少年ペット契約

眠りん

文字の大きさ
1 / 24

一話 捨てられた日

しおりを挟む
「お前ん家って、貧乏暇なしなんだろ?」

 ……って、クラスメイトにバカにされながら言われた。

「ううん。貧乏なだけで暇してるよ」

 お父さんは毎日飲んでるかパチンコ行ってるし、お母さんは昼過ぎになると起きて仕事に行く。
 近場で働いてるものだから、学校帰りに知らないオッサンとデート中のお母さんに出くわす事が稀にある。
 いつも楽しそうに笑ってるし、家じゃいつも呑気そうな顔してるから、忙しそうには見えないかな。

 お母さんが男の人と遊んでお金を稼ぐ仕事を始めたのは五年前、オレが七歳の時だった。最初はなんだか気持ち悪く感じたけど、それももう慣れた。
 オレももう十二歳。もう子供じゃないんだから、そんな事で気持ち悪がっていられないよ。

 でも、お母さんはお父さんがパチンコに行ってる時間に知らない男の人を家に連れ込んで、エッチをするんだ。
 それだけは未だに慣れなくて、外で遊ぶようにしてるんだ。
 皆塾とか習い事で忙しいみたいで、遊んでくれる友達っていうのは全然いない。
 でも、一人で出来る遊びって意外と多いんだ。

 本音を言えば、オレは家でゴロゴロ寝るのが趣味だから外にいたくない。
 だからお母さんが男の人と遊ぶ仕事をしない時は、家でずーっとゴロゴロしてるの。これが一番の幸せ。

 ボロくて狭くて、夏は暑くて冬は寒いアパートに住んでて、いつもボサボサの頭であんまり風呂に入れなくって、昼の給食と夜のコンビニ弁当しか食べてなくても、ゴロゴロ出来ればそれでいいの。

 両親は殆ど会話ないし、お父さんはオレを邪魔者扱いしてくるけど、お母さんが一緒にゴロゴロしてくれるから十分幸せ!
 人から見れば不幸に見えるみたい。近所の人はいつもオレを心配してくる。
 少なくともオレにとっては幸せな家庭なんだけどな。

 でも、その幸せは長く続かなかったみたい。


 ある日、学校から帰ると家の中が不思議な事になっていた。この時間、お父さんはパチンコに行ってて、お母さんはウチいなければ外でデートの筈だ。
 なのに、家具や電化製品が全てなくなっている。

 使い古されてたまに電源が落ちるテレビ、薄汚い冷蔵庫、いつもタバコの吸殻で汚いテーブル、シングルサイズの布団を二つ並べて親子三人で使ってた、万年床になってた寝具一式とかが全部なくなってるんだ。
 あるのはオレの荷物だけ。

 オレ、捨てられたっぽい?

 呆然としていると、ガチャリと部屋のドアが開く音がした。お母さんかと思って振り向いたら違った。
 見てすぐ分かるヤクザっぽい怖い顔付きの男が立っていた。しかもオレの靴を踏み付けながら土足で部屋に上がり込んできた。

「おめぇ、小山内おさないのガキだろ。あーえーと、名前なんだったっけ?」

 ガキ呼ばわりにムッとこないわけじゃないけど、表に出す勇気はない。恐怖で身を強ばらせたまま、返事すら出来ない。

「おい、聞いてるだろうが」

 怒鳴られるかと怯えていたけれど、男は落ち着いた口調だ。恐る恐る答える。

「オレは小山内文和ふみかずだよ」

「お前置いていかれたな」

 その言葉で全てを悟った。夜逃げってやつだ。朝はいたから逃げたのは昼? 昼逃げ?
 あぁ、オレは捨てられたんだなぁ。
 確かに、最近やけにお父さんが「ガキさえいなけりゃ」って呟いてたっけ。
 単なるいつもの独り言だと思ってたのにな。

「あんな親でも捨てられたら泣く程つれぇか」

 ヤクザに言われて気付いた。オレの目からポタポタと涙が零れていた。
 辛い? 違う。ただ悲しいんだ。
 他の子供みたいに、きちんと育ててくれたわけじゃなくても、お母さんとお父さんの事好きだったから。

「これからお前にはもっと辛い目に遭ってもらう事になる。俺について来い。来なけりゃ気絶させて拉致すんぞ」

「行く!」

 どこに連れて行かれるかは分からなかった。ただ、養護施設とか児童相談所とかではない事は分かる。
 これからオレ、どうなっちゃうんだろう?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

側妻になった男の僕。

selen
BL
国王と平民による禁断の主従らぶ。。を書くつもりです(⌒▽⌒)よかったらみてね☆☆

うちの前に落ちてたかわいい男の子を拾ってみました。 【完結】

まつも☆きらら
BL
ある日、弟の海斗とマンションの前にダンボールに入れられ放置されていた傷だらけの美少年『瑞希』を拾った優斗。『1ヵ月だけ置いて』と言われ一緒に暮らし始めるが、どこか危うい雰囲気を漂わせた瑞希に翻弄される海斗と優斗。自分のことは何も聞かないでと言われるが、瑞希のことが気になって仕方ない2人は休みの日に瑞希の後を尾けることに。そこで見たのは、中年の男から金を受け取る瑞希の姿だった・・・・。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

αからΩになった俺が幸せを掴むまで

なの
BL
柴田海、本名大嶋海里、21歳、今はオメガ、職業……オメガの出張風俗店勤務。 10年前、父が亡くなって新しいお義父さんと義兄貴ができた。 義兄貴は俺に優しくて、俺は大好きだった。 アルファと言われていた俺だったがある日熱を出してしまった。 義兄貴に看病されるうちにヒートのような症状が… 義兄貴と一線を超えてしまって逃げ出した。そんな海里は生きていくためにオメガの出張風俗店で働くようになった。 そんな海里が本当の幸せを掴むまで…

寂しいを分け与えた

こじらせた処女
BL
 いつものように家に帰ったら、母さんが居なかった。最初は何か厄介ごとに巻き込まれたのかと思ったが、部屋が荒れた形跡もないからそうではないらしい。米も、味噌も、指輪も着物も全部が綺麗になくなっていて、代わりに手紙が置いてあった。  昔の恋人が帰ってきた、だからその人の故郷に行く、と。いくらガキの俺でも分かる。俺は捨てられたってことだ。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

処理中です...