん」
佐藤の周りには青や赤のビーチパラソルに白いビーチチェア、テーブルなどが並べられていた。
大きなクーラーボックスのなかにはたっぷりの氷が入っていて、そこに瓶入りの飲料が何本か突き刺すように並んでいる。
黒江はキュッと目じりを吊り上げて言う。
「ジュースは購買の中か食堂でしか飲んじゃいけないんだぞ」
「堅いぞ、黒江。男子たるもの堅くあるべきはそこじゃない」
佐藤はジュジューと音を立ててジュースを飲んだ。
「いいなー、佐藤。リゾートじゃん」
「うん、リゾートだ! おれもリゾートしたいっ!」
真城と坂下は目を輝かせて佐藤にねだる。
「ふふふ。仕方ないな。君たちもリゾートしたまえ」
佐藤が許可を出すと、真城と坂下は歓喜の声を上げてビーチチェアへと寝そべった。
「リゾートするってなんだよ」
黒江はブツブツいいながらビーチチェアに座った。
「ふふふ。黒江。お前には足りていないものがある」
「なんだよ?」
「コレだ!!!」
佐藤は自信満々にストローの刺さった炭酸ジュースの瓶を差し出す。
黒江は大人しく、支給されたジュースの瓶を受け取った。
それから数分。
その気になりやすい男子高校生たちは、屋上リゾートを楽しんでいた。
「なぁ、黒江? リゾートだと思わない?」
「ああ、そうだな真城。この熱風は、まさにリゾートだ」
黒江は、隣のビーチチェアに寝そべってご機嫌でジュースをストローでチューチュー吸っている真城を見た。
真城は反対隣りに座っている坂下と何か話している。
黒江は何となく右手を真城に向かって伸ばす。
伸ばした右手が真城の左手をそっとつかまえた。
それに気付いた真城が黒江を振り返り、ニカッと笑って黒江の手をギュッと握る。
ここは天国だな、と黒江は思った。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】恋い慕うは、指先から〜ビジネス仲良しの義弟に振り回されています〜
紬木莉音
BL
〈策士なギャップ王子×天然たらし優等生〉
学園の名物コンビ『日南兄弟』は、実はビジネス仲良し関係。どんなに冷たくされても初めてできた弟が可愛くて仕方がない兄・沙也は、堪え切れない弟への愛をSNSに吐き出す日々を送っていた。
ある日、沙也のアカウントに一通のリプライが届く。送り主である謎のアカウントは、なぜか現実の沙也を知っているようで──?
隠れ執着攻め×鈍感受けのもだキュンストーリー♡
いつもいいねやお気に入り等ありがとうございます!
義兄が溺愛してきます
ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。
その翌日からだ。
義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。
翔は恋に好意を寄せているのだった。
本人はその事を知るよしもない。
その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。
成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。
翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。
すれ違う思いは交わるのか─────。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
なぜかピアス男子に溺愛される話
光野凜
BL
夏希はある夜、ピアスバチバチのダウナー系、零と出会うが、翌日クラスに転校してきたのはピアスを外した優しい彼――なんと同一人物だった!
「夏希、俺のこと好きになってよ――」
突然のキスと真剣な告白に、夏希の胸は熱く乱れる。けれど、素直になれない自分に戸惑い、零のギャップに振り回される日々。
ピュア×ギャップにきゅんが止まらない、ドキドキ青春BL!
あなたのいちばんすきなひと
名衛 澄
BL
亜食有誠(あじきゆうせい)は幼なじみの与木実晴(よぎみはる)に好意を寄せている。
ある日、有誠が冗談のつもりで実晴に付き合おうかと提案したところ、まさかのOKをもらってしまった。
有誠が混乱している間にお付き合いが始まってしまうが、実晴の態度はいつもと変わらない。
俺のことを好きでもないくせに、なぜ付き合う気になったんだ。
実晴の考えていることがわからず、不安に苛まれる有誠。
そんなとき、実晴の元カノから実晴との復縁に協力してほしいと相談を受ける。
また友人に、幼なじみに戻ったとしても、実晴のとなりにいたい。
自分の気持ちを隠して実晴との"恋人ごっこ"の関係を続ける有誠は――
隠れ執着攻め×不器用一生懸命受けの、学園青春ストーリー。
【完結】俺とあの人の青い春
月城雪華
BL
高校一年の夏、龍冴(りょうが)は二つ上の先輩である椰一(やいち)と付き合った。
けれど、告白してくれたにしては制限があまりに多過ぎると思っていた。
ぼんやりとした不信感を抱いていたある日、見知らぬ相手と椰一がキスをしている場面を目撃してしまう。
けれど友人らと話しているうちに、心のどこかで『椰一はずっと前から裏切っていた』と理解していた。
それでも悲しさで熱い雫が溢れてきて、ひと気のない物陰に座り込んで泣いていると、ふと目の前に影が差す。
「大丈夫か?」
涙に濡れた瞳で見上げると、月曜日の朝──その数日前にも件の二人を見掛け、書籍を落としたのだがわざわざ教室まで届けてくれたのだ──にも会った、一学年上の大和(やまと)という男だった。
【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―
綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。
一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。
もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。
ルガルは生まれながらに選ばれし存在。
国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。
最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。
一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。
遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、
最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。
ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。
ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。
ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。
そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、
巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。
その頂点に立つ社長、一条レイ。
冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。
【完結】いいなりなのはキスのせい
北川晶
BL
優等生×地味メンの学生BL。キスからはじまるすれ違いラブ。アオハル!
穂高千雪は勉強だけが取り柄の高校一年生。優等生の同クラ、藤代永輝が嫌いだ。自分にないものを持つ彼に嫉妬し、そんな器の小さい自分のことも嫌になる。彼のそばにいると自己嫌悪に襲われるのだ。
なのに、ひょんなことから脅されるようにして彼の恋人になることになってしまって…。
藤代には特異な能力があり、キスをした相手がいいなりになるのだという。
自分はそんなふうにはならないが、いいなりのふりをすることにした。自分が他者と同じ反応をすれば、藤代は自分に早く飽きるのではないかと思って。でも藤代はどんどん自分に執着してきて??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる